「泊一環境保全組合に不正はない。存在しない「不正」を言い立てる伊藤千代子議員」と宣伝したが…その2
2018年1月29日、糸島市議会議員選挙の投票日。共産党候補2人の当選に駆けつけた泊一環境保全組合のN会長(左から2人目)。その右にY議員。その右にG候補(SNSから。肩書きは当時)。・・・ それからおよそ4年後。
2021年12月21日、市議選の約1ヶ月前、共産党市議団は「泊一環境保全組合に不正はない。農業地域の困難に背を向け、存在しない「不正」を言い立てる伊藤千代子議員の中傷にこたえる」というビラを作成し配布した。
これについて、私が前議員2人を名誉毀損で訴えた裁判の証人尋問が、4月19日、福岡地方裁判所で開かれ、N元会長は、日当の未払いを認める証言をした。
元会長N氏が認めた「入り作農業者への日当の未払い」
泊一環境保全組合は、2007年度から多面的機能支払交付金を毎年約250万円受給してきたが、総会を開かず、行政区長が多面の会長を勝手に兼ね、人事案や予算決算、事業計画を議決せず、運営していた。
組織の構成員には、泊一の農業者23人と福岡市などに住む農業者(入り作)が20人いたが、今回の証人尋問で、N氏は2019年度まで入り作に出方の日当を支払っていなかったことをはっきり認めた。
2023年9月議会で、私が「出方の日当をもらっていないと言う人たちがいる。出方の領収書は全員分あるのか?」と質問すると、市は「(出方の)領収書は組合から出ている。未払いがあるとは考えていない」と答弁した。
しかし、当事者の元会長本人が「払っていない」と認めたのである。
組合が市に提出した虚偽だらけの書類(386頁)
2020年2月、泊一環境保全組合が国の検査を受けた時、N会長は行政区長、T事務局長は会計年度任用職員で2人とも市の非常勤職員だった。特にT事務局長は、馬場副市長とともに元市の幹部で、月形市長が最も信頼する部下のひとりだった。
20年度に泊一環境保全組合は386ページの書類を市に提出し、市は「問題ない」として処理した。しかし、調べた書類はどれもこれも虚偽だらけだった。(2024年8月11日のブログ参照)。
ここでは、90代の女性だけでなく、亡くなった人までが泥上げしてお金をもらった偽領収書が作成されていたことについて、判明した経過を「九州農政局へ 2024年4月13日」のブログから引用してお伝えしておく。
共産党は誤りを認め告発者に謝罪を
下はN氏が九州農政局に告発した住民に送ったメールの一部。月形市長は自分が任命した行政区長のパワーハラスメントを放置している。
昔ながらの古い地域で「おかしい」と声を上げるのは難しい。勇気を振り絞って告発した人たちにパワハラを振るったり、村八分にしたり、訴えの声を封殺するようなことがあってはならない。
日本共産党は平和と民主主義、人権、正義と真実を大切にしてきた政党である。しかし、糸島市において4年もの間、告発者の声をまったく聞かず、N氏のパワハラを黙認し、組合に同調して「不正はない」と主張してきた。
党は誤りを率直に認め、多大な迷惑をかけた告発者に心から謝罪すべきだ。そして国政政党としてこの問題の真相解明に力を尽くすべきである。
関連ブログ
〇福岡地裁勝利判決~私が共産党前市議団を訴えた裁判その3 2024年8月11日
※2024年8月15日に一部加筆訂正。
2億7千万円で作った施設を営利企業に年11万円で
20年間も貸し付け 安すぎる!
