8)内容虚偽の公正証書
左)森林公園樋の口ハイランドの入り口にある市のトイレ。市が民間業者に違法貸付している。
右)県が作ったシャクナゲ庭園の真上にある巨大なアスレチック。民間の所有で2012年から営業している。
(1)「ヤクザを使ってでも…」言論封じる言葉の暴力
前市長の不正と隠蔽工作の真相がわかるまで、8年もかかりました。議会多数派が質問を妨害しなければ、もっと早くわかって前市長を警察に告発できたはずです。
糸島には、「おかしい」と言えば、数の力で徹底的に攻撃し、黙らせようとする旧態依然とした勢力が存在します。「息子が商売できんようになってもいいんか?」「ここには住めんようになるぞ」「ヤクザを使ってでも黙らせる」…あらゆる人間関係を利用し、脅し透かし恐怖を与え、モノが言えないようにするのです。
私自身も、市の政策に反対したため、待ち伏せされて吊し上げられたり、呼び出されて怒鳴られたり、議会では暴言や不当な懲罰、裁判沙汰にあいました。
利権にまみれ、不正と隠蔽と言葉の暴力がはびこるまちを、私は絶対に子ども達に残したくありません。
この7年間、市に対して「虚偽の公文書を作成していいのか?ヤラセで市民をだましていいのか?」と問い続けました。
しかし市は、「不正はない、虚偽の文書作成もない」と絶対に非を認めず、議会多数派が同調するのを良いことに、同じような不正を巧妙に繰り返し、特定の利害関係者の便宜を図りました。
これでは半永久的に市に損害を与え続け、心をむしばむ言葉の暴力、異常な同調圧力はなくならないでしょう。よって、市が「違法性はない」という公文書をそのまま公開し、市民の皆さんに見ていただくことにしました。
(2)内容虚偽の「公正証書 」
「事業用定期借地権設定契約及び定期建物賃貸借契約」
2012年8月の糸島市役所に戻りましょう。市長は松本嶺男。副市長は谷口俊弘です。
地方自治法第96条にはこう書いてあります。
1 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
六 条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
市が営利企業に、森林公園を年間10万2140円で貸し付けた10年契約は、「適正な対価」ではありません。よって議会の議決が必要でした。しかし、それをしないまま、市は契約を結んでいました。
上は、 2012年8月16日、市長が福岡公証役場で井上義浩農林土木課長に作成させた公正証書。相手方はパシフィックネットワークの社長。下が契約したときの文書です。市がこっそり契約していたので、この書類を入手したのは5年も経ってからです。市長による施設私物化の証拠です。
契約の終了は、平成35年=令和5年つまり2023年3月31日。来年です。
市は、この契約が正しいと言い続けています。しかしこの公正証書には、市の職員ならすぐわかる虚偽記載があります。パシフィックネットワークへの貸付物件を見てください。
3,工作物 「フォレストアドベンチャー」と称するフィールドアスレチック施設一式
この記載はうそです。アスレチック一式は市の所有物ではなく、パシフィックネットワークの所有物なので、市の貸付物件ではありません。公園内に民間の工作物があるとまずいので、市が貸し付けているかのようにごまかしているのです。
この契約を結んだ農林土木課長は、その後、建設都市部長、教育部長、企画部長と出世し、昨年退職した後も再任用職員として市役所に残り、今も都市計画課長補佐として市の幹部です。月形市長の元で建設都市部長をしたきは、前原東土地区画整理事業を担当し、自分が所有する農地もいっしょに宅地開発しました。
(3)森林公園は産業振興施設
2021(令和3)年度の「糸島市公共施設等総合管理計画第一期アクションプラン」から。「産業振興施設」をまとめた表です。森林公園樋の口ハイランドは、市の「産業振興施設」にきちんと位置付けられています。つまり森林公園は、「行政財産」であって、貸付できない財産だったのです。
(4)施設カルテは噓だらけ
これは、市の公共施設をまとめた「平成30年度 施設カルテ」の112ページ。「施設名 森林公園樋の口ハイランド」と書いてあります。森林公園は、まちの公園と同じで、売ったり、貸したりできない行政財産(施設)です。
市はそのことをちゃんと知っているのに「普通財産」とうそを書いています。委託契約書がないのに「包括委託」と、ここにもうそを書いています。
森林公園の年間利用者数を「37,513人」と書いていますが、これも大うそです。なぜなら37513人は、3600円のお金を払ってフォレストアドベンチャーを利用したお客の数であって、無料で森林公園を利用した人の数ではないからです。
森林公園の民間への貸付は、前市長による財産の私物化でした。市は、前市長の不正を隠蔽するため、2012年からずっと公文書の虚偽記載を続けています。
(5)財産の無償貸付・無償譲渡ラッシュ
2012年6月議会では、井上健作議員(現副議長)が「健康づくりセンター二丈温泉きららの湯」の民間委託を提案し、谷口俊弘副市長が「検討する」と答弁し、5年後には月形市長の元で、「きららの湯」は設立わずか2年の会社に無償譲渡されました。
さらに2015年には、春田元前原市長に旧二丈町の深江保育所が無償譲渡されました。合併前後はまさに有力者(とそのお友達)への財産の無償貸付、無償譲渡ラッシュだったのです。そしていま、九大移転で巨額のカネが動き、まちはいっそう利権まみれになりました。(つづく)
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27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
市長松本嶺男の隠蔽工作
上)フォレストアドベンチャーの入場料金。大人3600円、子ども2600円。森林公園樋の口ハイランドにて2019年5月撮影。
(1)森林公園の貸付期限は2023年3月31日
今年3月12日付の西日本新聞によると、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス関連融資を違法仲介したとして、貸金業法違反(無登録営業)の罪に問われた元公明党衆議院議員〇〇氏について、検察側は懲役2年、罰金100万円を求刑しました。(11日、東京地裁)
そこでもう一度、2012年の林間施設の違法貸付の話にもどしましょう。
2012年(平成24年)3月、松本嶺男市長は、〇〇議員(当時)から糸島市の公明市議を通じて紹介された人に、林間施設(木の香ランドキャンプ場と森林公園樋の口ハイランド)を、10年間無償貸付しました。
県警が職員の官製談合事件で市役所を捜査している最中に、市長は副市長らにヤラセの事業者選定を開かせ、自ら虚偽の決定書に押印し、虚偽の議案を議会に提案する背任の罪を犯していたのです。(法令順守①~④を参照)。
しかしその3か月後、思いがけないことが起こり、松本市長は市役所ぐるみの隠蔽工作の末、今度は、議会の議決を経ず、森林公園樋の口ハイランドだけを、年間10万円で約11年間、民間会社に貸し付けるという違法な貸付契約を結びました。
