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「きさま黙れ!共産党がぁ」…あれから25年


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①地震、原発、暮らし…100回の一般質問をした議場

写真は昨年12月18日本会議終了後の議場。新庁舎が完成し、1998年から25年間在籍したこの議場ともお別れだ。

初めての一般質問は障がい者福祉の充実についてだった。それから地震、原発、教育、福祉、不正の追及…と、ここで100回の一般質問をした。

法令を遵守しないパワハラ議会で政治が歪められ、税金が無駄遣いされている。市民のために使えば良いことがたくさんできるのに。

議会の構成員として必要な資質や知識を有しておらず、内容虚偽の議案さえ議決する腐敗した議会。反対意見は徹底的に封じ込め、すさまじい同調圧力で異論を許さない。そんな議会はもはや議会とは呼べない。


②「声のでかいもんが勝つ」

私は日本共産党の二議席目の議員として1998年11月の選挙で初当選した。初めて議員バッジを付け、出席した議員全員協議会でのこと。

議長が「議運にお諮りして、今後『議会便り』には発言した議員の名前は載せないことにした。発言した議員の宣伝になる」と言った。

私はすぐさま「議長!」と手を挙げ、「議会はガラス張りにすべきです。発言した議員の名前を載せないのには反対です」と言った。

すると議長は激昂して「きさま黙れ!」と怒鳴り「共産党がぁ」と言った。あまりに大きな怒鳴り声だったので、私は椅子ごと後ろにひっくり返りそうになった。

でもここは議会。きっと誰かが注意するだろう、この非常識な議長を諌めてくれるだろうと様子をうかがった。しかし誰もが下を向いて沈黙し、注意する人はいなかった。

市民文教委員会室に移動後、委員長が私に「ここは声のでかいもんが勝つんじゃ」と言った。「ヤクザじゃあるまいし冗談じゃない。それならできるだけ大きな声で発言しよう」と決めた。


2004年4月発行の日本共産党の「前原の風」から

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「夢のあるトンネルを作りたい」春田整秀市長が長野峠にトンネルを掘る計画を打ち出し、それに私が反対したときのビラ。ヤジ暴言がひどく「こんな議会でいいのでしょうか?」という記事を何回も書いた。


③品性も倫理観もない

まだハラスメントが問題にならない時代。当時体重が60キロを超えていた私が廊下を歩いていると、後ろから「尻が石うすのごたるばい」と言って笑う声がした。人権や教育を語る資格のない議員が何人もいた。

公共事業の利害関係者として開発の先頭に立っていた議員、多額の借金を抱え調整区域の土地を売りたがっていた議員、業者のカバン持ちをしていた議員、議員報酬の他に市の補助金団体から月に十万円も役員手当をもらっていた議員、女性に暴行して逮捕された議員、酒の匂いをプンプンさせていた議員、覚醒剤で逮捕された議員…。

25年の間には実に色々な議員を見てきた。しかし「品性がない」「議会を混乱させた」として、懲罰を受けた議員は私だけだ。

市民の傍聴がない議員全員協議会は密室だったから、反対意見を言おうものなら一斉に怒鳴りちらされた。

「黙れ!市が問題ないと言いよろうが!」「反対ばかりすんな」「お前が悪いったい!」「関係なかろうが!」ワアワアワア!…それは会議というより糾弾(きゅうだん)だった。

「いいえ、黙りません!だっておかしいでしょう!」と私は絶対に引かなかった。ひとりで5人、10人相手に激論する修羅場を何十回も経験した。


④反対者には徹底的な嫌がらせ

あるとき職員が挨拶しないので「おかしいな」と思っていたら、「××議員が伊藤議員と親しくしたらお前らも共産党と見なすと言われた」と聞いた。ヤジ暴言が飛び交う前近代的な議会は、言論の府ではなく、多数派が支配する恫喝議員の天国だった。


