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心の支え

2018年10月24日
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「伊藤議員,Aですけど」
きのうの電話は、知的障害のある女性だった。

「新しい作業所に慣れてきました。みんないい人です。」彼女の声は弾んでいた。
「お昼になると、さあみなさん、お昼ごはんにしましょう、とやさしく声をかけてくれるし、わたしが乱暴な言葉を使ったら、いけませんよと、ていねいに言ってくれるし、…」
しばらく、嬉しそうな会話が続いた。
「それはよかったね。でも、前の所のみなさんも良くしてくれたのを忘れないでね」
「はい。またご報告します」

十数年、つとめた作業所をかわって、新しい作業所でも働いてみたいという彼女の相談を受けてから、いろいろと話をしてきた。新しいところでうまくいかなかったらどうしようかとも思ったが、本人の願いが一番だと考えた。
夏の暑い日、2人で見学に行った作業所で、スタッフや仲間の働く姿を見て彼女の心は決まった。

それからは、福祉関係のさまざまな方々のお世話になって、落ち着いた。

Aさんとはもう15年以上の付き合いになる。
「伊藤議員に助けてもらいながら、これからもがんばります」とよく言ってくれるが、そうじゃない。
助けてもらっているのは、私の方。

議会であの議員たちから辞職勧告をうけても、「あなたが必要です」といってくれる市民がいるかぎり、私はがんばれる。それが心の支え。


きのう、広聴委員会の後、買い物をしていると、高齢のご夫婦に「伊藤議員ですか?」と声をかけられた。

「はい、そうです」
「私は○○に住んでいる○○と言います。いつも、障がい者や学校のことを取り上げていただいて、ありがとうございます」

私は驚いた。
その地域は、私の議会報告「ちよ便り」を配っていない地域だったからだ。

「どうして私の質問をお知りになったのですか」
「以前、波多江校区に住んでいて、楽しみに読んでいました。
今は市の広報で見ています。がんばってください。ずっと家族で応援しています」

私は涙が出そうになった。
この方たちは、私が懲罰や辞職勧告を受けた時、選挙前に市の広報(の議会欄)にでかでかと載ったのに、どの新聞でもその報道がされたのに、
私を信じて応援してくださっていたのだ。

私は、巨大なゾウに立ち向かうアリのように小さな存在だが、踏まれても踏まれても議員活動を続けることができたのは、陰にひなたに応援してくれる市民のみなさんのおかげだと心から思った。

感謝してもしきれない。

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きのう、志摩の健康福祉センターふれあいで、「志摩の文化財や歴史は次世代につなぐ宝物」と題して、シンポジュームがあり、100人ほどの人が集った。

市が「財政難」と称してふれあい周辺施設のマネジメント案を発表、そのなかに、志摩歴史資料館を民間に売却、あるいは貸し付け、収蔵品は伊都国歴史博物館に移転させるという計画があったことを危惧して開かれた。

パネリストは、九大名誉教授の丸山雍成先生(歴史学)、井澤英二先生(工学)、大坪正美先生(土環境学)、福岡女学院大学講師の清原倫子先生(歴史学)、それに地元の方々。

とにかく、話が面白かった。
歴史学の立場から、志摩と伊都は全く文化が違うこと。古代の志摩で鉄と塩が生産され、大陸との交易で栄えていたこと、百済との交流、今にいたる歴史。
自然の豊かさと伝統文化を守る大切さ。
学校では「歴史資料館」を子どもの教育に役立て、住民の誇りとなっているなどなど。

「志摩の歴史資料館は、建物は魅力的で展示内容もすばらしく、非常にすぐれた施設」と口々に声があがっていた。
年間わずか750万円の維持費で、12,000人が来館する。
伊都国博物館の来館者は24,000人だから、立派なものである。

11月にまた、大きな集会を開くそうだ。
ぜひ参加を!と訴えてあった。


前原では、新駅建設、雷山の運動公園、体育館、中央ルート、庁舎建設…と大型公共事業がつぎつぎ…。
しかし、志摩や二丈は施設の統廃合…これでは、周辺部はまずますさびれてしまう。

