「伊藤議員,Aですけど」
きのうの電話は、知的障害のある女性だった。
「新しい作業所に慣れてきました。みんないい人です。」彼女の声は弾んでいた。
「お昼になると、さあみなさん、お昼ごはんにしましょう、とやさしく声をかけてくれるし、わたしが乱暴な言葉を使ったら、いけませんよと、ていねいに言ってくれるし、…」
しばらく、嬉しそうな会話が続いた。
「それはよかったね。でも、前の所のみなさんも良くしてくれたのを忘れないでね」
「はい。またご報告します」
十数年、つとめた作業所をかわって、新しい作業所でも働いてみたいという彼女の相談を受けてから、いろいろと話をしてきた。新しいところでうまくいかなかったらどうしようかとも思ったが、本人の願いが一番だと考えた。
夏の暑い日、2人で見学に行った作業所で、スタッフや仲間の働く姿を見て彼女の心は決まった。
それからは、福祉関係のさまざまな方々のお世話になって、落ち着いた。
Aさんとはもう15年以上の付き合いになる。
「伊藤議員に助けてもらいながら、これからもがんばります」とよく言ってくれるが、そうじゃない。
助けてもらっているのは、私の方。
議会であの議員たちから辞職勧告をうけても、「あなたが必要です」といってくれる市民がいるかぎり、私はがんばれる。それが心の支え。
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