きのうの福岡地裁902号法廷。私が提訴した「森林公園樋の口ハイランドの違法貸付」裁判の第3回口頭弁論の様子。
私は弁護士を頼まず本人訴訟で闘っているので、原告席にたった1人で座っている。
一方被告席は市の代理人不二法律事務所の弁護士の方々。
裁判官は林史高裁判長、住田知也裁判官、本城怜奈裁判官。
今はまだ書面での攻防だから、1時30分に始まり38分には終了した。
1993年に2億7400万円で住民福祉のために建設した森林公園樋の口ハイランドを、市は2012年から年額10~11万円という超安い賃料で、民間企業に貸しつけビジネスさせている。
市の財産は市民みんなのもの。地方自治法は、市の財産を適正な対価なく貸し付けることを禁じている。時価より安く貸す場合は、地方自治法の規定により議会の議決が必要だ。
しかし、去年の3月、月形市長は議決しないで会社との賃貸借契約を更新した。期間は今年の4月1日から10年後の2035年3月末日まで。デタラメだ。だから裁判に訴えた。(写真は森林公園)
市「土地は山林…賃料は適正。議決の必要はない」
いとう「土地は山林ではなく税金を投資した公園」
昨日、市は「賃料は適正な対価である。議決の必要はない」と主張した(準備書面⑵)。県が2億⒎千万円を投じ、3年の歳月をかけて建設した公園を、タダの「山林」と評価している。
樋の口ハイランドのどこが山林ですか? 公園ですよ。
管理事務所や駐車場、広場、展望台、パラグライダー基地、多くの花木の植えられた豊かな公園です(ブログ写真参照)。
下は、私が提出した証拠の甲第21号証。2012年の土地の固定資産仮評価額。
12年前から「公園」を「山林」と見なして安い賃料で貸し付けていたのがわかる。不動産の価値を故意に低くしている。
裁判長が市に「随意契約の根拠を示せ」
私は準備書面でパシフィックネットワークとの「随意契約の法的根拠」を示すように求めていたが、それを裁判長が市側に命じてくれた。
さすが裁判所!議会とは全然違うね!
次の口頭弁論は6月17日。市がどんな釈明をしてくるか楽しみだ。
糸島市は20年も虚偽の行政文書をさんざん作成し、詐欺まがいの卑劣な行政手法を駆使して市民のかけがえのない施設を、市長や議員や特定業者のお友達にタダでやったりタダで貸したりしてきた。
巧妙に市の財産を私物化してやりたい放題してきた。議会で「事務は適切。問題ない」と答弁して誤魔化してきた。
こんなことをいつまでも許してなるものか。
市の代理人から私に届いた準備書面(2)。「賃料が適正な対価であること」と書いてある。
市が提出した証拠の乙第1号証から3号証。どれもここ数年で作成された証拠ばかり。長年の間、時価に基づき貸し付けるべき「普通財産」を「行政財産」の貸付規則で安く貸し付けてきた事実を誤魔化す意図が窺われる。
関連ブログ
「泊一環境保全組合に不正はない。…存在しない『不正』を言い立てる伊藤千代子議員…」というビラを配布
2021年12月21日に日本共産党の糸島市議団が発行し配布したビラ。見出しには『泊一環境保全組合に不正はない。農業地域の困難に背を向け、存在しない「不正」を言い立てる伊藤千代子議員の中傷にこたえる』とある。
ビラの中で「犯罪に問われる不正行為はありません」「私たち日本共産党議員団は、…各方面に調査し、…不正の事実はないとの確証を得ています」と述べている。
「不正がある」と訴える告発者が複数いるのに、その人たちへの調査は一切行わず、私の一般質問を「事実に基づかない誹謗中傷の類」と決めつけ、「ありもしない不正追及ばかり行うことは議員としてのあり方が問われます。伊藤議員は事実をよく確かめ、市民や地域を傷つけた責任を明確にするべきです」と結んでいる。
証人尋問は4月19日午後1時半から901号法廷
2022年6月、私はこのビラを作成し、配布した当時の共産党市議団(Y氏とG氏)を名誉毀損で訴えた。その裁判の証人尋問が、今週の4月19日、午後1時半から901号法廷で開かれる。証言台に立つのは、泊一環境保全組合の前会長N氏と被告のY前議員、それに原告の私。
このビラで名誉を棄損され、打撃を受けたのは私だけではない。
「行政にチクッたのはお前か?」と組合幹部から罵倒されながらも「おかしい」「不正がある」と内部告発した人たちは、町内に全戸配布されたこのビラでさらに苦境に立たされた。
Y氏が選挙の応援にお礼を述べ「不正の不の字もない」と演説
22年1月29日の糸島市議選投票日前日、Y候補が泊一行政区自治会公民館前で演説したときの様子がSNSで拡散されていた。
「市議選に当たり、泊のみなさんから応援の決定をしていただき、ありがとうございました…」
「ある議員が多面的機能支払交付金をめぐる問題で、不正があったかのように議会で言い立てている…」
「泊一区のみなさん、不正の不の字もない」
「ちょっとした間違いを偽造だと言い立て、みなさんの頑張りに泥をかぶせる、こんな議員活動は許せるものではありません…」。
告発した住民がどんな気持ちでこの演説を聞いたか、Y氏は考えたことがあるだろうか?