住民の方から自宅周辺の画像が送られてきました。「あと数時間降り続いたら、床上浸水したかも…」と。
台風や集中豪雨の被害が増えている中で、水害に強いまちづくりが必要です。
潤の地域に、地下8メートルのアンダーパスは止めてほしいとの声が高まっています。

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情報公開講座

2018年07月31日
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市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事を迎えて、約30人で情報公開について学習しました。流行語大賞にもなった「官官接待」や、福岡県庁の59億円ものカラ出張、裏金問題を厳しく追及したお話は、実におもしろく興味深いものでした。
公文書管理法では、「公文書は民主主義を支える国民共有の知的資源であり、適正な管理と保存で現在及び将来の国民に説明する責任を全うする」と定められています。
糸島市政を府令順守のクリーンな市政にするために、ぜひ活かしていきましょう。

児嶋氏

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7月25日水曜日、午前11時から始まった「きららの湯をただでやるな!住民訴訟」の第5回口頭弁論において、私、伊藤千代子が、意見陳述をいたしました。
下のPDFファイルを開いてお読みください。

「きららの湯」をただでやるな!裁判の意見陳述書(2018年7月25日).pdf

1月28日に行われた糸島市議会議員選挙で、立候補者28人中、私は2473票で6位当選を果たすことができた。
地縁血縁、政党や団体の組織的支援が一切ない中で、多くの市民の皆さんにご支持を頂いたことは、大きな励みになった。

ところで、今回私は、選挙のための特別なチラシも作らず、後援会さえ作らない中で、宣伝カーを回して、1週間、辻々で演説し、政策を訴えるというシンプルな選挙運動を行った。
選挙費用も、30万ぐらいで済んだと思う。以前、候補者の中には、300万とか400万円を使ったとかいう話を聞いたことがある。
選挙の仕方が、旧態依然と変わらないことが問題ではなかろうか。

その一つが、宣伝カーで名前を連呼する選挙運動である。
これでは何一つ、その候補者が、市政に対してどの様な政策をもって立候補しているかがさっぱりわからない。
だから、さまざまな組織団体の支援を受けた候補者が有利になる状況がある。
これでは、何の組織も持たない無名の女性や障がい者、一般市民が選挙に出ようと思っても当選はなかなか難しい。

お金がかからず、多くの人が広く選挙に立候補できる環境を作ることが、とても大事ではないか。
たとえば、選挙期間中、候補者は学校や公民館などで立会演説会を行い、立候補の理由や福祉、教育、産業など、市の政策に対する考えを自分の言葉で市民に語る。もちろん市民からの質問も受ける工夫をする。
そうすれば、市民の側も具体的な政策で候補者を選ぶことができると思う。

とにかく、車の賃貸料やガソリン代、運転手の費用は税金で負担している。日本全国、名前を連呼する選挙運動でいいのだろうか。



11月1日、福岡地裁で開かれた「きららの湯をただでやるな!」の裁判を傍聴した。
糸島市住民315人が糸島市長を相手取って
訴訟をおこした2日目の裁判。
ひと言で言って、実に面白かった。
 
それは、原告の一人で税理士の方の意見陳述が、あまりに具体的で説得力があったから。
テレビのミステリードラマのごとく、市が市のすばらしい財産である温泉を無償譲渡すると決定した相手方企業が、どのような赤字を抱え、不安定な経営状態にあったかを、理路整然と述べ立てた。
それは、無償譲渡の正当さを根底から覆すものだ。
 
書類審査をせず、市の言い分だけで賛成する市議会と違って、ここは裁判所。これに市の顧問弁護士は、何と反論するのだろう
 
議会の同意を武器に、応募資格のない業者に、
簿価5億円の財産をタダでやってしまった市役所。
この前代未聞の裁判は、面白いだけでなく、
議会制民主主義を考えるうえで、歴史的意義がある。
傍聴しないともったいない。
 
この日は、担当部長、課長、係長と市の幹部職員等が傍聴に来ていた。市民は自腹で傍聴に来るが、職員は、市の人件費、税金で来ている。
 
彼らがやるべき本当の仕事は、糸島市民のために、全力を尽くすこと。
しかし、市が市民に訴えられるようなことをすると、
裁判費用だけでなく、事務費、人件費等、
ぼう大な税金が無駄に使われる。
市長はそれを自覚すべきと思う。