いま森林公園でフォレストアドベンチャーの営業をしているのは、はじめに無償貸付した会社ではなく、東京の(有)パシフィックネットワークという会社です。その貸付の終了期限が、いよいよ来年の3月31日に迫っています。
(2)2012年6月 市長に思いがけないピンチが…
2012年6月はじめ、森林公園樋の口ハイランドに、民間会社が発注したフォレストアドベンチャー(大型アスレチック)が完成しました。
松本市長は、フォレストアドベンチャーオープンのためにアクセス道路を7千万円で整備してやり、「広報いとしま」で宣伝し、マスコミにも宣伝し、いよいよ7月21日のオープンを待つばかりになりました。
しかし、ここで最大のピンチが市長に訪れます。アスレチックの建設費4千万円が、施工業者に支払われていないことがわかったのです。会社は資金集めの最中で、全額を完済できる状況にありませんでした。東京の施工業者は、全額即入金しなければ裁判に訴えると言っています。さあ一大事です。
市幹部と一部議員は、市長室で頭を抱えて相談したようです。もし裁判沙汰になったら、なぜ市の公園に民間のアスレチックがあるのか? 本来なら市民の利用に供するため、市が適正に管理すべきキャンプ場と森林公園を、なぜ営利企業にタダで貸したのか? これまでの違法行為が全部バレてしまいます。
市長の頭は、怒りでいっぱいだったでしょう。国会議員がバックについてると思ってさんざん便宜を図ってやったのに、カネを持っていなかったのか。背任罪で逮捕されたらどうするんだよ、と。
当時、松本市長は大きなミッションをいくつも抱えていました。自分の選挙対策本部長だった元議員や現職議員らが所有する土地の開発、市立保育所やきららの湯の無償譲渡等々。市長に大勢の利害関係者の運命がかかっていました。そこで市長は、部下を使って隠蔽工作に乗り出します。
(3)2012年7月7日 農林水産部長を東京に派遣
7月7日、松本市長は、裁判を回避させるため、農林水産部長を東京に派遣し、(有)パシフィックネットワークの社長と交渉させました。いまタダで森林公園を貸している会社との契約を解除するかわりに、糸島でフォレストアドベンチャーの経営をしてくれないかと頼んだのです。
木の香ランドキャンプ場は市の施設に戻すことができても、アスレチックが完成した森林公園を市の施設に戻すことは不可能です。その上、「7月21日フォレストアドベンチャーオープン」とマスコミで大宣伝していたので、市長は引くに引けない状況にありました。オープンまであと2週間。
パシフィックネットワークは各地でフォレストアドベンチャーの経営をしていたので、市の申し出に合意しました。
「決して損はさせん。20ヘクタールの立派な公園で、トイレも駐車場もみんなそろっとる。初期投資が何もいらずに事業を始められるぞ。俺は市長だから、市の広報やホームページで宣伝してやる。マスコミにも宣伝してやる。市の委託事業のフリをして営業してくれればそれでよか」というのが市長の本心ではなかったかと思います。実際、その通りになりました。
7月19日付の糸島新聞です。大きく「フォレストアドベンチャー 運営会社変わる」と書いてあります。市が契約するより先に新聞報道が行われました。
「パシフィックネットワークに有償貸与」とありますが、いくらで貸したと思いますか? 土地、建物あわせて年間10万2140円です。
記事には「運営会社の変更について松本嶺男市長は「市のチェックが不十分だった」と語った。」とありますが、うそです。もともとチェックなどしておらず、事業者選定はヤラセだったのだから。
(4)2012年7月20日 契約相手方の住所がない年間賃料約10万円の「決定書」
7月20日、松本市長が決裁した「決定書」です。
・「旧糸島市森林公園(樋の口ハイランド)を有限会社パシフィックネットワークに管理運営していただくため」とありますが、これはうそです。事実は「管理運営」ではなく「貸付」。
・この公文書には、契約相手方の有限会社パシフィックネットワークの住所が書いてありません。
・予約契約の期間は平成24年7月20日~平成35年3月31日。10年間も!
・年間賃料は土地5万8350円、建物4万3790円。合計10万2140円です。
地方自治法第96条は、「適正な対価なくして市の財産を譲渡あるいは貸し付けるときは、議会の議決が必要」と定めています。よってこの契約は、議会での議決が必要でした。しかし、議決は行われていません。
これに松本嶺男市長以下、谷口俊弘副市長、農林水産部長、農林土木課長、総務部長以下多くの職員の印鑑があります。「決裁したのは市長の俺だが、みんなでハンコを押したんだから、お前たちにも責任がある。告発なんかするなよ」と言わんばかりです。
市長に「おかしい」と言う部下は一人もいなかったのです。
「不正を前に沈黙するものは共犯者」という言葉があります。刑事訴訟法239条第2項には、公務員は犯罪があると思料するときは告発しなければならないと書いてあるのに。
(5)2012年7月20日 議決をせず契約相手方の住所が違う契約書を結ぶ
7月20日、松本市長がパシフィックネットワークの金丸社長と結んだ「事業用定期借地権設定及び定期建物賃貸借予約契約書」の最後の署名欄です。
翌日がフォレストアドベンチャーの開店だったので、「契約終了!」「隠蔽成功!」「セーフ!」と胸を撫で下ろしたでしょう。
契約相手方は、「東京都新宿区新宿1丁目3番地2号、有限会社パシフィックネットワーク 代表取締役 金丸一郎」とあります。しかし登記簿で調べると、3番地2号ではなく3番地12号でした。
内容虚偽で必要な議決を経ていないこの契約書は、不正隠蔽のために作成された地方自治法違反の偽造公文書です。
(6)2012年8月16日 課長を公証役場に派遣,公正証書作成
8月16日、松本市長は農林土木課長(後の建設都市部長)を代理人として福岡公証役場に派遣し、森林公園の土地・建物を10年と8カ月、年額10万2140円で貸し付ける公正証書をパシフィックネットワークの社長と作成させました。
県が2億7千万円で建設し、旧二丈町が宝物ように大切にしてきた美しい森林公園樋の口ハイランドが、議会の議決なく11年近くも民間業者に貸し付けられました。(公正証書は次回公表)
(7)2014年4月1日 月形市長「賃貸借料改定契約書」結ぶ
2年後の2014年(平成26年)2月2日に行われた市長選挙で、松本前市長や春田元市長、大勢の議員の応援を受けて初当選したのは、前自民党県議の月形祐二氏でした。
同年4月1日、月形市長は(有)パシフィックネットワークの社長と、「事業用定期借地権設定及び定期建物賃貸借契約に基づく賃貸借料改定契約書」を締結しました。それがこの公文書です。
消費税が5%から8%に増税されたため、森林公園樋の口ハイランドの建物の賃料を、年間4万3790円から4万5040円に改める内容です。
会社の住所は、東京都新宿区新宿1丁目3番3号。それが「11番13号」に書き換えてあります。
来年3月31日、パシフィックネットワークとの賃貸借契約がいよいよ終了します。月形市長は契約を更新せず、森林公園を無料の施設に戻し、シャクナゲ庭園など1万6千本の桜やモミジ等の樹木を、市民は再び楽しめるようになるでしょうか?