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旧庁舎3階にある議会の廊下。左奥が議場。右奥が議員の控室。

2002年10月、私は臨時議会に出席するため階段を上ったところで待ち伏せしていた10人あまりの集団に突然囲まれた。彼らは元前原町長三嶋兵蔵氏の取り巻きだった。

元町長は引退後も春田市長の後援者として市政に絶大な影響力を持っていた。当時、市は元町長の親族が経営するホテルを通る道路を9億円で建設し、このホテルに6億円の立ち退き料を支払うというメチャクチャな計画を実行しようとしていた。道路の必要性よりも、経営の苦しいホテル救済のための計画であるのは明らかだった。

それに私達日本共産党2人と自民系2人の4議員が反対し、市民の関心も高まっていた。

元町長の取り巻きたちは、議場前の廊下で私を取り囲むと、一斉に「ビラにウソを書くな!書き直せ!」と怒鳴った。私が吊し上げにあっている様子を、××議員がニタニタ笑いながら見ていた。

私は訂正を拒否し沈黙を貫いた。すると10分か15分ほどで「このアマ!」「しおらしい振りしやがって…」とか何とか捨て台詞を残して去っていった。

元前原町長はこの後「名誉毀損」で私を刑事告訴し、私は警察から呼び出しを受けた。しかしビラで反撃すると告訴を取り下げた。

この件では、共産党の男性議員と自民系議員一人が名誉毀損で訴えられ、ひどい目にあった。目的のためには手段を選ばない卑劣な手法は今も同じである。

この道路計画は市長選挙を闘うことでやめさせることができたが、敵は同じような攻撃を次々しかけてきた。詳細は別の機会に書く。


2002年 「前原の風」10月号から

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⑤身内の不祥事、違法行為はもみ消す

地方自治上、行政の違法行為は議会が正すことになっている。明白な贈収賄事件でもない限り、警察が選挙で選ばれた市長を捜査するようなことはない。

2005年に自民・公明の支援で市長に当選した松本嶺男はそれをよく知っていて、強大な与党議員団をバックに職員や元職員、地域の有力者らを使って嘘とヤラセの事業者選定を繰り返した。議会での虚偽説明は日常茶飯事だった。

命令通り不正をやり遂げた部下は昇進させ、さらに大きな事業を任せ、天下りさせた。違法行為に関わった可愛い部下の不祥事は「何もなかった」ともみ消し、自らも仲のいい建設業者や議員らと飲み歩いた。政治倫理条例には罰則がないから痛くも痒くもないのである。

有力議員の土地を都市計画で優先的に開発してやり、不当な口利きにも応えてやり、何でも賛成の議会を強固にしていった。

それに九大移転による膨大な利権が絡んでまちを蝕んだ。ある議員は、自分が推進した公共事業で土地が売れカネが入って有頂天だったのだろう、視察先で風俗の女性をホテルに呼んだ。それがよほど楽しかったのか、翌朝ホテルの朝食のとき視察のメンバーらに話した(自慢した?)。

それを私が聞きつけ議長に抗議して調査を求めたが、議長はたじろぎながらも「そんな事実はなかった」とかばって隠蔽した。みんな仲良し。みんな友達。このときのビラ(ちよ便り)は別の機会に公開しよう。


⑥地震の義援金を私物化、流用

能登地震のニュースを見ていると胸が痛む。国は一刻も早く本気で支援に乗り出すべきだ。地震大国でありながら阪神淡路大震災、東日本大震災の教訓が生かされず、備えができていない。それに原発。

腐敗した政治は決して市民、国民を助けない。2005年3月20日に発生した西方沖地震で旧前原市は大きな被害を受け、全国各地から8300万円の義援金が寄せられた。ところが松本市長は、義援金を被災者には495万円しか配らず、市と市内の行政区自治会で山分けするというデタラメなことをした。