この演説の翌日、2人の議員は共倒れで落選し、30年以上維持してきた共産党の議席を失った。
2015年に私は日本共産党を離党したが、今でも共産党が好きだ。日本共産党は、日本の政治になくてはならない存在だと思っている。
今回の裏金問題を突き止め、赤旗でスクープし、今日の反自民の情勢を切り拓いたのは共産党あってのことといっても過言ではない。胸の熱くなる苦難の歴史を、共産党は長く国民と共に歩んできた。
しかし、どの党よりもクリーンで良識を持っているはずの共産党議員が、今回交付金問題に関してなぜ内部告発者の話を一度も聞かず、「不正はない」というビラを作って配ったのか?
Y氏には告発者が訴えられた「お咎めなし裁判」の責任もある。
この裁判を通じて、私は真実を明らかにし、私と告発者の名誉を回復したいと考えている。それは交付金=税金の無駄遣いを正す道でもあるからだ。
多面的機能支払交付金 関連ブログ リンク⇩
〇これのどこが農用地?環境美化のボランティア活動で農業の交付金を不正受給
過去ブログ
①多面的機能支払交付金の闇①領収書の偽造、補助金の水増しは犯罪
④ちよ便り26号~多面的機能支払交付金の不正受給とその隠ぺいについて
九州農政局へ訴える
「亡くなった人の領収書がある。いいのか?」
農林水産省のホームページより。4月3日、多面的機能支払交付金について、告発者の人達と5人で、熊本市にある九州農政局(=国の機関)で泊一環境保全組合の問題について訴えてきた。
午後12時半。九州農政局多面的機能支払推進室の前野室長と梶原係長が出迎えてくれ、県からは農山漁村振興課中山間地域振興係長の箱田氏と古川氏が同席してくださった。
今回の訴えの趣旨は、簡潔に言うと、令和2年6月、泊一環境保全組合は国、県、市の指導で、環境美化の日当を5年分、264万4000円を住民に配ったが、転居した人や亡くなった人、高齢で活動に参加していない人の領収書までが作られ、市と県、国に提出されていた。それでもいいのか?ということである。
そもそも環境美化活動は、糸島市全域で行われている生活環境改善のためのボランティア活動であり、多面的機能支払交付金の対象事業ではない。
さらに当該組織の農業者は、平成19年度から令和元年度まで、水路の泥上げやため池の草刈りなどの出方の日当を一度ももらっていなかったのである。
総会を開かず、行政区長が多面の組織の会長を兼ねると勝手に決め、予算、決算の議決をせず、交付金を使ってきた。それが一番問題だ。
令和2年6月、組合は、国、県、市の指導を受けたが、90代の高齢者にウソの作業日当の領収書を書かせたり、転居した人の領収書を作成したり、亡くなった人の領収書を作成したりした。情報公開した人10人全員に虚偽記載があったのである。
告発者の人たちは、制度を逸脱する不正の数々を正すよう、組織の幹部や糸島市を相手に3年にもわたり闘ってきた。裁判で不当に訴えられたり、村八分にされたり、言葉に尽くせない苦労をしながら。
この日の私たちの訴えを、九州農政局と福岡県がしっかり受け止めて対処してくれることを願っている。いや、信じている。
亡くなった人の領収書の存在が判明した経過
(伊藤千代子が当事者のひとりに調査して事情を聞きとった文書の一部)
~私は、糸島市泊一行政区の住民です。近所のAさんは私より15歳ほど年上で、私はときおり家を訪ねて雑談などしていましたが、平成27年頃奥さんが亡くなり、80歳を超えておられたAさんは、平成29年3月半ばに息子さんのいる関東の〇〇県に引っ越されました。