10月15日号の市広報によると、
公務員の良心を踏みにじり、部下の職員に虚偽公文書を作成させ、市役所ぐるみで不正な業者選定を繰り返していた松本前市長を、
月形市長は、11月3日、自治功労者として表彰するという。
 
それは、市が行ってきた数々の不正行為を反省せず、
これからも前市長をお手本に、虚偽や不正を続けることを社会に宣言するようなものである。
それは他の表彰を受ける立派な方々にたいして、あまりに失礼だ。
 
今回の神在保育所の無償譲渡も、きららの湯の無償譲渡も、前市長のときからの計画だった。
レールを敷いたのは、間違いなく前市長である。
 
存在しない会社や法人を、やらせで業者選定し、虚偽の決定書を作成して、利害関係者の便宜をはかるという「行政手法」を前市長から受け継いだ今の執行部が、
前市長を尊敬し、表彰したい気持ちはよくわかる。
 
しかし、
法令順守も公務員倫理も投げ捨て、
議会でウソをつき、市政を私物化してきた前市長を、私は許せない。
 
「議員や上司のパワハラに耐えられない」との言葉を残して、
職員が自殺しても、
調査ひとつせず
真実を隠ぺいした前市長を、私は許せない。
 
市と議会と利害関係者が手を組めば、何でもできる。
行政私物化の恐ろしい市役所を作り上げた人を、
表彰するなど、私には許せない。

こんなに立派な踏切を、市は廃止してしまいました。
新駅のホームが踏み切りにはみ出してしまうから、と言うのが理由ですが、あまりにお粗末な都市計画です。
1日に4,000人もの人が利用していた踏み切りをなくして、通行ができなくするのは、市民の財産の莫大な損失です。
議員の土地の開発と、土建業者の利権から始まった開発事業が、全国でも前代未聞の踏切廃止となりました。

風はあまりないが、雨が少し強くなってきた。
1人暮らしの高齢者の方々に電話をする。
「台風が近づいてますよ。大丈夫ですか?」
「ありがとうね。近所の人が庭の飛びそうなものを片付けてくれたよ。目が見えないのを知っとんしゃあからね」
「よかったですね。直撃はしないみたいだけど、用心してください」
 
数年前、水路があふれて玄関まで水が押し寄せてきた家にも、高齢の女性が一人で住んでいる。
「今はまだ大丈夫よ。伊藤さんの実家(鹿児島)の方に上陸しそうやねえ」
「はい、そうなんです。また、水路があふれそうなときは、電話してください。どのうを積みにいきますから」
 
去年、電動車いすで健康福祉センターあごらに避難中、突風で橋から雷山川に落ちかけた方がいる。
「無理をしちゃいけませんよ。危ないですからねえ」
「市役所は、家の二階の方が安全というが、二階の上り下りもできん。二階はトイレもないから、家にはおられんとよ。近くのマンションに行けと言われてもなあ」
「ほんとうですね。避難所が少ないですから。いざというときは早めに迎えに行きます。一人で出ないでくださいね」
 
12日の一般質問で、甚大な被害を受けた朝倉市の雨量を聞いた。
市の説明では、24時間で1000ミリ降ったという。
1年間の平均雨量は約1700ミリだから、1日で半分以上が降ったのか。
傍聴席から「ほう…」というため息のような声が聞こえた。
 
傍聴室には、雷山川の近くの住民の方々が応援に来てくださっていた。
氾濫の心配がある川の近くに、市が50億円かけて地下34メートル、地下8メートルものアンダーパスを建設しようとしているからだ。
それも、住宅街を突き抜けて。人の家の前に。
去年のバキュームカー問題以上に住民には迷惑な開発だ。
 
異常気象で、風水害が頻発している。
しかもこの周辺は、浸水予想が2メートル以下となっている。
ここの道路は、いまのままの市道で、平面での道路整備をするべきだ。
それが住民の切実な願いである。