小川のそばで愛犬と寝転んだり、展望台で眺めを楽しんだり、3キロの小道を森林浴しながら散策できるでしょうか?子どもたちが小山に登って草スキーを楽しむ「きゃあきゃあ」と笑う声を再び聴くことができるでしょうか?あと1年後です。(つづく)
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5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
実在しない法人を事業者選定
(1)選定すべきは「個人」ではなく「事業者」
左は2015年(平成27年)11月15日付広報いとしま。「神在保育所民間移管先法人を募集」と書いてあり、応募できる法人は、「糸島市、旧糸島郡地域に住所を有する法人」とあります。
2017年6月議会で、月形祐二市長と谷口俊弘副市長が「法令違反はない」と答弁したのは、保身のための真っ赤なうそでした。
上は、「糸島市立保育所移管先選定委員会設置規定」です。規定の第一条には、「公正かつ円滑な保育所の運営及び児童福祉の向上に最も適した運営主体(以下「事業者」という。)を選定するため、糸島市立保育所移管先選定委員会(以下「委員会」という。)を設置する。」と書かれています。
市が選定しなければならなかったのは、翌年の4月1日から市立神在保育所の園児120人の保育を任せることができる、保育実績のあるきちんとした事業者だったのです。
しかし市は、この規定にそった事務を行わず、子ども課職員に、個人や設立準備会、架空法人の応募申請書を受理させました。「実在しない法人」を「ある」と偽り事業者選定したのは、森林公園のときとまったく同じです。
(2)法人の設立日は無償譲渡の契約前日
これは2016年(平成28年)2月26日に、若尾勉氏が糸島市に提出した「移管先法人」の申込書です。
(申請者)住所 福岡市東区三苫三丁目〇番〇号
法人名 いとしま子どもの会(仮称)設立準備会
理事長(代表者)若尾勉
下は申込書に添付された「法人概要」です。
・法人名 「社会福祉法人いとしま子どもの会(仮称)設立準備会」
設立準備会を「法人」扱いしています。
・住所 「糸島市神在678番地1」
ひどいですね。この住所は、市立神在保育所の住所です。あろうことか若尾氏は、移管先法人の申請時点で、自分の法人欄に市立神在保育所の住所を書いていたのです。
・設立年月日「平成29年3月31日」
これが一番ふざけている、と思いました。この日は、市長が、神在保育所の全財産を移管先法人に無償譲渡する契約の前日だからです。何千万円もの財産を市からタダでもらう日の前日を、法人の設立日にしていたのです。
こんなデタラメな法人概要を子ども課が受理し(2月26日)、市長が選任した委員会にかけ(6月)、市長が移管先法人に決定し(7月)、さらに市長が社会福祉法人に認可し(11月)、さらに市長が無償譲渡の議案を議会に提案し(翌3月)、議決後、さらに市長が4月1日に無償譲渡の契約を結んだのです。
若尾氏が設立準備会で応募してから、市長と無償譲渡の契約を結ぶまで、わずか1年と1か月。保育所の建物と設備、何千点もの備品すべて、およそ6~7千万円もの財産の所有権が移転しました。
(3) 実在しない法人の「法人概要」
10年間で3回開かれた移管先選定委員会で審査された「実在しない法人」をいくつかみてみましょう。設立日がないのですぐわかります。
⑴ 代表者 本田陽子
⑵ 代表者 石橋長俊
⑷ 代表者 吉田桂子
⑹ 代表者 石橋徹登
林間施設(木の香ランドキャンプ場、森林公園樋の口ハイランド)の無償貸付同様、5つの保育所財産の無償譲渡でも、市は、実在しない法人を「ある」と見なして事業者選定していました。
(4)市の幹部が架空法人の代表者
行政によるヤラセは、公平であるべき事業者選定を歪め、ばく大な税金をムダにします。何も知らないで書類に名を連ねた市民や、事務を命じられた職員を犯罪に巻き込む恐れさえあります。
上の法人概要を見ていたら、驚くことに気がつきました。⑹です。
「社会福祉法人碧晟会」は、実在しない架空法人ですが、その代表者の仲西氏は、応募当時市の幹部でした。市を退職したのは平成26年3月末なので、この時はまだ市の職員。役職は、市民の安全を守る糸島市消防署の消防次長でした。
つまり、2015年(平成27)4月1日、月形市長は、春田整秀元前原市長の経営する法人に、市立深江保育所を、また議員のお友達法人に市立長糸保育所を無償譲渡しましたが、このときの事業者選定には、市の消防次長が架空法人の代表になって移管先法人募集に申し込み、法人選定に加わっていたのです。(つづく)
議会多数派が守るので市は反省しないで同じことを繰り返す
2018年9月議会から
ちよ便り10号・2017年10月号 表裏
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5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
保育所の無償譲渡~「契約相手方法人」は設立されていなかった
(1)松本前市長の部下が月形市長の部下
2017年6月議会。写真左)答弁しているのは谷口俊弘副市長。右隣で笑っているのは月形祐二市長。
写真右)答弁している月形市長。左に谷口副市長、右に洞孝文総務部長。市長の後ろは、馬場貢企画部長。
谷口副市長と洞部長は、2012年、松本嶺男前市長のもとで、林間施設の指定管理者選考会でヤラセをやり、わずか3カ月でキャンプ場と森林公園をフォレストアドベンチャーの経営会社に無償貸付する不正を実行しました。
本当なら、職員に不正な事務を行わせ、市に多大な損害を与えた前市長とともに、警察で取り調べを受けるべき人たちでした。(法令順守①~④参照)
しかし、議会多数派が必死に隠蔽したおかげで、責任を問われることなく昇進し、月形市長のもとでも市の幹部であり続けました。(退職後、それぞれ天下り)
(2)「設立準備をしていれば法人と見なす」
糸島市では、「設立準備していれば法人と見なす」などの違法な事務が行なわれ、市には虚偽公文書があふれています。
・法人は設立されていないが、設立されたと見なす。
・福岡市の人だが前原の人と見なす。
・農業振興地域だが、そうではないと見なす。
・会議は成立していないが、成立したと見なす。
・お金を払っていないが領収書と見なす。
・貸付相手方だが、指定管理者と見なす。
・設立されていないが、実績があると見なす。・・・
きりがありません。まるで不正のデパートです。
私は松本前市長を、暴力団の組長、ヤクザの親分より悪い詐欺師と思ってきました。彼は税金を使い、マスコミを使い、全体の奉仕者たるべき職員を使って、自分のお友達、応援団の便宜を図りました。市長の権限を駆使し、ありとあらゆる不正を実行しました。
議会で市の違法行為を追及するのは私だけなので、彼らは平気です。去年、検察と警察に相談に行くと、「ほかの議員は何も言わないのですか?」「もっと議会でがんばってほしい」と言われました。市と議会の癒着のひどさをしらないからです。
それに、虚偽公文書作成は重罪です。議会で市が本当のことを言うと思いますか。
上の写真にある2017年6月議会の答弁をみてみましょう。議長は谷口一成氏です。
(3) 谷口一成議長「執行部は犯罪者か」 副市長「犯罪ではない」
伊藤千代子 地方自治法違反の議案が出たら、それは有効か?
