履歴書から議案まで虚偽
2018年6月議会。市が保育所民営化において「虚偽公文書はない」「不備はない」と答弁。
(1)市「虚偽公文書はない」
いとう~(決定書の代表者となっている)本田幸太郎さんの住所が、前原市波多江駅北3丁目となっているが、調べたら住所は(福岡市)南区と書いてある。本当は、西区壱岐団地で社会福祉法人を経営しており、その法人では応募ができないから、前原の住所に一時的に住所を移して個人で応募したのではないのか。
市~問題ない。個人の住所要件は何ら規定をしていない。
いとう~全ての書類が正しいというなら、堂々と社会の皆さんに見ていただきましょう。
市~市の顧問弁護士に、議員から指摘いただいた書類は全て見せている。虚偽な公文書はない。補正の必要もない。
(2)井原保育所の財産が無償譲渡されるまで
市が「正しい」と言う事務を見てみましょう。履歴書に都合の悪いことは書かれておらず、契約相手方のいない決定書や議案が作成され、不備だらけの書類が堂々とまかり通っています。
①2006年6月5日~30日 市が移管先法人を募集
②同年6月23日 本田幸太郎氏が個人で応募
法人名がない。
③本田幸太郎氏の履歴書
日付がない。学歴、職歴が1行ずつ。普通なら間違いなく落ちる履歴書。
④社会福祉法人の概要
本田陽子氏が「応募しないか」と誰かに声をかけられたのが2006年6月。その直後にこの空白だらけの「法人概要」が作成され、提出された。
⑤本田陽子氏の履歴書
日付がない。福岡市の社会福祉法人の代表者である事実が書かれていない。
⑥財務調書(個人の預金通帳のコピー)
黒塗りして隠してあるが、預金通帳の名義は別人。
⑦2006年8月11日 市長が虚偽の法人決定書を決裁
法人決定書に法人名がない。松本嶺男市長(当時)が決裁者。代表者は本田幸太郎氏になっている。
⑧2007年3月1日 市長が提案した無償譲渡の議案は虚偽
契約相手方の社会福祉法人が設立・認可されていない議案を市長が議会に提案。代表者は本田幸太郎氏から本田陽子氏に替わっている。
⑨同年3月27日 議会が議決
契約相手方が設立されていない契約議案を議会が可決。このときの議長は新久太議員。法人の認可は翌日の3月28日。
⑩同年4月1日 市長が幸和会と無償譲渡の契約
事務完了。契約相手方は、社会福祉法人幸和会理事長本田陽子氏。違法な事務に基づく契約は、地方自治法上、本来無効。
(3)履歴書にない事実
上の写真は、上記の履歴書に書いてない事実です。本田陽子氏と幸太郎氏は、福岡市西区壱岐団地で社会福祉法人恵和会を経営していました。
保育所移管先法人の応募は、「今宿以西の社会福祉法人」が条件。福岡市西区壱岐団地は、今宿より東です。よって、社会福祉法人恵和会としては、応募できませんでした。
法人では応募できないため、個人で応募させ、公立保育所に新しい法人を設立させるという詐欺的手法がとられたのです。そのため、空白だらけの公文書が大量に作成されました。本田氏は、元前原町長の親族です。
上は、2018年6月議会での市長答弁。ばく大な市の財産を「保育所民営化」を口実につぎつぎ元市長やそのお友達、元町長の親族や特定業者の関係者で分け合ったにもかかわらず、「公平公正」とは大笑いです。
(4)神在保育所の民営化は雷山・井原保育所のやり方がお手本
2017年3月1日、月形市長は3月議会に、市立神在保育所の財産を、社会福祉法人いとしま子どもの会の若尾勉氏に無償譲渡する議案を提案しました。
このとき市の担当者は、「雷山保育所と井原保育所の民営化と同じ手法をとりました」と説明しました。つまり、移管先法人選定で「個人」を選定していたのです。
お手本とされた井原保育所の移管事務では、上記のように、法人名のない決定書に市長以下、助役や総務部長、民生部長らが印鑑を押し、議会は契約相手方が実在しない議案を議決しました。
地方自治法を何重にも踏みにじる暴挙ですが、組織の中にいる者が、誰ひとり上の命令に「おかしい」と言えず、押印拒否や反対ができない状態は、旧統一教会のマインドコントロールと似ています。
私が九州大学の学生だった頃、学内では旧統一教会の学生組織(原理研究会)が熱心に学生を勧誘していました。その旧統一教会が政治家と結びつき、反社会的実態をマスコミが報道しない中で、霊感商法、献金トラブル、家庭崩壊と被害者は増え続けました。
政治に関わる者として大切なことは、不正や過ちに対して忖度せず、市民の立場で毅然と正すことではないでしょうか。公人でありながら嘘をついたり、人をだますようなことは絶対に許せません。(つづく)
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