 
先週、ビラ配布の途中、
認知症の妻を介護している男性に会った。
「介護施設への支払いが先月12万8千円だった。
それに介護保険料が月5700円、
後期高齢者医療保険料は月3240円。
いつまで払い続けられるか…」
 
長年、苦労をかけてきたから、最後まで人間らしく介護したいと思うが、特別養護老人ホームは何十人も待機者が待っている状況。老老介護では倒れてしまうと、今の有料老人施設に入れてもらったが、料金が高くて頭が痛いと。
70代後半の方。働いている子どもが近くにいるので、
私はまだ恵まれていますという。
 
「ばってん、市は、タダできららの湯を業者にやったり、50億円の運動公園とか、60億円で市役所を建て替えるとか、言いよりましょうが、高齢者の現実を知っておるんでしょうか?」
いろいろ話した。
毎月のビラを読んでくださっているのが、うれしかった。
 
60代後半で、同じく妻を介護している男性にも会った。
「今日は、デイサービスでおらんけん、ゆっくりしたいばってん、洗濯、掃除、用事がいっぱいあると。ああ、政治家が悪すぎる。私利私欲。安倍さん(総理)、あの人はもうダメばい」
 
多くの人が、先週の国会中継を見ており、
自分の生活に照らし合わせて、政治のひどさを語った。
市民の方々と話すと、いろいろなことを教えられ、励まされる。

市民の大切な財産である保育所の無償譲渡をめぐって、松本嶺男前市長は、登記されていない架空法人を議案の契約相手方にしていました。
今回、月形祐二市長は、
行政財産に登記した実体のない法人を契約相手方にして、
高額な財産処分の議案を提出していました。
これが、谷口副市長が答弁した
「行政手法のひとつ」なのでしょうか。
そうならば、市の公務員倫理は、マヒしている、
腐っていると言わねばなりません。
今回の神在保育所の移管先募集には、糸島市のきちんとした社会福祉法人や、障がい者のための事業を長年続けてきた法人の代表など、地元で実績を積んだ法人が応募していたのに、
糸島の人ではないまったく応募資格のない個人に移管先を決定したのは、なぜなのか?
そもそも、なぜ応募を認めたのか?
えこひいきした理由は、なんでしょうか?
「資格のない人の応募を認める」という不公平な事務が蔓延(まんえん)していることは、業者選定の公平性を歪める、きわめてゆゆしき問題です。

保育所は、健全な乳幼児を育て、働く親の支えとなり、地域の元気の源(みなもと)にもなる施設です。ところが…
昨年9月、「約5千万円の価値がある神在保育所を、福岡市東区の人に無償譲渡する(タダでやる)」と聞いて驚きました。
そこで、その人の履歴書を情報公開で市に求めたら、すべて黒塗りで、名前と性別しかわかりません。
「これでは賛成できない」と、今年の3月議会で、反対しましたが、議案は反対2(伊藤と議員)、賛成18で可決し、4月1日、市長はW氏と「無償譲渡」の契約を結びました。
その後、調査すると、2016年7月5日付の永年保存の神在保育所移管先「決定書」に、重大な虚偽がありました。
「いとしま子どもの会(仮称)設立準備会」は、未登記の任意団体で法人ではないのに、市は「法人」と偽って、記載していたのです。
市長、副市長、部長、課長が押印しており、
市役所ぐるみで虚偽を行った疑いがあります。
この点は9月議会で質問します。

 今年1月、月形市長は、
建設費8億3000万円、
簿価5億円の市の施設、ラドン温泉「きららの湯」を、
会社をつくってわずか2年の
レストランを営む会社に贈与しました。
5月24日「民間への無償譲渡は違法だ」と
市民300人以上が、
糸島市を提訴しました。
市始まって以来の大きな訴訟に、
当日は新聞、テレビも駆けつけ、
大きく報道されました。
 