洞孝文総務部長 地方自治法違反であれば有効ではない。
伊藤千代子 雷山保育所と井原保育所を無償譲渡する議案が可決をしたのはいつか。
藤田晋人権福祉部長祉部長 議決は平成19年3月27日であある。
伊藤千代子 2つの社会福祉法人が設立登記されたのはいつか。
藤田晋人権福祉部長 平成19年3月28日である。
伊藤千代子 議決は19年3月27日、議案の契約相手方の社会福祉法人の設立登記は3月28日。つまり、法人は議会が終わった後に設立されていた。虚偽の議案は公文書の偽造ではないのか。
谷口俊弘副市長 社会福祉法の第28条では、社会福祉法人の住所は、受託する事務所の所在地とするとなっている。
伊藤千代子 登記簿で存在しない相手方を議案に載せることは、犯罪として重大な問題だと思って取り上げている。
谷口一成議長 伊藤議員、今、重大な発言をされた。犯罪であると。白黒はっきりさせる。このままにしておくと、執行部は犯罪者みたいにとられ、あなたは正義の味方みたいにとられる。どっちが正しいのか、議長の権限において執行部の主張をさせます。今、犯罪者という呼ばわれ方をされたが、執行部は犯罪者か。
谷口俊弘副市長 虚偽に基づく議案を提案したとおっしゃっているが、私どもは、社会福祉法並びに募集要項等に基づき適正に処理したもので、犯罪でもなければ、条例、法令違反でもない。
谷口一成議長 全く違法でもないし、有効ですということでしょうもん。いいですか、伊藤議員、そういう答弁をしています。
議長が「白黒つける」というのは、執行部の言い分を認めさせることです。
(2)議案の契約相手方は設立されていなかった
しかし、谷口副市長の答弁は、保身のための真っ赤なうそ、虚偽答弁でした。ご説明しましょう。
2007年から2017年にかけて、市は5つの保育所と健康づくりセンターきららの湯の移管先法人を募集し、その財産すべて(総額およそ10億円)を民間に無償譲渡しました。契約相手方はすべて、市長や議員のお友達関係者でした。
2007年4月1日、当時の松本市長は、二つの保育所の財産すべてを、民間に無償譲渡しました。しかしその契約相手方法人は、どちらも無償譲渡の議案を議決したとき、設立されていませんでした。
前市長は林間施設の無償貸付で違法行為を繰り返しましたが、それと同じことを、前原市長のとき、財産の無償譲渡でやっていたのです。道理で部下たちが不正な事務に手慣れていたわけです。
〇保育所の無償譲渡の議案
左は雷山保育所の財産を無償譲渡する議案です。契約相手方は、社会福祉法人桂信会 理事長吉田信行氏。右は井原保育所の財産を無償譲渡する議案です。契約相手方は、社会福祉法人幸和会 理事長本田陽子氏。
2007年(平成9年)3月1日、松本市長が議会提案し、3月27日に議会が議決し、4月1日に無償譲渡の契約を結びました。
ところがです。下の登記簿によると、法人の設立年月日は2007年(平成9年)3月28日だったのです。つまり、市長が議案を提案したときも、議会が議案を議決したときも、法人はまだ設立されていませんでした。よって、この議決は無効でした。
当時市が「法人の選定をして、事業者を決定したから、議会に提案した」と説明したのは、真っ赤なうそでした。「法人」の選定ではなく、個人を選定していたのです。
〇契約相手方の登記簿
「設立予定の法人は法人と見なす」という違法な事務が、前原市のときから行われていたのです。この議案の元になった事業者決定書は、これです。↓
〇保育所の移管先法人決定書
法人名のない移管先法人決定書が作成されていました。決裁したのは松本嶺男市長です。そして下は、10年後の神在保育所の移管先法人決定書です。
神在保育所の移管先法人は、(法人名 いとしま子どもの会(仮称)設立準備会)
代表者は、 若尾勉 住所 福岡市東区三苫3丁目9番3号
決裁したのは月形市長です。谷口副市長、井土敏幸人権福祉部長、藤田子ども課長らが多数押印しています。
上記の三つの保育所の移管先法人は、すべて法人ではありませんでした。
後で調べると、神在保育所の件に関して、市の職員が「契約相手方法人は、無償譲渡の契約前日までに設立されたらよい」という事務をさせられたと聞きました。
利害関係者の法人設立が間に合わなかったら、決定書の作成時も、議案の提案時も、法人でなくてよい、契約の日に法人であればよい、という恐るべき事務です。
違法に失われた財産を、生活に困窮した子どもたち、市民のために使えば、どんなに多くの良いことができたでしょうか。(つづく)
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5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
森林公園樋の口ハイランド~市長にしかできない犯罪
2017年10月15日号の「広報いとしま」。月形祐二市長は、松本嶺男前市長を自治功労者として表彰しました。背任罪で告発すべき人を、なぜ表彰するのでしょうか。
部下に存在しない法人を「ある」と偽って事業者選定させ、自ら虚偽の決定書に押印し、虚偽の議案を議会に提案し、市の財産を無償貸付する契約を結び、特定の利害関係者の便宜を図って市に損害を与えた。これは市長にしかできない犯罪です。
私は暴言と策略が渦巻く議会で命がけで闘ってきましたが、そこは是々非々ではなく多数決。「伊藤は噓つき」と吊し上げられ、懲罰と辞職勧告を受け、法令違反は隠蔽されました。
このままでは、半永久的に癒着馴れ合いの不正が続き、違法な事務で市の財政はさらにばく大な損害を被るでしょう。たとえ私が事故や病気で死んでも、不正の記録は残さなければなりません。市民の利益と民主主義を守るために。
(1)2012年、未設立の会社を「ある」と偽り事業者選定
上は、市長が選任した「林間施設の指定管理者選考委員」。
2012(平成24)年2月3日、林間施設(樋の口ハイランドと木の香ランドキャンプ場)を、(株)ネイチャースピリットに指定管理させるかどうかの事業者選考会でした。
しかし、このとき会社は設立されておらず、この選考会はヤラセでした。会社がないから、運転免許証で本人確認をし、プレゼンテーションさせて採点しました。
糸島市のプロポーザル方式の事業者選定は、まったく信用できません。ほぼやらせです。
下は、選考会での谷口俊弘副市長と洞農林水産部長の採点結果です。存在しない会社を採点したので、これも公文書偽造です。
福岡県警が、糸島市下水道課職員の官製談合事件で市役所を捜索したのは、同年1月25日です。その捜査の真っ最中に、農林水産部では市長命令でヤラセの事業者選定をやっていたのです。
(2)未設立の会社を「指定管理者」に決定