市の会計に次の災害のためと1000万円入れ、市内の自治会には「領収書はいらない」と言って総額6725万円を配った。それに議会はこぞって賛成した。(この件はRKBが私の取材にきてテレビニュースで批判的に報道してくれた)。

義援金を私物化し領収書のいらないカネを配ることで地域支配の道具に利用したのだと考えている。

関連ブログ⇩

地震被災者に義援金配らず私物化した松本前市長


⑦懲罰の嵐

2010年の合併後、議会のインターネット中継が始まるとダイレクトな暴言は激減した。しかし多数決で徹底的にイジメる手法に出た。

与党議員らは私に「品性がない」「議会を混乱させた」などと適当な理由をでっち上げ、3回の懲罰と2回の辞職勧告を議決した。「真実かどうか」は問題ではないのである。

「広報いとしま」の議会欄に「伊藤千代子議員に辞職勧告」という記事がデカデカ掲載され、全戸配布された。私はストレスで具合が悪くなり胸の動悸に苦しんだ。


2011年「糸島の風」4月号から

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関連ブログ⇩

ブログの写真に激怒し辞職勧告~議会多数派の横暴④ 


⑧離党

39年の間、私は平和と民主主義を掲げて闘う日本共産党の一員であることに誇りをもって生きてきた。党の躍進を願えばこそどんな攻撃にも耐えられた。

しかし2015年、訳あって私は共産党を離党し無所属になった。市長は2014年の選挙で月形祐二市長へ変わったが、松本市政をそのまま継承した。

私へのイジメ・懲罰はさらに激しくなり、2017年9月議会ではストレスで息が苦しくなり議会から病院へ救急車で運ばれた。

2022年1月の選挙で共産党議員2人が落選し、ひとり野党状態になってしまった。年間700億円にものぼる市の税金の使い道をチェックすることなど到底不可能。

市はオール与党議会でますますやりたい放題。潤のアンダーパスも住民の反対を押し切っていよいよ工事に入ろうとしている。

時代遅れの地縁・血縁・利権の選挙はもうやめよう。税金の使い道を任せられる人をしっかり選ぼう。法令を遵守しコンプライアンスを守る真っ当な市政にしないと、いつか取り返しがつかなくなる。


⑨市役所ぐるみの嘘とヤラセ

昨年12月23日の新庁舎落成記念式典に、松本嶺男前市長と谷口俊弘元副市長(現行政区長)が出席し、来賓席の一番前に座っていた。議会がまともなら役職を追われ社会的に非難されて当然の人たちである。

月形市長は前市長の市政を継続し、保育所の民営化に係る事業者選定で架空法人を使うというデタラメなことをした。

糸島市では応募資格のない申請書を受け付け、内容虚偽の決定書、議案を作成し、それを議会がロクに審査せず議決するという手法で、特定の利害関係者の私腹を肥やしてきた。

関係者が無数の違法行為をスルーすることで、長年に渡り市民や社会を欺いてきた。裁判所のような宣誓、罰則がないから、平気で虚偽説明、虚偽答弁をするのである。

野見山暁治画伯が市に寄贈してくださった「みんなウソ」という絵を多くの人に見ていただきたいと思う。

関連ブログ⇩

「みんなウソ」の絵~県の行政文書に無数の虚偽記載


⑩真実が大切にされる市政に

この議場では、権力にとって都合の悪い真実が無数に隠蔽されてきた。

文書偽造は犯罪であるが、糸島市には虚偽の行政文書があふれている。多面的機能支払交付金の領収書や指定管理者の決算報告書に事実と違う虚偽記載があっても、決して問題にならない。問題にしない。

地方自治法に基づいて議会が正しく機能しなければ、市役所ぐるみ、まちぐるみ犯罪の温床になってしまう。

私たちは選挙でしか政治を変えることができない。一人ひとりが主権者として税金の使い道、政治に関心を持つことが大切だ。自分達の生活とかけがえのない子どもたちの未来を守るために。



ちよ便り20号~2021年1月号

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ちよ便り19号~2020年10月号

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関連ブログ⇩

◯地方が変われば国政も変わる~なぜ自民1強なのか?

