6月13日一般質問④ 窓がふさがれ排煙設備が不足
いとう~消防本部が建築基準法違反でいいのか?
消防長~再度確認し適切に対応する
赤丸の中。完全にふさがれ機能していない排煙設備
消防本部庁舎北側の壁。火災のとき煙を排出する排煙設備の窓がふさがれている。5月6日撮影。
ふさがれた窓の内側は通信指令室
いとう~消防の庁舎は築22年になりますが、大規模改修工事を行ったことがありますか。
井手消防長~屋根の防水工事や自家発電設備等の改修工事は実施しておりますが、大規模な改修工事は実施しておりません。
いとう~大規模改造について具体的な計画がありますか。
井手消防長~防災拠点としての機能を維持確保するため、令和11年度に大規模改修を実施する予定としております。
いとう~消防は、24時間休みなく闘う施設です。職員は職場で朝夕の食事をし、夜は仮眠もします。緊急事態に備え、職員が安全に勤務できる職場環境が必要です。
令和3年10月に実施された職場改善アンケートを見ると、雨漏りとかサビで庁舎の劣化がひどいという声があります。老朽化の実情を把握していますか。
井手消防長~エレベーター等の設備につきましては、定期点検を業務委託しております。そのほか、公共施設点検マニュアルに基づき、消防職員による定期的な点検を実施し、適正に管理していると認識しております。
いとう~アンケートには、例えばエアコンが直らんとか、トイレ、洗面所、仮眠室の雨漏りとか。これらは大規模改修を待つまでもなく、予算をつけて早く修理した方がいいと考えますが、いかがですか。
井出消防長~大きな額を伴う修繕につきましては、計画的に予算計上して対応しております。突発的な修繕に対しても対応できるよう、経常的に修繕費予算を確保しております。
いとう~今回、消防本部に行って、通信指令室の北側の窓がパネルでふさがれているのを見つけました。OBに聞くと、ずっと前から雨漏りがするから窓をふさいでいると聞きました。消防長、事実ですか。
消防本部~窓は雨漏りがありましたので、防水加工を施して実施しておるところでございます。
いとう~いくら市の財政が苦しいからといって、窓を壁にするのは、施設管理者として不適切です。OBによると6、7年前からあの状態と聞きました。きちんと予算を計上して修理すべきじゃないですか。
消防本部~通信指令システムはすべて電子機器で、水に漏れると大変な故障につながりますので、外から板が張っているかもしれませんが、防水対策については万全を期しております。
いとう~しかし、みなさん消防のプロでしょう? あの窓は煙を排出し、職員の避難に必要な排煙の機能を持っている排煙窓です。消防庁舎が火事になった時、建物に煙が充満して職員が逃げ遅れないために必要な「排煙設備」なのですよ。
それをふさぐのは、施設管理者としてあまりに不適切。だからこの場で言っているのです。雨漏りするとかしないとかという以上の問題だと思いませんか。
井手消防長~はい、先程申しましたように、雨漏り等については万全を期しておりますが、再度確認をして適切に処理をしていきたいと思います。
必要な排煙設備は2.06㎡以上だが1.75㎡しかない
いとう~庁舎の見取り図を見ると、通信指令室の面積は102.78㎡です。建築基準法126条で定められた排煙設備は、その50分の1。2.06㎡以上必要です。
しかし、消防庁舎の設計図を見て確認すると、実際の排煙設備は、1.75㎡しかない。ベランダの上の三連窓しか機能していないからです。
赤枠の中。機能しているのはベランダの上の三連窓だけ
①両脇の小さな窓がふたつ
横0.85m×縦0.56m×2=0.952
②真ん中の大きな窓がひとつ
横1.43m×縦0.56=0.8008
① +②=1.7528㎡
いとう~つまり、建築基準法が必要としている排煙設備2.06㎡を満たしていません。もし消防本部が火事になったら、職員の命が守れない状態にあるんです。財政難だからと大規模改修まであのままにしておいちゃいけません。直ちに改修すべきです。
井手消防長~適切に対応してまいります。
いとう~建築基準法違反は、国土交通省の事務です。市長の責任できちんとやってください。
法令担当者の責任は重大(6月21日議会後の議員全員協議会)
いとう~藤田総務部長がおいでなので、申し上げます。
先日の一般質問で、私は消防本部の庁舎が建築基準法違反だと言いました。排煙設備の窓をふさいでいるからです。法令担当の総務部長の責任は重いですよ。どうするのですか?