2012(平成24)年2月6日、(1)の事業者選考会の採点結果をもとに、市長は林間施設の「指定管理者決定書」に決裁の印鑑を押しました。会社の設立は、同年2月22日なので、契約相手方が設立されていない虚偽の公文書です。
(3)「無償貸付の議案」を作成、市長が議会に提案
上は、(2)の指定管理者決定書をもとに、農林水産部長が作成した「財産の処分」についての議案第25号。虚偽の指定管理者決定書から無償貸付の議案を作成しました。何でもやりますね。
2012(平成24)年3月1日、市長はこの議案を議会に提案しました。(株)ネイチャースピリットの設立は同年2月22日だったので、無償貸付の議案提案は、会社が設立されてわずか1週間後のことでした。
(4)市長が「無償貸付」の契約を締結
2012(平成24)年3月23日、議会採決の3日前、市長は、林間施設を「平成24年4月1日から平成34年3月31日まで」の10年間、無償貸付する仮契約を(株)ネイチャースピリットと結びました。
市が10年間タダで貸付けた物件
いくらお友達議員の口利きがあったからと言って、公園を含め、よくこれだけの財産をタダで貸したものです。適切な財産管理を怠り、言葉巧みに違法な事務を重ねて、特定の人に市の施設を無償貸付した、まさに市長にしかできない犯罪、刑法第247条に定められた背任罪です。
(この頃、水道料金が払えず、1か月近く水道を止められていた家族がいました。「小さい子が二人もいるのに、なぜ水道を止めたのか」と市にきくと、「水は商品だから、タダではやれない」という答えが。市民には冷たく、仲の良いお友達にはとことん尽くすモンスター市長でした。)
(5)議会が「無償貸付」の議案を議決
2012年3月26日、市長派議員が圧倒的多数の議会は、議案25号を大賛成で議決しました。反対は共産党の三人だけでした。
賛成討論したのは、田原耕一議員(後の議長)と小島忠義議員(後の建設産業常任委員会委員長)。
議長は有田継雄議員、副議長は吉村勝議員。
議会運営委員会の委員長は井上健作議員、副委員長は三嶋俊蔵議員、委員は浦伊三次議員、谷口一成議員、寺崎強議員、波多江一正議員。
(6)2018年(平成30年)9月議会 月形執行部の答弁
「会社の設立を準備していたので『会社』と判断した」
右)月形市長の右後ろは、洞総務部長。松本嶺男前市長の命令で、谷口副市長とヤラセの事業者選定を指導し、虚偽の議案を作成した農林水産部長が、市の法令を担当する総務部長に出世し、自らフォレストアドベンチャー問題で答弁しています。議長は田原耕一議員、副議長は堀田勉議員。
伊藤千代子 公務員の犯罪の中の一つ、虚偽有印公文書作成罪の時効は何年ですか。
洞孝文総務部長 虚偽有印公文書作成の時効は、7年となっております。
伊藤千代子 ことしの6月18日、沖縄県宮古島市役所の職員が、虚偽有印公文書作成罪で懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。ご存知じですか。
洞孝文総務部長 新聞情報で見たことはあります。
伊藤千代子 虚偽公文書の作成は非常に重い犯罪です。なぜなら、公文書の虚偽記載を許せば、どんな不正も思いのままだからです。
平成24年2月6日の事業者決定書に、「株式会社ネイチャースピリットを森林公園の指定管理者に決定」と書いてあるが、この会社の設立は、2月22日です。会社がないとわかっていながら、松本市長、谷口(俊弘)副市長、(洞孝文)部長、課長、課長補佐、係長等、7つも判こが押してある。会社が設立されていないのに、会社と書いて事業者に決定するのがおかしいと。誰も言わないで判こを押したのですか。
平野謙二産業振興部長 法人の設立登記に向けて準備を進めてあったから、株式会社と記載をしている。起案をした職員、起案責任者、決裁をおろされた市長まで、皆さんが、当然登記がなされるものという判断でこの公文書を作成しました。
伊藤千代子 刑事訴訟法第239条に基づき松本前市長を「背任罪」で告発し、責任をとらせるべきです。会社がないのにあると偽って事業者選定し、議会や市民をだますようなことは、絶対にやってはいけない。そう思いませんか。
月形祐二市長 私どもは法令順守をしっかりと守ってやってきたつもり。議員の言われることについては思っておりません。
(7)2016年 月形市長が「設立準備会」を「契約相手方」に決定
会社を設立しようと準備していれば「会社」と見なす。市役所内に虚偽の公文書があふれるはずです。大勢の若い職員が上司の命令に従って、違法な事務に加担させられました。
2016年(平成28年)7月5日、月形市長は、市立神在保育所の移管先法人に、「設立準備会」を「事業者」と見なした決定書に決済の印鑑を押しました。それがこれです。
月形市長、谷口俊弘副市長、井土人権福祉部長、藤田晋子ども課長(後の総務部長)など10人の印鑑が押してあります。(当時の総務部長は、洞孝文氏)。
右の写真は、契約相手方を決定した部分を拡大したもの。
1,神在保育所移管先として決定する者(平成28年7月5日)
法人名 いとしま子どもの会(仮称)設立準備会
住所 福岡市東区三苫3丁目〇番〇号
代表者 若尾勉
2,移管年月日 平成29年4月1日
わずか8カ月先の2017年4月1日にすべての財産を無償譲渡する神在保育所の移管先法人に、法人ではない「いとしま子どもの会(仮称)設立準備会」を決定していたのです。
2012年のフォレストアドベンチャーの無償貸付とまったく同じことを、なんと市は財産の無償譲渡でもやっていました。同じ幹部のメンバーで。前市長を表彰した理由がよくわかりました。
なお、若尾氏が平成グループの関係者と繋がりがあることを、市と議会が徹底的に隠すために、私を懲罰と辞職勧告にしたのが2017年9月議会です。
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27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
不正に奪われた公園とキャンプ場
コロナ禍でも、子ども達にのびのびと走り回って遊んでほしいと思ったとき、森林公園樋の口ハイランドを思い出します。
上の写真は、森の中に建つ木造の施設。子ども達が自由に遊べる小屋です。無料で冒険ごっこができるなんて、素敵でしょう。遠足やピクニックとかで行ったら最高に楽しい。とにかく広い公園なのです。下がその案内図です。
樋の口ハイランドは2億7千万円で県がつくった施設。面積が約20万平方メートルもある広大な森林公園です。そこにはサクラ、ツツジ、シャクナゲなど1万6千本の木々が植えられ、季節の花々が楽しめ、特にシャクナゲ園は有名でした。