◯三篤会が役職を独占 多様な意見が反映できる議会か?

〇「バカと言ったら人権侵害か?」

〇「議会をなめとおとですか?」


県の行政文書に無数の虚偽記載~いいのか?


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新庁舎で野見山画伯「みんなウソ」の絵がお出迎え

きょう12月23日は、新庁舎1階の市民ホールで糸島市新庁舎落成記念式典があった。玄関を入り左の方に歩いて行くと、糸島市に寄贈された野見山暁治画伯の大作「みんなウソ」が出迎えてくれた。

赤を基調にした迫力のある作品。先生は船越の海を眺めながらどんな思いを抱きつつ、この作品を描かれたのだろうか?

「みんなウソ」とはいったいどういう意味が込められているのだろうか?

絵はこの後2月25日まで伊都郷土美術館に展示され、そのあと新庁舎の応接室に飾られるという。

しかしそれでは観る人が限られる。ホールやサロンに飾って、一般市民がゆっくり鑑賞できるようにすべきだ。


服部誠太郎福岡県知事の来賓あいさつ

月形祐二市長が主催者あいさつをした後、来賓として2番目に服部誠太郎県知事があいさつに立った。

知事が職員の書いた原稿を読むのではなく、終始穏やかに会場を見渡しながら自分の言葉で話されたのは好印象だった。

その中で知事は「農林事務所にいた」と述べた。県の職員として農業分野の行政事務に携わった経験があるということだろう。


県農林事務所の行政文書に虚偽記載があっていいのか?

私は昨年の11月から今年にかけて、少なくとも4回以上、告発の手紙を服部知事に送った。多面的機能支払交付金に関して市の事務がデタラメであり、是正するようお願いしたのである。

令和2年度に糸島市は泊一環境保全組合が市に提出した約400頁の報告書を県農林事務所に送付した。私はその中の領収書や受領書、議事録、収支決算書が偽造され、内容虚偽であることを情報公開で突き止め、証拠書類を添えて知事に正すよう訴えた。

それにより県は知事名で2回、市に泊一環境保全組合の事実確認を求める書類を月形市長に送付した。しかし市は今年の3月「事実確認はしない」と県に回答し、そのままになっている。

服部知事は中央大学を卒業した法学士であり、財政に詳しい県の職員であった。公文書の重要性、行政文書の虚偽記載がいかに重大な問題かをご存じのはずである。

県民が県への情報公開で受け取った400頁もの文書がほとんど虚偽記載という状況でいいのか?

と、私は県民のひとりとして県知事に問うている。

事務のプロである県の職員が、虚偽記載の行政文書を放置してよいはずがない。


そしてさらに重大なのは、国の検査後も泊一環境保全組合の不正受給と書類の偽造は続いており、その会長は市の非常勤職員=行政区長であるということだ。市は、身内のしでかした不始末を必死に隠蔽しているということになる。


堀田勉議長のあいさつ~「執行部と車の両輪で…」

知事の前にあいさつした堀田勉議長は、新庁舎はバリアフリーであり、議会傍聴をすすめ、開かれた議会を目指すというようなことを述べた。素晴らしいことだ。

しかしそれなら私の一般質問中、執行部が答弁に困っているからと「暫時休憩」を宣言し、傍聴者を長々待たせるようなことはやめていただきたい。

しかも「執行部と車の両輪で」市の事業を推進すると言った。それは違うんじゃないのか?

