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多面的機能支払交付金の闇②


 IMG_8748r領収書複数

5年分の未払金264万円を去年支払う

泊一環境保全組合は、10年以上にわたり、環境美化の日当(1回2千円)を住民に支払ったと市に報告しながら、実際は支払っていなかった。そこで市は、昨年6月、その一部の264万円をわずか2週間で住民に配らせた。これはそのときの領収書。この中には偽造された領収書が複数混じっていた。


議長~不正の追及を「あらさがし」

9月17日の議員全員協議会の中で、田原耕一議長(自民系)は私の多面的機能支払交付金についての一般質問を「あらさがし」と言った。そして「自分も百姓。草刈りは大変たい。この交付金で助かっとるたいね。これがなければもっと多くの税金を使って市がしなければならなくなる」と。

それに多くの議員がうなづいた。

私は驚いた。「領収書に人の名前を勝手に書くのは犯罪ですよ。それを見逃すことはできません」

「伊藤議員は、自分ばかりが正しいと思っている。人の意見を聞かない」という別な議員。

「補助金はすべて公金。市に不正を正せと言って何が悪いのですか…」しかし賛同する議員はいなかった。

建設産業常任委員長の小島忠義議員(自民系)が「伊藤議員の質問は、市の事務の範囲を超えとる。また12月議会で質問するって言いよるけど、どうするとかいな」と言った。

何としても私に質問の続きをさせたくないようだ。

私は言った。「1億5千万円の補助金は、ばく大ですよ。農家の議員のみなさん、あなたがたも多面の組織に入っているでしょ。いい制度でも不正はいけない。他にも同じような不正をしている組織があり、12月議会でも取り上げます」

しかし賛同する議員はいなかった。共産党もこの件に関しては、保守の彼らと同じ立場をとっている。

毎年81団体に総額1億5千万円という多額の交付金。ちなみに田原議長の地元の「井原環境を守る会」への多面的機能支払交付金は、令和元年度736万4428円、令和2年度736万4428円であった。法令にそった運営が求められるのは言うまでもない。


職員T氏の「人権擁護委員候補者の推薦」が可決(反対伊藤のみ)

9月17日、泊一環境保全組合の事務長で市の職員T氏を「人権擁護委員の候補者」に推薦する諮問第9号が市議会で可決した。

私は「 人権擁護委員は人権感覚の優れた人で、市民の間で人権侵害がないかどうかを見極め、発見したらすぐに対応することができる法令順守の精神を持った人材であることが必要。月形市長が推薦した候補者は市の職員で、昨年、農政局の指導を受け、膨大な公文書を修正し再提出した住民組織の事務長。氏名の冒用や資格のない人を会員にして交付金を受け取ってきた組織の役員である。よって法務大臣の委嘱を受ける資格に欠けている」と述べ、反対した。

しかし他の18人の議員全員が賛成した。

T氏は、今年の2月から数回にわたり、市民から人権侵害の苦情を訴える文書を送付されている。市民とは、多面的機能支払交付金に関して農政局に告発した人たちである。月形市長は、不正とパワハラの実態を調査もせず無視して、T氏を人権擁護委員の候補者に推薦する提案をした。とても認められない。


不正を正してこそ日本共産党

9月14日、私の一般質問のとき、傍聴席の一番前に当該組合の役員の方々が座っていた。途中で黙って聞いていられなくなった役員の一人が、何やらごちゃごちゃ言い始め、ついに大きな声で「泊(地区)に恨みでもあるんか!」と怒鳴った。会長(先月辞任したらしいから前会長)の声だった。

私はヤクザではなく議員。個人的な恨みで質問はしない。公金の使い道に問題があり、それを市が正さないから、議会で取り上げているのである。

怒鳴ったその人は、共産党の関係者だった。信じられない。私が知っている日本共産党は、女性の人権や弱者の人権、ヒューマニズムを何より尊ぶ政党。他の議員の活動に圧力を加えたり、行政への告発者に嫌がらせするような卑劣な行為とは縁のない良識ある人々の集まりだったはず。

9月議会で共産党市議団は、市と組合の側に立って、多面的機能支払交付金の問題を「不正」と判断せず、役員である職員の責任を問わない立場をとった。

常に権力の監視役として活躍してきた共産党なら、党の関係者が関わった交付金問題について公文書を調査し、事実を公表する勇気と見識をもつべきだ。何もなかったでは済まされない。


チェック機能果たさない議会と暴走する市

議会にチェック機能がなく、嘘とヤラセがまかり通る糸島市役所には、虚偽公文書があふれている。保育所の無償譲渡では、申請書も決定書も議案も内容虚偽だった。

松本嶺男前市長の選挙対策本部長で、元副議長の井上智氏が代表だった浦志の前原東土地区画整理事業。関連事業も含め、およそ50億円を投入した。

そのときの都市計画課長が、実は泊一環境保全組合のT事務長だ。農業振興地域を除外する会議で、彼が虚偽説明したことを議会で取り上げ、問題にしたのは私である。

当時小島議員は、建設産業委員と農業委員の肩書をフルに活用し、この開発で共同所有する溜池を住宅地にして売却、多額の利益を得た。新駅建設の先頭に立ち、地元不動産業者として自ら所有する賃貸物件の価値を大きく向上させた。

10年経って、開発の中心は浦志から九州大学の門前町、泊・馬場に移った。今その中心に職員T氏がおり、今年、泊土地区画整理事業の副会長に就任した。

松本前市長は、利権絡みの事業を推進するためには手段を選ばない人だった。利害関係者の職員を担当者にすえ、「自分の金儲けのためにしっかりやれ」というような人事を行った。

月形市長もまた、職員I氏が前原東土地区画整理事業の利害関係者であるにもかかわらず、建設都市部長として開発の先頭に立たせた。土地区画整理事業への支出は、大きく膨れ上がった。

寺崎強議会運営委員長が議員全員協議会で「いたらんこったい!オマエは帰れ!」とヤクザのように私を怒鳴ったのは2019年の3月議会でのこと。保守仲間の小島議員をかばっての暴言だが、この時も田原議長は全く注意せず、他の議員は全員、いつものように黙って様子を見ていた。

「暴言は議会制民主主義を破壊する」と口では言えても、その場の暴言を注意せず黙っているなら、彼らの横暴を助長させるだけである。

糸島市の腐敗体質の根幹を支えているのは、倫理観も法令順守の観点もない市議会そのもの。