森の中を小川が流れ、夏には水辺で子ども達が遊び、森林浴の楽しめる遊歩道は3キロもありました。草スキー場では、子どもが歓声をあげて滑り降りて遊んでいました。標高600メートルくらいの展望台からの眺めは絶景でした。ここにはパラグライダーの基地もありました。
しかし2012年3月に市が営利企業に無償貸付して以降、フォレストアドベンチャーが営利目的で独占しているので、市民は使えません。この立派な案内版も、無償貸付後に撤去され、今はありません。糸島市では、市長や議員のお友達に市の施設をタダでやる、タダで貸すのが流行っているのです。
2019年に私が現地調査に行くと、フォレストアドベンチャーが営業に使っているところ以外は、荒れ果てていました。多くの人々は、「ここはひとり3千いくらのお金を出してフォレストアドベンチャーで遊ぶところ」と思っています。しかし本当は、福岡県民のために県が2億7千万円でつくった無料の公園です。
上は、木の香ランドキャンプ場の写真です。静かなたたずまいのとても素晴らしいキャンプ場です。手造りのトイレやログハウスはとても魅力的です。2012年3月26日、松本市長(当時)が木の香ランドキャンプ場と森林公園樋の口ハイランドのふたつの林間施設を詐欺的手法でK氏の会社に無償貸付したことは、前回書きました。
無償貸付した財産は、なんと公園面積約32ヘクタールと建物14棟 でした。
(このキャンプ場だけは、4か月後に取り戻すことができた。)
2012年6月 フォレストアドベンチャーのアスレチック完成
上は、森林公園樋の口ハイランドのシャクナゲ庭園を踏みにじって作られたフォレストアドベンチャーのアスレチック。庭園が踏みにじられて、営利企業のレジャー施設に改造されています。(写真の撮影は2019年)
およそ4千万円のこのアスレチックは、所有権が民間会社にあるので、市の公園内に建築された「違法工作物」です。
税金7千万円を使って客寄せのアクセス道路を整備
それに加えて松本嶺男市長は、「フォレストアドベンチャーオープン」に向けて、アクセス道路を整備してやれと、2012年5月8日に臨時議会を開いて、7070万円の予算を議会に提案しました。
山の中でお客を呼ぶには、道路整備が必要です。なにしろ、山を切り崩して建設した広域基幹林道は、大雨が降るとすぐがけ崩れが起きたりして通れなくなります。ちょうどこの時もそんな状況でした。
きちんと事務をすれば、災害復旧工事には国の補助金がたくさん出るのに、会社のオープンに間に合わせようと、全額市の税金で急いで工事をしてやりました。松本市長にとって、税金はポケットマネーだったのです。
部下の職員が別件の官製談合で有罪判決がくだったばかりのときに、とんでもない市長です。
議会にチェック機能がないと、市はやりたい放題。まさにその見本です。そしてこれは、氷山の一角。
市はホームページや広報いとしまで、「7月にフォレストアドベンチャーがオープン」と、あたかも市の事業であるかのように大宣伝しました。
本来、貸してはいけない公園を、営利企業にタダで貸してしまったために、その会社の営業をずっとずっと市の税金と職員を使って助けていくという、恐るべきムダづかいが、2012年3月に始まったのです。(つづく)
森林公園樋の口ハイランドの無償貸付
警察の捜査中に不正を実行
この写真は、2012年4月5日付西日本新聞の記事です。松本嶺男市長(当時)は、12年3月26日、福岡市のK氏の会社と無償貸付の契約を結ぶと、それをマスコミに発表。報道各社は、「森林公園樋の口ハイランドにフォレストアドベンチャーがオープン!」と宣伝しました。
利用客年間1万5千人~2万人、利用料は大人3500円、子ども2500円と書いてあります。市民が無料で利用するキャンプ場と公園を、特定のレジャー業者に営利目的で独占利用させることになったのです。
私が赤線を引いたところに「糸島市が活用方法を公募、フォレストアドベンチャーの案が採用された」と書いてありますが、このような事実はなく、嘘です。マスコミにうそ情報を流すのは市の得意技。
(1)2月3日 やらせの指定管理者選考会
2月6日 市長決裁の「指定管理者決定書」は虚偽
2011年12月16日、松本市長が、市の公園を使ってフォレストアドベンチャーをやりたいと言ったK氏に無償貸付を約束したとき、なんとK氏にはまだ運営会社がない状態でした。
ところが市は、2012年1月、林間施設の指定管理者を公募。
同年2月3日、市長は部下の副市長や部長らに、やらせの指定管理者選考会を行わせました。まだ運営会社が設立されていなかったため、K氏の運転免許証を応募のときの身分証明書に使いました。
審査委員を任命するのは市長権限なので、やらせは簡単です。委員の半分を市の関係者にすれば、審査、採点はどうにでもなります。
「K氏の会社だけしか応募がなかった」と部長が議会で説明しましたが、当時管理していた森林組合の関係者を訪ねて聞くと、「今回は他に決めてあるから」と応募を辞退するよう言われたそうです。
2月6日、市は、設立登記されていないK氏の会社を、林間施設(森林公園真名子木の香ランド、樋の口ハイランド)の指定管理者に決定しました。
松本市長が自ら決裁の印鑑を押した公文書が下の写真。契約相手方の会社は設立されていないので、これは虚偽公文書です。
(2)2月22日 議会直前に契約相手方が設立登記
2月22日、K氏の会社がようやく設立登記しました。
翌日の23日、私が朝9時半に議員控室に行くと、「林間施設を10年間、無償貸付する議案」がすでに議員全員の机に配布されていました。市は、契約相手方の会社が設立される前に、無償貸付の議案を作成していたのです。デタラメです。
3月1日、松本市長はこの議案を議会に提案。
3月23日、無償貸付の仮契約。
26日、議会が無償貸付を議決。…となりました。市の執行部と議会多数派が協力すれば、どんな悪事も思いのまま。その見本です。そしてこれは、悲しいことに氷山の一角です。議長は、有田継雄議員。
(3)県警が市役所を家宅捜索中に不正を実行
松本市長は、この一連の不正を、なんと警察による官製談合事件の捜査が行われている真っ最中に実行しました。
2012年2月、下水道課職員の官製談合事件が発覚。
同年2月25日、福岡県警は糸島市役所を家宅捜査しました。私は市庁舎三階にある議員控室の窓から、大勢の警官が段ボール箱を運び出す様子を見ました。
同年5月17日には福岡地裁で判決がおり、執行猶予付きの有罪でその職員は懲戒免職になりました。
この間、松本市長は大勢の報道陣に取り囲まれ、厳しい顔で「公務員倫理を徹底する」などと偉そうに宣言しました。
しかしその裏では、市民の大切なキャンプ場と森林公園を、議員の口利きでタダで貸すという、とんでもない詐欺行為を市役所ぐるみで実行していたのです。
