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水道が止められた家族…上下水道料金の引き上げ条例

1歳と3歳の子供を連れて、若いご夫婦が相談に来られた。3万なにがしかの水道料金を滞納して、1週間水道を止められ、困っているという。熱中症になるほどの暑い毎日。食事もままならず、お風呂に入れられない子供のお尻がかぶれて…と。サラ金から借りて払おうとも思ったが、それではさらに借金から抜け出せなくなると、連絡してきた。おむつをした子供にとって、1週間もお風呂に入れない生活は、虐待に近い。驚いて話を聞いた。半年前、夫が失業。個人営業だったため、雇用保険もなく、即生活に困った。仕事を探しながら、妻のバイトと夫の登録派遣で食いつないでいるが、水道料金支払いの約束を守らなかったとして、給水を停止されたのだ。経営が大変な民間の保育園でさえ、事情を聞いて保育料の支払いを待ってくれているのに、どうして市が水道料金の支払いを待てないのだろう。5日の議会で「水道料金値上げ」となる条例の質疑をした。その中で、「水は商品であり、支払ってもらわねば困る」という立場を市は明言した。今度の議会には、税金、公共料金を払うのは、市民の義務だと宣言する「税金、公共料金の完納都市宣言」が出されている。税金を集めるのには一生懸命だが、その使い道、中央ルートのようなばく大な税金の無駄遣いには、いっさい目をつぶっている。それが納得いかない。議会では多くの議員が、「税金、公共料金の徴収率を上げよ」と発言する。しかし、毎月、決まった日に必ず給料の入る公務員と違って、景気が悪ければ給料が下げられ、解雇、失業の不安にさいなまれるのが、一般市民の生活だ。多くの若い夫婦が低賃金で働き、子育てしている。年金暮らしの親世代も、なかなか援助できない。事情によっては、市長は給水停止を解除できるという弱者救済の制度があるのに、それが使われず、子供のいる家庭でも、水道を止めているのだ。水道担当の職員や水道の徴収を民間委託で受けている会社の社員が悪いのではない。特定業者にはメチャメチャ甘いのに、弱者にはわずかな税金も出し惜しむ市のトップの「強いもにには弱く、弱いものには強い」という体質が、諸悪の根源と思う。ようやく水が出るようにしてもらうまで、3時間かかった。その間、あちこち引っ張りまわされた子供たちもしんどかったろう。9月議会には、国際会議ができるようなホテルを誘致する条例がでている。5年間、2500万円の固定資産税をまけるから、大型ホテルさんきてくださいというのだ。9月議会には、「部落差別をはじめとする人権侵害をなくそうという、人権都市宣言も出されている。5日の議会で、市の一番の人権侵害は「部落差別」だと言い張った市。貧困によって、憲法に保障された「必要最低限の生活」ができない人権侵害こそ、いま市が力を入れて対応すべきではないのか。