加計学園問題よりひどい!
  応募資格がない業者にタダで・・・
市役所は、
応募資格のない住民の申請を、受理しません。
市民サービスは、公平性が必要だからです。
しかし、資格がなくても申請を受理したケースが、これまでもありました。「きららの湯」と、「神在保育所」もそうです。
「きららの湯」をタダでもらった会社Nは、応募に必要な3年分の決算書や財産目録を出しておらず、失格にすべきでしたが、市長が申請を受理させていました。しかも、会社が出した1年分の決算書は、赤字でした。
特別扱いをして、
行政を歪めた市長、副市長の責任は重大です。
 
 
 
 
 
 

きょう、九大の箱崎キャンパス国際ホールで、日本科学者会議福岡支部の「原発シンポジューム」があった。自然エネルギーの潜在力と脱原発、地熱エネルギー利用の現状と将来の展望について、風力エネルギーの有効利用と将来展望について、どれも非常に面白く役立つ内容だった。糸島のみなさんに知らせたい。危険な原発なくても、大丈夫だよと。雇用も生み出す社会へ、変えていけるんだと。きのう、一昨日と、法律相談、生活相談に来られた方々のお話を聞いていると、市民の暮らしが、いっそう追い詰められているのを感じる。苦労して払った税金が、市民のくらしに役立つように、とこれも、さらに声を大にして言っていかなければ。9月議会報告、糸島の風がようやくできました。(29日、土曜日のこと)


11月13日(日)場所~福岡市舞鶴公園主催 さよなら原発!福岡1万人集会実行委員会呼びかけ人~青柳行信(原発止めよう!九電本店前広場)石村善治(福岡大学名誉教授)うのさえこ(ハイロアクション福島)大村綾子(福岡YWCA)甘蔗珠恵子(「まだまにあうのなら」作者)ほか。10時 開場。お祭り広場、ステージ、各種出店13時 さよなら原発・大集会14時 デモ・パレード15時 天神・九電前大宣伝東京では6万人が参加しました。あなたもお友達や家族と参加しませんか?


朝、少し肌寒い中、車に8人、乗り合わせて春日市のクローバープラザで開かれた第53回福岡県母親大会へ記念講演は、元沖縄県宜野湾市長の 伊波洋一(いは・よういち)さん。「普天間基地から日本と憲法を考える」声も美しかったけれど、内容がまた、大変すばらしかった。米軍基地に脅かされて暮らす町の様子が、どんなにひどいか、よくわかった。脱原発をめざす講座は、九工大の岡本良治先生。道すがら、たんぼ脇にはヒガンバナが満開。(写真がなくてすみません・・・)


二丈吉井の赤米の里を友人と訪ねる。台風の影響か、小雨の降るなか、赤米入りの流しうどんを食べる。おいしい!あたりは、静かな山里。白壁の昔ながらの古民家が点在する。赤米、黒米の田んぼの向こうに、海が見える。なんという絶景。美しい川のせせらぎ。糸島には、こんなにキレイな農村があります。


アメリカ映画「フードインク」で観た、かわいそうな牛やニワトリの姿が忘れられない。ぶたさんを飼うとき、ぶたの食事するところと、寝るところを分けて、外に自由に出ていけるように飼うと、230万円の環境支払制度があるというスイス。デンマークでも家畜福祉の考え方がしっかりある。「家畜も生きている間は、幸せに。虐待はだめ」ってこと。いっぽう、家畜を金もうけの道具、モノのようにしか考えていないアメリカの巨大食肉産業。JA糸島本店で催されたシンポジウム「食糧・農業・環境 糸島地域フォーラム」「TPPとわたしたちのくらし」へ、今日出かける。満員の会場で、講師陣の話もよかった。日本の農業がいかに自然や環境をまもっているか。TPPで日本の農業は壊滅し、雇用、金融、医療、あらゆる分野で貧困が広がる。村田武教授が、「TPPで日本は裸にされる」とおっしゃったが、今すでに下着一枚にされている。田舎の80歳の父は、いまも山の手入れに行っているが、輸入木材のおかげで、長年育てた立派な杉を売れないでいる。お金にならなくても、山の水源や土砂崩れを心配して、手入れに行く。デンマークの農家に行ったとき、30頭ほどの牛を飼って、3ヘクタールほどの畑を耕し、3人の男の子とゆっくり暮らしている若夫婦のくらしに、感銘をうけた。エネルギーも食料も自給する社会をめざそう。