市の財産を私物化し、市民のために奉仕すべき職員を、法律や条例、規則の根拠なく自分の使用人のように働かせ、利害関係者の便宜を図りました。警察もマスコミも手玉に取る前代未聞の詐欺市長。これが松本嶺男という人の正体です。
(4)官製談合事件の裁判中に利害関係者と飲食
これにはおまけがあります。
2012年4月のある夜、福岡市のとある店では市の職員と利害関係者による宴会が行われました。参加者は農林水産部長、農林土木課長、担当職員と、建設産業常任委員会のボス議員、及びK社長の5人。
3月26日に林間施設をフォレストアドベンチャーのために無償貸付する契約がめでたく結ばれたそのお祝いに、関わった職員と議員、利害関係者らが打ち上げをしたのです。目撃者の話では議員と部長は真っ赤な顔でぐでんぐでんに酔っぱらっていたそうです。
この利害関係者との飲食は、上記の下水道課職員が官製談合事件で裁判にかけられている最中のことでした。これを議会で追及すると、市は「意見交換会だった」と開き直りました。
数年後、洞部長は月形市長のもとで総務部長に出世し、きららの湯や神在保育所の無償譲渡、農業公園ファームパーク伊都国の指定管理者選考等、数々の事業者選定に谷口俊弘副市長や馬場貢部長(現副市長)らと関わり、井上農林土木課長は建設都市部長に昇進し、不動産業者の小島忠義議員や自分自身の所有する土地を開発する前原東土地区画整理事業を担当しました。(後に詳述)
(5)市長を守る用心棒議会
この写真は、当時の議会(2010年1月~2014年1月)で松本市長を支えていた自民系議員のみなさん。視察先の東京で宴会をして盛り上がっている様子。
2012年の6月13日、一般質問で私はフォレストアドベンチャーへの無償貸付について質問。「市長がK氏に会ったのはいつか?」と聞くと農林水産部長は「2月29日が初めてでございます」と答弁。しかしこれは真っ赤な嘘で、本当は前年の12月16日でした。
私がK氏の告白が載った雑誌「フォーネット5月号」を見せ、「この雑誌のなかでK社長が市長に会って、来年7月からフォレストアドベンチャーをオープンしたいと言ったら、すぐに担当職員が動いてくれた、と書いてある」「公務員倫理で大切なのは、市民や議会にうそをつかないこと…去年会ったんですよね、市長?」とたたみかけると市長は、「そんな記憶はございません」と最後まで認めなかった。
しかし証拠の雑誌がある以上、嘘をつきとおせないと思ったのか、二日後の議会冒頭に「伊藤議員の質問に、記憶にございませんと答弁していたが、記録を再点検したところ、12月16日に会っていた」と市長、部長がそろって訂正した。
私は有田議長や議員たちに「議会で嘘をつくのは許せない。市長は社長と事前に会っているのに、なぜみんな黙っているのか?」と抗議しましたが、市長派議員らは「訂正したからもうよかろうが!」と暴言を吐いて市長を守りました。
市が議会で嘘をつこうが、虚偽の公文書を作成しようが、大勢の議員はそれをすべて見て見ぬふり。虚偽の議案を議決してこの無償貸付に賛成しました。糸島市議会は、不正を追及する議員を攻撃し、積極的に不正を隠ぺいする用心棒議会です。(つづく)
地方公務員法
第30条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
第32条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
第33条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
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上)ちよ便り15号、 ちよ便り19号
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5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
森林公園樋の口ハイランド~前代未聞の詐欺市役所
上)森林公園樋の口ハイランドの石碑の横に建つフォレストアドベンチャーの看板。安易な口利きがもたらした行政財産の違法貸付。
(1)国会議員から地元市議、市長へ
昨年末(2021年)12月28日、東京地検特捜部は、公明党の衆議院議員だった〇〇元財務副大臣ら4人を貸金業法違反の罪で在宅起訴しました。日本政策金融公庫の新型コロナ対策の特別融資を貸金業の登録を受けずに複数の企業に違法に仲介した「貸金業法違反容疑」です。
〇〇元議員といえば糸島にも関係があります。2012年3月26日、松本市長は、市の大切な林間施設(真名子木の香ランドキャンプ場と森林公園樋の口ハイランド)を営利企業に10年間も無償貸付する契約を結びました。この契約の始まりが遠山元議員にあったのです。(肩書は当時)
福岡市に居住していたK氏は、たまたま訪れた二丈の自然に恵まれたキャンプ場と森林公園に心を奪われ、このすばらしい施設を使って「フォレストアドベンチャー」を経営したいと考えました。
そこで〇〇議員に相談すると、糸島市議の笹栗澄夫議員を紹介してくれ、そのつてでK氏は松本市長と面会できることになりました。
(2)「俺にできないことはない」
2011年12月16日午後4時、松本市長は庁舎二階の市長室に来るようK氏を呼び出しました。
当日、K氏が「来年7月から市の公園でフォレストアドベンチャーを経営したい。できませんか?」と頼んだとき、本当は「法律的にできない。税金を使って市民のために建設された公園を、営利企業に独占的に貸すことは禁じられている」と言うべきでした。
しかし法令順守のカケラもないこの市長は、ムッとした表情で「俺にできないことはない」と答えたそうです。
国会議員の紹介でやってきたK氏に、自分の力を見せつけたかったのでしょうか。すぐに洞孝文農林水産部長を呼んで、どうにかしろと命じます。
そして本当に、この面会からわずか3か月後の2012年3月23日、林間施設(キャンプ場と森林公園)をK氏の会社に10年間、無償貸付する仮契約を締結したのです。
簡単に書くと、
①国会議員→②市会議員→③市長→④ヤラセの林間施設指定管理者選考会→⑤林間施設の「指定管理者決定書」捏造→⑥林間施設の「無償貸付議案」捏造→⑦市長とK氏が林間施設無償貸付の仮契約→⑧市議会で無償貸付の捏造議案を議決
2011年12月16日の面会から2012年の3月23日無償貸付の仮契約までわずか3か月。部下に違法な事務を命じ、ありとあらゆる不正をやってのけ、市民のために作られた施設をタダで10年も民間に貸しつけた市長。反社組織顔負けの不正のオンパレードでした。
(3)ヤラセの林間施設指定管理者選考会とは?