法令を遵守しない執行部と議会が車の両輪だから、糸島市は虚偽公文書がまん延してしまったのだ。

議会として行政のチェック機能を果たさず、市の暴走を食い止めるどころか、いっしょに暴走し転がり続けている。

多面的機能支払交付金に関して、泊一環境保全組合が領収書を偽造していたことは明白な事実である。

ボランティアで行なっている行政区の環境美化活動を農地維持活動と偽って、多面的機能支払交付金を不正受給していたことも明白な事実である。

堀田議長が「これは重大。審査しよう」と取り扱えば、他の議員らも同調しマスコミや警察も注目するのに、泊一環境保全組合の事務は「適切。問題ない」と答弁する馬場貢副市長らに加勢して隠蔽の役割を果たし続けている。

議会人として失格だ。


多面的機能支払交付金 関連ブログ リンク⇩

〇証人尋問~「迷惑はかけない」と母は領収書を書かされた

〇私が訴えられた裁判の争点

〇告発者を訴えた裁判~「咎めだてしない」約束

〇「市長への手紙」で誹謗中傷

〇県に市が「事実確認しない」と回答

〇決算書はデタラメ~馬場副市長「適正な事務」

〇私文書偽造を許す市役所

〇県の事実確認の依頼を市が放置

〇これのどこが農用地?環境美化のボランティア活動で農業の交付金を不正受給

〇ちよ便り35号~農業者に出方のお金が支払われていない ちよ便り26号、27号、29号、30号、32号、33号、34号、35号参照


関連ブログ2~日当未払いと同じ構図

地震被災者に義援金配らず私物化した松本前市長


なぜ市も議会も企業の不誠実な行為に関心がないのか?


3231F495-EEAB-4C68-B0AE-1D66644F96CB 「それとこれとは…」

堀田勉議長。議長職は議会で絶大な権限をもつ。合併後の歴代議長はすべて自民系三篤会(さんとくかい)。有田継雄、浦伊三次、谷口一成、田原耕一の各氏。堀田議長は松本前市長のときから利害関係者らと親しい交流関係がある。


会議再開 18日議会最終日ドキュメント(前々回のつづき)

12月18日、議会最終日。10時40分に議長の「暫時休憩」で中断した会議が再開したのは、昼食後の1時10分のことだった。

堀田議長は「議案第116号『工事請負契約の締結について』の反対討論で、伊藤議員が『登記していないため、市には1円も法人税が入らない』と言ったが、登記の有無と国税である法人税の関係が確認できなかった。議長において調査の上、処置をする」

と述べた。

私は「(株)キュウボウ糸島支店が市に登記していないから市に税金が入らない」と言っているのに、国税の法人税とすり替えている。


「議長!」と私は自席から声をあげ、「経営者の逮捕には関心がないんですか?」と聞いた。

議長は「それとこれとは違います」と答えた。

伊藤「では私の件だけ問題にして、そのことは問題にしないということですか?」

議長「事実確認をしているだけです」

議長のいう事実確認とは「支店の登記と国税の関係」である。この議案とは何の関係もない。

公共事業を請け負う企業は、信用が何より大切である。だから聞いたのに、なんだかんだ言いながら結局「(株)キューボウの経営者の不誠実な行為の確認はしない」と言っている。

議運を長時間開き、傍聴の人たちを長々待たせておいて、この程度の議論しかしていない。


「外看板や事務所の写真の添付がいらなくなった」

支店をもてば、公共事業の入札で指名を受けやすくなるメリットがある。しかし支店を登記すれば法人地方税を払わなければならない。実体のない支店をつくって公共事業を受注しようとする悪質な業者がでてくる。

他の市では訪問して従業員の勤務状況を含め、事業の実態について調査しているが、糸島市ではそれをしていない。

今回の契約は4億1千万である。支店が支店長の自宅でいいのか?事務所の実態をどのように確認したというのか?