今年の1月頃だったか、〇〇県に転居したはずのAさんが、令和2年度に2万円の日当をもらったという書類を伊藤千代子議員に見せてもらい、本当に驚きました。
というのは、Aさんは前年の令和元年3月に転居先で亡くなっていたからです。同年8月には地元で初盆もあったので、私も参らせていただきました。だから、令和2年にAさんの名前の領収書があるのはおかしいのです。
それで今年の2月、〇〇県の息子さんに連絡して、「お父さんは令和元年に亡くなったのに、令和2年に環境美化の日当を2万円もらった領収書が県にあるそうです。ご存知ですか?」と聞きました。
すると非常に驚かれて、「日当のことは何も知りません。お金ももらっていません。詐欺ですね。協力できることがあればしますよ」と言ってくださいました。
このことは、令和6年4月3日に告発した住民ら5人で九州農政局を訪問して、多面的機能支払交付金推進室の前野室長や県の担当者の前でも話しました。
国の検査後も、活動に参加していない人や、参加できない高齢者、転居した人、亡くなった人の領収書を作成していたとは、ひどすぎます。
そもそも行政区の環境美化活動は道路や公民館、公園などの地域の清掃活動で、ボランティアだから、農業の交付金から日当を出すのはおかしいのです。組合や市は「環境美化は農地維持活動」と言っていますが、事実ではありません。
それに加えて、私たち農業者が「出方」の名前で毎年春と秋に泥上げや草刈りをしても、日当は出ませんでした。九州農政局が検査した令和2年から、ようやく出るようになったので、それまでの日当はどこにあるのかわかりません。組合に通帳の開示を求めましたが、見せてくれません。
交付金は全額公金です。どうか、このようなことが2度と起きないよう、正していただきたいと心から願っています。 (農業者Bさん)
多面的機能支払交付金に関してこれまでの経過は下をクリック
3,一般質問「90歳以上の人、転居した人、亡くなった人の領収書があってもいいのか?」
県民新聞が「糸島市・交付金に偽造書類」と報道
福岡県民新聞が、糸島市の多面的機能支払交付金をめぐる問題について書いた記事。私の一般質問に対する市の答弁、県の対応なども載っています。ぜひごらください。
〇県民新聞は下をクリック ⬇️
〇3月18日一般質問の傍聴者から寄せられた感想
M子さん〜ピカピカの新庁舎の市議会で、「みんなうそ」 ~の絵のような現実が、伊藤千代子議員の一般質問で明らかになりました。
「亡くなった人の領収書が見つかったが…」との質問に、市は「返却したので問題ない」との回答でしたが、笑ってしまいました。「あの世から送金してきたの?」矛盾だらけのつじつま合わせでした。
終わってからの拍手に対しても、議長が禁止しました。議長として注意すべきは市の不真面目な答弁に対してであるべきと思います。
今日の伊藤千代子議員の一般質問は、隠蔽体質の糸島市に歴史的な蜂の一刺しとなる事でしょう。誘い合わせて大勢で傍聴しましょう!
N男さん〜3月議会の伊藤さんの一般質問。ニセ領収書の暴露は、市役所側タジタジの様子と議員側が顔を見合わせるシーンは痛快でした。新館傍聴席は、市の執行部や議員がすぐ目の前に見えて、とてもリアル感がありました。広々しているので、ぜひ傍聴にいきましょう。
〇私の一般質問は下をクリック⬇️
「90歳以上の人、転居した人、亡くなった人の領収書があってもいいのか?
〇多面的機能支払交付金に関するブログは下をクリック⬇️
県の行政文書に無数の虚偽記載 いいのか?