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1月27日~強制捜査の直後に、資格のない申請書を違法に受理

「糸島市職員ら3人逮捕」「旧前原市の下水道工事 官製談合容疑など 県警」(西日本新聞)8か月前の1月25日、各新聞にこの見出しが躍った。1月24日に職員が逮捕され、翌25日には、市役所への強制捜査が行われた。粉雪の舞い散る寒い日だった。市役所中がピリピリと緊張し、異様な静けさに満ちていた。3階の議員控室から外を見下ろすと、市役所玄関前に大勢の報道陣がつめかけ、カメラを構えて県警の入ってくるのを凍えながら待っていた。押収された書類は、段ボール34箱だった。26日の新聞には、松本市長、谷口副市長、総務部長、上下下水道部長が、謝罪の記者会見をしている様子が、カラー写真で新聞紙上に掲載された。この時、市長は、「市民の信頼を裏切る行為。原因と併せ、組織の問題を含めて究明していきたい」と述べた。(西日本新聞1月26日付)しかしこのとき、市役所内部では、違法な指定管理者の業者選定が、市長命令でまさに同時並行で行われていたのである。1月27日、糸島市役所二丈分庁舎の農林土木課に、ひとりの若い男性がやってきた。のちの(株)ネイチャースピリット社長、K氏。市の行政財産である「木の香ランドキャンプ場」と「樋ノ口ハイランド森林公園」の林間施設の指定管理者に応募するため、申請書をもってきたのである。指定管理者に応募できるのは、法人かNPOなどの団体だけ。応募要項には、過去の実績や事業報告書、財産目録なども提出するように定めてある。申請書には、(株)ネイチャースピリット(設立予定)と書かれていた。つまり、このとき会社はまだなかった。当然、応募資格はなく、提出できる書類は何もなかった。ところが、地方自治法、行政手続法、林間施設条例では、到底受理できないこの申請書を、職員、係長、課長補佐、課長、農林水産部長がつぎつぎハンコを押して、受理したのである。それは、強制捜査で市役所が家宅捜索された2日後のことであった。「警察は相当、なめられている」と私は思った。「存在しない会社」を「ある」と偽って人をだますのは、詐欺師のすることだ。それを、警察の捜査があっている最中に、マスコミや国民へ謝罪会見しながら、同時にやってのけた松本市長の「恐るべき政治手腕」を、シリーズでふりかえってみよう。