ある業者は私にこう言った。

「以前は市に指名願いをだすとき、外看板の写真、事務所の写真を添付するようになっていましたが、いつの間にか写真の添付が必要なくなりました」と。

これが事実なら、市は実態のない支店を企業がつくりやすいようにしたとも言える。政治倫理、コンプライアンスに欠けるまちだから充分あり得る。


不祥事には言及しない立憲民主の賛成討論


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柳川市が(株)キューボウの前身である九州防水株式会社を指名停止にしたときの公文書の一部。「柳川市」の文字と赤線は伊藤が付け加えた。



議案116号工事請負契約の締結についての討論

12月18日に行われた市議会最終日の議案116号採決前の討論。ひとり5分以内。


〇反対討論(伊藤千代子)下に原稿を添付。



〇賛成討論(徳安建成)



伊藤千代子の反対討論(原稿)

 この議案は、深江小学校大規模改造工事のため、指名競争入札により4億1250万円で糸島市高田1丁目14番25号 株式会社キューボウ 糸島支店と契約を結ぶ内容です。

市は、「キュウボウ糸島支店は登記している、社員は二人である」と答弁しましたが、実際は登記しておらず、事務所も支店長の自宅にあることがわかりました。

反対する第1の理由は、キューボウ糸島支店の実態があると判断できないからです。しかも登記していないため、4億1千万円の大工事でありながら、市には法人税が一円も入りません。

いま地場の建設業者は物価高騰の中、税金を払うのに苦労しています。雇っている建築労働者に暮れのボーナスどころか一時金さえ払えないところもあります。

下請けを含め多くの地元業者が潤うように地域にお金が循環するように市は工事の発注をすべきです。

2番目に反対する理由は、指名競争入札の指名に疑問があるからです。

糸島市指名競争入札参加者指名基準では、(1)信用状態 (2)不誠実な行為の有無が定められています。

株式会社キューボウの本社は、久留米市合川町422番地18です。しかしこの住所は、九州防水株式会社とまったく同じ住所です。経営者も同じです。

この九州防水株式会社は、令和2年度に公共事業にからんで事件を起こし、取締役が贈賄で逮捕されました。

令和2年6月19日付の毎日新聞には「九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市の災害復旧工事をめぐる汚職事件で、九州防水の役員が逮捕された」と書かれています。

朝倉市が下請けに丸投げすることを禁じていたにもかかわらず、九州防水が飯塚市の産業廃棄物業者に丸投げし、市の職員にワイロを贈っていたことが発覚したのです。

また同じ年の7月、九州防水の取締役3名は、経営する建設会社が粉飾した貸借対照表を久留米県土整備事務所に提出したとして、建設業法違反容疑で逮捕されました。

そのため、令和2年度から3年度にかけて、自治体や国の機関が、九州防水株式会社に対して指名停止処分を行なっています。

柳川市などは、九州防水株式会社に対して、令和2年6月25日から令和3年6月24日まで、12カ月、1年もの指名停止を行なっています。

ところがその間糸島市は、令和3年6月、他市が九州防水を指名停止処分にしている間に、経営者が同じ、会社の住所が同じ、事業も同じという株式会社キュウボウの糸島支店を、建設業のAaランクで指名登録させ、令和4年度からは地場業者として積極的に指名し優遇する対応をとっていました。

(株)キュウボウが、令和4年度と5年度の指名競争入札で落札したのは、加布里小学校トイレ改修工事7435万円。岸田団地改修工事6356万円。深江小学校校舎大規模改造工事4億1250万円、契約金の総額は5億5041万5360円と莫大です。

糸島支店の社員は二人だそうですが、本当にこれだけの工事を請け負う技術と能力を持っているのか、本当に地場業者と言えるのか、甚だ疑問です。

合併前、施設の老朽化が原因で、小学5年の子どもが亡くなる事故が起きたのを、私は忘れません。子どもの安全がもっとも重要な学校関係の公共事業は、法令を順守し、大工さん、左官さん、塗装やさん、多くの地場の建築労働者が潤うように発注すべきであると訴え、反対討論とします。


