「糸島地区で1000戸ぐらい空き室があるらしい」と不動産関係の仕事をしていた市民の方が言っていたが、本当だろうか。
たしかに町内のあるマンションも、建って一年以上になるのに、60戸のうち、10戸くらいしか入っていない。
「販売売会社も変わったようです」
「引っ越してきて、隣がみんな空き室でだれもいなかったら、ちょっと怖いですね」
「エレベーターや廊下、玄関の電灯など、管理費はどうしているのでしょう」
市は、「九大が来る」「ビジネスチャンス!」と声高に宣伝し、地主さんのなかには、銀行や建設会社の勧めでこの数年間、マンションを建設する人が増えた。
あっちでもこっちでも。
昨年、真冬の雪が降りしきる中、「ワンルームマンション反対」と、おばあちゃんたちが座り込みをした九大生向けマンションも、建設完了後のいま1割も入っていないようだと聞いた。
「10年前のマンションラッシュの時は、建設完了前に完売していた。今は全然違う」
というのは、一戸建ての住宅がマンションに挟まれてしまったAさん。
「九大学研都市構想とか言うけど、文化的なまちづくりをするわけではない」
とAさんは続ける。
「九大学研都市駅をごらんなさい。どでかいパチンコ屋と商業ビルとマンションだけ。自然に囲まれた町で、穏やかなくらしをしたかったのに、がっかりです」
「マンション業者は、もっと地域の人たち、前から住んでいる人の意見を聞いて、建ててくれたらいいのですが・・・」
お金儲けのまちづくりではなく、住んでいる人が「住んでよかった」と思えるまちづくりが、多くの人の願い。
先日、九州大学の大先輩で、福岡市南区に住んでいる日本共産党の藤野達善さんから、ご自身が書かれた「10メートル以上のマンション建築ゼロ」の本を買い求めた。
多賀・高宮の緑と環境を守る会の会長としての奮闘記。あの福岡市で!すごいの一言です。
夜10時に帰ってきたら、犬一匹だけが出迎えて、だれも彼も寝ている。
めずらしい。
しめしめ。遅い夕飯を食べながら、NHKのプロフェッショナルと世界遺産のテレビを観る。
Aコープのぶりのあら炊きに、おからの卯の花。いただきもののカブを酢漬けにしたもの。
貸家だけど、とにかく休める家とあたたかい食事とこたつ。
こんな平凡が一番。派遣を切られ、寮を追い出される若者のニュースに、だれもが涙し怒った。福岡でも、東京の派遣村のようにまた炊き出しの準備をしている。
今日であった市民の方々の顔と会話を思い出しながら、大事なことだけメモして寝よう。
柿の古木のある家の庭で話したおじさん。アパートの玄関先で、くらしの相談をしてきた女性。農業振興地域の田んぼが売れないで困っているという農家の奥さん。
暗い中、犬の散歩をしていた人が、「伊藤さん、聞きたいことが・・・」と話しかけてきて。
あっちでこっちで焼き鳥もらったり、たこ焼きもらったり。
「いつも前原の風をもらいよるけん・・・」と。
明日は、中央ルート反対の宣伝行動。8時には市役所前に集合。
その後は、県の土木事務所に。みなさん、よくがんばります。
28日の晩、11時ごろ、前原駅に夜の見回りに行こうとしたら、ちょうど東京から一晩泊りに来ていた妹が、玄関で見送ってくれた。
「おねえさん、寒いから気をつけてね」と言ってから、こんな話をした。
「うちのMさん(彼女の夫)、この前、一人暮らしの高齢の女性の方が入院されたので、入院の手続きやら何やら、まるで本当の息子のようにお世話したのよ。
それに夜がどんなに遅くなっても、朝早く明け方には起きて、寒い中、赤旗しんぶん配りにいくのよ。
だからね、あなたのお母さんは、すごく立派な子育てをしたのねって言ったの」
「そしたら、彼はなんて言った?」
「母さんに会ったら、そう言っておくよって。うふふ…」
化粧っけのない、質素だが笑顔のきれいな妹が、白い歯を見せて笑った。
東京のど真ん中で、わずか2Kの狭い狭いマンションで、日本共産党の区議会議員をしている夫と、中学生の息子と三人で暮らしている。
田舎の緑あふれる山の中の広い家で育った私たち姉妹には、がまんできないような環境で、不平ひとつ言わず、楽しそうにしている。
喘息もわずらいながら。そのときは、ふーんと聞き流して忘れてしまったのに、夕方、ひとりで日暮れた街の歩道をもくもくと歩いていたら、妹の笑顔とそれらの言葉がふいによみがえってきた。
40代とは思えないあどけない笑顔の妹。
どうやら、心に財産をもっているんだ。あの子は。
議会のたびに、ぼう大な原稿を書くのでひどい肩こりになる。
整骨院やマッサージに行く時間がないので、シップやストレッチのお世話になっている。
30年、病院と縁がない夫も、おなじく肩こりに悩んできた。
二人で電気店のマッサージ器に座り、至福のひととき。
「きみ、口あけて寝てたよ」
「あなたこそ」
とお互いを責め合っていたら、店員から「展示品は半額ですよ」と聞く。
肩こりがひどいと、パソコンをさわるのもイヤで、仕事が進まない。
「よし。買おう!」と決め、暮れの31日に、清水の舞台から飛び降りる覚悟で契約する。
家に帰って報告すると、娘とおばあちゃんは
「この狭い借家のどこにおくの?」
と心配そう。少ししょげて実家に電話すると、母が「仕事のために必要だったら、よい買い物をしたね」と言う。
40年間、農家の主婦をしながら、あちこち病気しながら外で働き続けてきた母なればこその助言。
昨年末はおばあちゃん(87歳の夫の母)が具合が悪く、入院、退院、検査と忙しかった。
いま落ち着いて、お正月を迎えられ、ほんとに良かった。
年の暮れ、差し押さえの相談が続いた。
激動の時代。多くの人に助けられ、励まされ、今年もがんばりますよ。
大企業の派遣切りで家を失い、路頭に迷う若者の記事が新聞をにぎわしている。
日本共産党の西部地区事務所にもお米が送られてきて、炊き出ししているボランティアに届けたと聞いた。
年末、近所の後援会の方が、「ホームレスの方に募金を・・・」と我が家に夫婦でこられた。
いたたまれない気持ちになられたのだろう。
夜中に共産党の支部の方々と、駅や公園を見て回った。
さいわい、極寒のなかで、夜を過ごす人はみかけなかったが、福岡市で炊き出しにでた人の話では、昨年よりすごく増えて、食事が3度のところ、2度までしか供給できなかったと言う。
一生懸命働いて、しあわせになれない社会はおかしい。
しあわせどころか、夜露を寒さをしのぐ家がなく、コンクリートにダンボールのねぐらとは、ひどすぎる。奈良時代や戦国時代ではない。
宇宙旅行さえできるような時代に。
昨年、議会で住宅について取り上げた。
「火事で焼け出された人が、その夜泊まるところがない。大変な被害にあいながら、泊まる先まで探すのは気の毒だ。年間20件ほどの火事があり、政策空き家をつくって、対応してほしい」と頼んだが、市は「お金がない」という。
その一方で、区画整理事業(事業費8億5000万円)をやって、農業振興地域の20ヘクタールの田んぼをつぶし、住宅開発をするという。
ここには、市会議員の土地もある。
巨額の造成工事は土木業者の要望。納得がいかない。
2009年が始まった。
今年もどうぞよろしくお願いします。