K氏の会社は議会直前の2012年2月22日に設立されたので、12年2月3日の指定管理者選考会のとき、会社は存在しなかった。にもかかわらず、「株式会社」と偽ってプロポーザル審査を行い、採点し、「合格」とした。K氏個人の運転免許証を身分証明書に使って応募させ、いかにも立派な選考会をしたかのように見せかけた。選考委員は市長が任命した谷口俊弘副市長、洞孝文農林水産部長、S課長ら5人。
(4)林間施設の指定管理者決定書捏造とは?
2012年2月6日、市長はK氏の会社を林間施設の「指定管理者」に決定する公文書に判を押した。しかしこのとき会社はまだ設立されていなかった。
(5)林間施設の無償貸付の議案捏造とは?
市長が2012年3月1日、3月議会に提案した議案は「林間施設の無償貸付」。しかしその根拠となった決定書は、「林間施設の指定管理者決定書」。つまり法的に根拠のない議案を提案した。
地方自治法では、法令に違反した事務は認められません。しかしこれに違反しても警察が動くわけではなく、行政のチェックは主に議会の仕事。議会が問題にしない以上、マスコミも書かなければ、警察も動かない。この市長はそれを良く知っていて、数えきれないほどの不正を部下にやらせました。市民が真実を知る以外に、腐敗まみれの悪政を断つことはできません。
(6)議案審査の合間に有力議員を接待
3月議会のさなか、2012年3月8日、利害関係者のK氏は建設産業常任委員会の有力議員を接待した。そのときの領収書のコピー。裏面にK氏の自筆で接待した議員の名前が書いてある。
3月6日に建設産業常任委員会で議案を可決。
委員長は、浦伊三次議員
賛成〜寺崎強、田原耕一、中村進、堀田勉、笹栗純夫
反対〜伊藤千代子
3月26日の議決結果
「林間施設を10年間無償貸付する議案」の採決結果 議長・有田継雄議員
反対3=共産(檜和田正子、古川忠正、伊藤千代子)
賛成19=自民系(吉村勝、浦伊三次、井上健作、寺崎強、谷口一成、三嶋俊蔵、田原耕一、堀田勉、松月よし子、波多江一正、小島忠義、中嶋正信、中村進)
公明(笹栗澄夫、黒田公二)、民主(徳安建成)無所属(吉丸克彦、三嶋栄幸、江頭晶子)
賛成討論=小島忠義、堀田勉、田原耕一
反対討論=檜和田正子、古川忠正、伊藤千代子
※議員定数は24名だったが、このうちの自民系1名(中村隆光元副議長)は前年に女性への暴行容疑で逮捕され辞職して23名になっていた。この人は松本市長の従弟で、自分の土地を地区計画第一号で開発した際には、市にさまざまな便宜を図ってもらい、そのおかげで多額の借金を返済することができた。
※私は2015年に離党し無所属に。
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5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状
2011年3月25日、糸島市観光協会は「森林公園樋の口ハイランドに行きましょう」と市民に呼びかけた。季節の花が咲き乱れ、無料で遊べた憩いの公園が、一年後にはフォレストアドベンチャーと言うレジャー業者に無償貸付されてしまった。
一日も早く停戦合意を!
ロシアはウクライナ攻撃をやめよ!まちを破壊するな!人を殺すな!
テレビに、ロシアのミサイル攻撃から逃げ惑うウクライナの人々が写っています。伝統と歴史ある美しいまちが爆撃を受け、アパートが、学校が、病院が、道路が、公園が、無残に破壊されています。
つい数日前まで、そこには人々の日常がありました。学校に通う子ども達、公園でくつろぐ高齢者。鳥が鳴き、犬が猫が寝そべるあたたかな光景が。
小さな女の子が「死にたくない」と目に涙を浮かべ、病院の地下室には、たくさんの赤ちゃんがお母さんと避難していました。
世界中が新型コロナと闘っているとき、核兵器が数万もある世界で、原発が建ち並んだ国々で、戦争をする愚かしさ、恐ろしさ。多数の犠牲者が出るまえに、一日も早く停戦合意を!
「徴兵は命かけても阻むべし母・祖母・おみな牢(ろう)に満つるとも」
この歌は、1978年9月18日付朝日新聞「朝日花壇」に掲載された石井百代さんの句。政府が有事立法の研究を指示した情勢のもとで詠まれた句です。(2006年6月10日付「しんぶん赤旗」より)
「戦争反対!」と抗議するロシア国内のデモでは、数千人が捕らえられたといいます。戦前の日本でも、戦争に反対して大勢の人々が逮捕、拷問され、殺された歴史があります。「わが子を、孫を戦争になどやるものか」。世界中の母親が、女性が、老いも若きも命がけで侵略戦争に反対しよう、その決意が伝わっています。
3月議会一般質問3月15日 平和都市宣言と原発も取り上げます
15日の一般質問は、今回20人中、5人が質問します。中尾議員(公明)、佐藤議員、畑中議員、伊藤、高橋議員の順です。
平和と民主主義ほど大切なものはないと、改めて思います。糸島市の平和都市宣言と核・原発問題についても質問します。
①子ども・障がい者・高齢者が使いやすいバス交通について、②潤南のアンダーパスについて、③平和都市宣言と核兵器、原発について
福祉関係は予算委員会で質疑します。きのう、若い女性の方から電話がありました。「非正規雇用なので、コロナで暮らしが大変です」と。市民の声を議会に反映させるために、3月議会も力をつくします。(いとう)