経営者の違法行為は無視し4億円の工事契約議案を議決


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12月18日、私に討論を訂正するよう求めた議会運営委員会。全員三篤会(さんとくかい)。三篤会とは福岡3区選出の自民党古賀篤衆議院議員を応援する会のこと。


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18日の最終本会議で堀田勉議長は議案116号を採決した。4億1250万円の深江小学校校舎大規模改造工事を月形市長が糸島市高田一丁目14番25号(株)キューボウ糸島支店と契約する議案である。

反対討論は私。賛成討論は徳安達成議員(立憲民主)。


私の反対の趣旨は、

1、社員2人と言うが支店長の自宅が事務所で、支店の実態があると判断できない。

2、2年間で5億5千万円の契約だが、支店は登記しておらず市に税金が入らない。

3、指名競争入札の指名に問題がある。支店が糸島市に指名登録した令和3年度の前年に、(株)キューボウの前身とも言える九州防水(株)は公共事業の発注をめぐり役員が贈賄で逮捕され、経営者らは粉飾決算で逮捕され指名停止を受けていた。

それらを考慮すれば、指名の基準①信用状態②不誠実な行為の有無に抵触する疑いがある。したがって市が「地場業者」として優先的に指名し、優遇しているのは問題。(なお指名競争入札参加者選定委員会の委員長は馬場貢副市長)。


徳安議員は、市の主張をそのまま代弁した。討論内容は、明日以降にアップする私と徳安議員の動画(各5分間)を見ていただきたい。

採決結果は、賛成18、反対1。残念ながら予想通り。

すると議案が議決してほどなく、突然議長が「暫時休憩」を宣言した。


議会運営委員会とは反対する議員を懲らしめるところか?

30分ほど経って議運に呼ばれて議会運営委員会室に行くと、委員たちは二点で私の討論内容に食いついてきた。

一点目は「議案110号の反対討論で内田洋行の名前を出したが、事業者選定で落選したところの名前を言うべきではない」。

二点目は「議案116号で(株)キュウボウ糸島支店は登記していないから税金は1円も入らないと述べたが、市の執行部は登記していなくても税金は入ると言っている」というようなことをいって、私に発言の訂正を求めてきたのである。


私はあきれた。

この人たちは、(株)キュウボウ糸島支店が市に建設業Aaランクで指名登録する前年、経営者らが逮捕された事件には一切触れず、キュウボウの前身九州防水(株)の取締役が公共事業をめぐって逮捕されたことにもまったく関心を示さず、相も変わらず市の主張を振りかざし、私にいちゃもんをつけ責め立てる。

この人たちは、いつもいつも市や利害関係者の違法行為はすべてスルーする。


私は全員を見渡して「討論の訂正はしない」とはねつけた。

「今まで市は架空法人を使うなどさんざん違法なことをしてきた。事業者選定で審査した法人の名前を言えないとは何ごとか?情報公開の後退だ」と言い、さらに

「支店が登記していなかったら市に法人市民税は入らない。絶対に訂正には応じない。反対する議員をつるし上げるようなことはいい加減にやめなさい」と大声で言って、議運の部屋を出た。


「議長!経営者の逮捕には関心がないのか?」

議会が再開されたのは昼食後の午後1時10分だった。議会傍聴に来ていた人たちを長時間待たせ、職員に余計な事務をさせ、税金の無駄づかいとはこのことだ。

堀田議長は「議会を再開します。登記と税金のことは調べておきます…」という風なことを言った。私は「議長!」と自席から声をあげた。

執行部と議員らが「なんだ?なんだ?」という顔をしてこっちを見た。

「議長!経営者の逮捕には関心がないのですか?」と私は聞いた。議長は何かひとことふたこと返事をしたが、よく聞き取れなかった。動画で確認してから紹介しよう。


議案は数の力で議決したが、議長の地元、二丈の深江小学校校舎改修の大工事が法令を遵守し、下請けをはじめ地場産業振興に役立ち、子ども達の安全と教育環境の向上に資するよう見ていきたい。


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