夕方まで、決算委員会。夕方ご飯を家でたべてから、核兵器廃絶と原発なくそうの集会へ。長崎の原水爆禁止世界大会へ行った方たちの報告。今年は8千人も参加していたそうです。平和行進に参加したみなさんの報告。去年は、どしゃぶりの雨の中、歩きましたね。今年はお天気でよかった。福島の原発事故のため、避難生活をおくる方たちや、長年、原発をなくす運動にがんばってきた現地の方たちのたたかいには、胸を打たれました。日常の、家族とのささやかな生活のありがたさを思います。


昨日、久しぶりに夫と出かけて、市民劇場の例会で前進座の「穴まどい」を観た。江戸時代、仇討で34年も別れ別れだった夫婦のはなし気のめいるような話なのに、涙と笑いのあふれた舞台で、終わって帰るグループのあちこちから満足した笑顔と、役者の演技のうまさに感嘆する声が聴かれた。そういえば先日、87歳で、まだ自営業の事務をしているわたしの尊敬している女性が、夫の健康状態は決してよくないけれど、「夫がいてくれるのは、とてもいいですよ」と語ってくれた。微笑んだ上品な顔が、実にチャーミングだった。


1歳と3歳の子供を連れて、若いご夫婦が相談に来られた。3万なにがしかの水道料金を滞納して、1週間水道を止められ、困っているという。熱中症になるほどの暑い毎日。食事もままならず、お風呂に入れられない子供のお尻がかぶれて…と。サラ金から借りて払おうとも思ったが、それではさらに借金から抜け出せなくなると、連絡してきた。おむつをした子供にとって、1週間もお風呂に入れない生活は、虐待に近い。驚いて話を聞いた。半年前、夫が失業。個人営業だったため、雇用保険もなく、即生活に困った。仕事を探しながら、妻のバイトと夫の登録派遣で食いつないでいるが、水道料金支払いの約束を守らなかったとして、給水を停止されたのだ。経営が大変な民間の保育園でさえ、事情を聞いて保育料の支払いを待ってくれているのに、どうして市が水道料金の支払いを待てないのだろう。5日の議会で「水道料金値上げ」となる条例の質疑をした。その中で、「水は商品であり、支払ってもらわねば困る」という立場を市は明言した。今度の議会には、税金、公共料金を払うのは、市民の義務だと宣言する「税金、公共料金の完納都市宣言」が出されている。税金を集めるのには一生懸命だが、その使い道、中央ルートのようなばく大な税金の無駄遣いには、いっさい目をつぶっている。それが納得いかない。議会では多くの議員が、「税金、公共料金の徴収率を上げよ」と発言する。しかし、毎月、決まった日に必ず給料の入る公務員と違って、景気が悪ければ給料が下げられ、解雇、失業の不安にさいなまれるのが、一般市民の生活だ。多くの若い夫婦が低賃金で働き、子育てしている。年金暮らしの親世代も、なかなか援助できない。事情によっては、市長は給水停止を解除できるという弱者救済の制度があるのに、それが使われず、子供のいる家庭でも、水道を止めているのだ。水道担当の職員や水道の徴収を民間委託で受けている会社の社員が悪いのではない。特定業者にはメチャメチャ甘いのに、弱者にはわずかな税金も出し惜しむ市のトップの「強いもにには弱く、弱いものには強い」という体質が、諸悪の根源と思う。ようやく水が出るようにしてもらうまで、3時間かかった。その間、あちこち引っ張りまわされた子供たちもしんどかったろう。9月議会には、国際会議ができるようなホテルを誘致する条例がでている。5年間、2500万円の固定資産税をまけるから、大型ホテルさんきてくださいというのだ。9月議会には、「部落差別をはじめとする人権侵害をなくそうという、人権都市宣言も出されている。5日の議会で、市の一番の人権侵害は「部落差別」だと言い張った市。貧困によって、憲法に保障された「必要最低限の生活」ができない人権侵害こそ、いま市が力を入れて対応すべきではないのか。


