反対した人事案件について
写真は「糸島市議会だより6月号」より。6月1日付市の広報といっしょに配布される
今回、私が3月議会で反対した人事案件は2件。
一つは、月形市長が仲西まゆみ氏を人権擁護委員の候補者に推薦する諮問第1号。
反対理由は、議会最終日の反対討論で述べた通り。仲西氏は、平成26年、「社会福祉法人碧成会(へきせいかい)」の理事として、理事長の仲西徹登氏と市の面接を受けた。しかし、碧成会なる社会福祉法人は実在せず、架空法人であった。
二つ目は、瀬戸道孝氏を財産区管理委員に選任する議案第8号。
財産管理には法令の遵守が不可欠。しかし瀬戸氏は、市の部長職あった平成24年の事業者選定で、松本前市長が決裁した決定書に虚偽記載があったにもかかわらず、谷口俊弘副市長ともに押印した。
以下反対討論要旨
いとう「諮問第1号 人権擁護委員も候補者の推薦について反対討論をおこなう。
人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づいて、人権相談を受けたり、人権の考えを広めたりする活動をしている民間の方々である。…
人権擁護委員法第6条において、市長が地域の人格識見が高い候補者を、議会の意見を聞いた上で法務局へ推薦し、法務局において弁護士会及び人権擁護委員会連合会に意見を求め、検討した後に法務大臣が委嘱するとなっている。
よって法令を遵守できる人であらねばならないが、この候補者(仲西まゆみ氏)は、平成26年度に糸島市が行った公立保育所の移管先法人募集において、法人ではないにもかかわらず、社会福祉法人を名乗って応募した団体の関係者だった。
私が調査すると、この候補者が平成26年5月30日に実施された法人選定の面接において、法人ではないのに法人として面接を受けていたことがわかった。
それが分かっている以上、法令遵守の観点から、この議案に反対する。」
いとう「議案第8号、財産区管理委員の選任について、反対討論を行う。
この方(瀬戸道隆氏)の経歴を確認すると、平成24年4月1日、市の職員として環境部長の職にあったことがわかった。
平成24年4月1日、前市長=松本嶺男は糸島市クリーンセンターリサイクルプラザの運転管理業務委託契約について、決定書を作成した。これには、市長、副市長、部長の印鑑が押してあるが、3つの欠陥がある。
1点目は、契約相手方の名前は書いてあるが、契約上必要な所在地が書かれていない。
2点目は、選定理由に12年の運転実績があると書いているが、登記簿で確認すると、平成22年12月27日に設立されており、この時点では設立1年であることがわかった。
3点目に、契約金額が7946万2950円と巨額であるにもかかわらず、事業者選定を行わず、市長が(勝手に)事業者の決定を行っていたことである。
その後、現在に至るまで毎年、随意契約で高額な契約を結び続けているのは、特定業者の便宜を図っている状況と考える。したがって、この方が、部長職当時、瑕疵ある書類に印鑑を押した責任は今も継続している以上、法令遵守上、問題であると考え、本議案に反対する」
平成24年4月1日に決裁された決定書
※二議案とも私以外のオール与党の賛成で可決。
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無償譲渡の契約は解除し市が責任を持つべきだ
昨日の西日本新聞によると、糸島市は、市が2017年無償譲渡して民営化された後、昨年11月から休業している温泉施設「二丈温泉きららの湯」について、再譲渡する方針を明らかにした。
この件では、私が昨年12月議会で一般質問したのであるが、それが上の写真(市議会だより本年3月号)。
市は、譲渡先の日食システムと贈与契約を解除し、7月1日付で施設を返還するよう求めているという。
きららの湯は、旧二丈町が総事業費8億3千万円で建設したが、2017年に給食事業を行う日食システムに無償譲渡したのである。社長の松本氏は、月形市長や堀田議長と長年のお友達という関係にあった。
当時、無償譲渡に反対した議員は私だけになったが、大賛成した議員の方々は、今の事態をどう考えているのだろうか。
これまで市は、市民に役立っている施設を次々「民営化」してきた。それも利権がらみの無償譲渡や無償貸付で。その失敗による損害は計り知れない。
※6月議会の準備や裁判関連の用事で忙殺されていました。ちよ便り33号も近々発行します。ご支援よろしくお願いいたします。伊藤千代子
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