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九州農政局へ訴える「亡くなった人の領収書がある。いいのか?」

九州農政局へ訴える

「亡くなった人の領収書がある。いいのか?」


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農林水産省のホームページより。4月3日、多面的機能支払交付金について、告発者の人達と5人で、熊本市にある九州農政局(=国の機関)で泊一環境保全組合の問題について訴えてきた。

午後12時半。九州農政局多面的機能支払推進室の前野室長と梶原係長が出迎えてくれ、県からは農山漁村振興課中山間地域振興係長の箱田氏と古川氏が同席してくださった。


今回の訴えの趣旨は、簡潔に言うと、令和2年6月、泊一環境保全組合は国、県、市の指導で、環境美化の日当を5年分、264万4000円を住民に配ったが、転居した人や亡くなった人、高齢で活動に参加していない人の領収書までが作られ、市と県、国に提出されていた。それでもいいのか?ということである。


そもそも環境美化活動は、糸島市全域で行われている生活環境改善のためのボランティア活動であり、多面的機能支払交付金の対象事業ではない。

さらに当該組織の農業者は、平成19年度から令和元年度まで、水路の泥上げやため池の草刈りなどの出方の日当を一度ももらっていなかったのである。

総会を開かず、行政区長が多面の組織の会長を兼ねると勝手に決め、予算、決算の議決をせず、交付金を使ってきた。それが一番問題だ。


令和2年6月、組合は、国、県、市の指導を受けたが、90代の高齢者にウソの作業日当の領収書を書かせたり、転居した人の領収書を作成したり、亡くなった人の領収書を作成したりした。情報公開した人10人全員に虚偽記載があったのである。

告発者の人たちは、制度を逸脱する不正の数々を正すよう、組織の幹部や糸島市を相手に3年にもわたり闘ってきた。裁判で不当に訴えられたり、村八分にされたり、言葉に尽くせない苦労をしながら。

この日の私たちの訴えを、九州農政局と福岡県がしっかり受け止めて対処してくれることを願っている。いや、信じている。


亡くなった人の領収書の存在が判明した経過

(伊藤千代子が当事者のひとりに調査して事情を聞きとった文書の一部)

~私は、糸島市泊一行政区の住民です。近所のAさんは私より15歳ほど年上で、私はときおり家を訪ねて雑談などしていましたが、平成27年頃奥さんが亡くなり、80歳を超えておられたAさんは、平成29年3月半ばに息子さんのいる関東の〇〇県に引っ越されました。

今年の1月頃だったか、〇〇県に転居したはずのAさんが、令和2年度に2万円の日当をもらったという書類を伊藤千代子議員に見せてもらい、本当に驚きました。

というのは、Aさんは前年の令和元年3月に転居先で亡くなっていたからです。同年8月には地元で初盆もあったので、私も参らせていただきました。だから、令和2年にAさんの名前の領収書があるのはおかしいのです。

それで今年の2月、〇〇県の息子さんに連絡して、「お父さんは令和元年に亡くなったのに、令和2年に環境美化の日当を2万円もらった領収書が県にあるそうです。ご存知ですか?」と聞きました。

すると非常に驚かれて、「日当のことは何も知りません。お金ももらっていません。詐欺ですね。協力できることがあればしますよ」と言ってくださいました。

このことは、令和6年4月3日に告発した住民ら5人で九州農政局を訪問して、多面的機能支払交付金推進室の前野室長や県の担当者の前でも話しました。

国の検査後も、活動に参加していない人や、参加できない高齢者、転居した人、亡くなった人の領収書を作成していたとは、ひどすぎます。


そもそも行政区の環境美化活動は道路や公民館、公園などの地域の清掃活動で、ボランティアだから、農業の交付金から日当を出すのはおかしいのです。組合や市は「環境美化は農地維持活動」と言っていますが、事実ではありません。

それに加えて、私たち農業者が「出方」の名前で毎年春と秋に泥上げや草刈りをしても、日当は出ませんでした。九州農政局が検査した令和2年から、ようやく出るようになったので、それまでの日当はどこにあるのかわかりません。組合に通帳の開示を求めましたが、見せてくれません。

交付金は全額公金です。どうか、このようなことが2度と起きないよう、正していただきたいと心から願っています。 (農業者Bさん)


多面的機能支払交付金に関してこれまでの経過は下をクリック

1,県民新聞「交付金に偽造書類」と報道

2,県の行政文書に無数の虚偽記載 いいのか?

3,一般質問「90歳以上の人、転居した人、亡くなった人の領収書があってもいいのか?」