アメリカで育つ牛や豚。輸入食品の「恐ろしさ」を描いたドキュメント映画「フードインク」の案内で、きのうの夕方畜産農家をたずねた。牛にえさをやっていた女性やわらをトラックで運んでいた男性と話す。原発事故の放射能汚染で苦しむ福島の農家や牛の話になる。子供のころ、家で飼う黒牛の大きなやさしい目が大好きだった。父と畑から帰ってくるのを待って、えさをやりに行った。子牛をよぶ母さん牛のあたたかい声が、今も耳の奥に残っている。自然と環境をまもりつつ、農業で食べていける町に!TPPのことを知ってもらうため、市民が企画した8月28日の映画会は、伊都文化会館大ホールで午後2時から。


美しい手

2011年08月26日

きのう、久しぶりに手話教室をのぞいてみた。楽しそうな笑い声。二人の聴覚障害者と通訳の女性ひとりが先生。手話で話す人は、表情がゆたかで笑顔がすばらしい。「名もなく貧しく美しく」の映画のように、うつくしい手。東日本大震災で、親しかった通訳を亡くした方の話をテレビで聞いた。耳が聞こえなかったその人は、目も見えなくなったが、それでも、触手話で通訳を通じて、社会とつながってこられたのだが・・・手話ができる人がもっともっと増えてほしい。普通の生活ができるように、通訳を市に複数、配置することも願い。昼から、議会に一般質問や請願の書類を出しに行く。9月1日から、定例議会が始まる。


きのう、久しぶりに家族で映画を観にいった。映画「お菓子放浪記、エクレール」戦中戦後の孤児の少年を描いた心打たれる映画だった。子どもって、ほんとにすばらしい。こどもといえば、20代のころ、炎天下の運動場で学童保育所の子どもたちと、ドッジボールや野球をして遊ぶ仕事をしていた。つねに楽しい遊び、面白い遊びを追い求めて、元気あふれる子たちだった。疲れを知らぬエネルギッシュな目。真っ白いTシャツから伸びた真っ黒に日焼けした腕。汗びっしょりの額。よくしゃべる口。汚い小川でも、ザリガニを探しに平気でジャブジャブかきわけ、日のかんかんと照る中、蝉とりに網をもって走っていく姿が、昨日のことのようによみがえる。30年もたって、みんな元気にしているだろうか。幸せであってほしい。


今日は、議会にKBCテレビが取材に来て、私が質問した「原発の安全神話はくずれた」「危険だ」という認識はあるか、の質問のところを写した。「安全神話くずれると答弁」というようなテロップをつけて。一問目の質問はこれです。1、原発の「安全神話」と福島原発事故の被害と教訓について。① 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、レベル7の最悪の原発災害となり、いまだ収束していません。着のみ着のまま古里を追われ、避難を強いられた人は、8万8千人。山や海が、家や学校病院が、会社や工場が、田んぼや畑が、家畜ペットが、花や虫が、あらゆる自然と人の暮らしが汚染され、広大な地域が立ち入り禁止です。放射能はわずかな量でも人体の奥深く入り込み、DNAを破壊し、子どもや孫、未来の世代に深刻な健康被害、環境破壊をもたらします。糸島市は、玄海原発から20キロ圏内に約300人、30キロ圏内には1万6千人、40キロ圏内に10万圏内に住み、牛4500頭、豚2万頭、鶏が40万羽います。2000もの地場産業があります。先日、市民の方から、「九電の関連会社につとめている息子が福島へ行かされました。被ばくが心配です」と電話がありました。一日も早く終息してほしいと願っています。私は女性として、命をはぐくむ母親として、放射能の影響を最もうけやすい子どもたちの未来を守るため、市長におたずねします。市長は福島の事故を受けて、原発は安全だという「安全神話」はくずれた、「原発は危険だ」という認識をもっておられるか、うかがいます。                  市長答弁は、2、3日後に配信されるインターネットをごらんあれ。   人は、自然がなくては生きられない。どんなに経済が発展しても。市民の健康や子どものいのちを犠牲にするリスクを内包した豊かさが、本当の豊かさでしょうか?


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