堀田議長~それはこの案件に関係ないと思いますが。
いとう~消防本部が建築基準法違反とは大変なことでしょう。スルーできませんよ。
総務部長~消防本部の管理につきましては、消防長の責任です。その件は、至急、解決をはかるよう、市長から指示されています。
堀田議長~いいですか?伊藤議員。
いとう~きちんと対応してください。(隠ぺいはダメ)
違法行為がまん延の市と議会
糸島市では、契約相手方法人が設立されていない議案を議決したり、事業者選定ではじめから契約者が決まっており、それが議員や有力者の関係者だったり、法令順守、コンプライアンスはデタラメです。虚偽公文書は、無数に作成されています。
6月21日、昨日は6月議会最終日でした。夕方から部長職と議員との意見交換会(飲み会)が、飲食店で開かれましたが、私は出席しませんでした。
違法行為がまん延しているのに、それを黙認して執行部と酒を飲むなど絶対にできません。
市長は、有力者に市の財産を無償譲渡し、不要不急の大型公共事業をつぎつぎ推進しながら、インフラ整備などの必要な予算を徹底的に削減しています。それが諸悪の根源です。
それにしても、あれほど高いところにある窓をどうやってふさいだのでしょう?
いつ誰の命令で? (つづく)
消防関連ブログ~今回の質問から
6月議会一般質問その3
《119番通報は助けを求める声》
いとう~夜間の1人勤務で10万市民の命は守れない
副市長~問題はないと認識
「火事です!」「早く救急車を!…」24時間休みなく10万市民からの助けを求める119番通報を受信し、的確な指令を発信するのが消防本部の通信指令室です。
糸島消防本部では何十年もの間、通信員は3名体制で、たとえ1人が休憩や仮眠をしても、常時指令台につく通信員は必ず2名以上でした(上の写真のように)。
ところが市は、平成31年度(令和元年度)に通信員を削減し、3名から2名体制に減らし、常時指令台につく通信員を基本1名以上としました。そのため、2人のうち1人が休憩する時間や仮眠する夜間は、たった一人での勤務になっています。
ひとり勤務は「消防力の整備指針」に反するのではないか?
いとう~119番通報の聴取を行って、いつ起きるかわからない災害から住民を守っているのが、通信指令業務です。ところが職員機構図を調べると、平成31年度に現場の職員を減らしました。その理由をうかがいます。
井手消防長~通信指令の体制につきましては、無線のデジタル化に伴うデータ送信の効率化及び業務の見直し等により減員が可能と判断したものでございます。
いとう~通信員の日誌を情報公開で取り寄せました。夜間の午前1時から午前5時まで、2人のうち1人が仮眠するため、たった一人で119番通報を受けています。
消防力の整備指針第31条には、「通信指令管制業務に従事する職員の数は2人以上」となっていますが、この状態は国の指針に反するのではないでしょうか。
消防本部~消防力の整備指針は、あくまでも人員等の整備目標を定めたもので、本市の実情に即しました。適切な対応をとっております。
いとう~国の統計では、10万人以上の市町村で1人勤務をさせているという自治体はないと思います。デジタル化をしてシステムがよくなっても、対応するのは人間です。
119番通報が2本同時にかかってきたらどうするのか?
いとう~1人勤務をしているとき、2本同時に(助けを求める119番の)電話が鳴ったらどのように対応しているんですか。
消防本部~もう1名の通信員を指令内からの信号によって解放させまして、対応しております。
いとう~隣の部屋で仮眠している人に、ほら電話がもう1本鳴ってるよと起こして、電話に出させるのが、2本同時に電話があったときの対応ということです。1分1秒を争うのに。
通信員が、急な腹痛でトイレに行きたくなるとか、そういうこともあり得ます。そんな時には仮眠室で寝ている人を起こしてトイレに行くのですか。
消防本部~その通りでございます。
万一通信員が倒れたら119番通報がストップする いいのか?
いとう~10万市民の夜の命の安全をたった1人に任せている状態は、信じられません。
子どもは病院とかが休みの時に限って具合が悪くなったり、熱を出したりします。
119番通報がすぐ繋がって、対応してくれるのは本当にありがたい。もしそれが繋がらなかったら恐怖です。
1人勤務の通信員が突然心筋梗塞等で倒れてしまったら、隣の仮眠室の人を呼ぶことはできません。119番通報がその間、ストップしてしまう。そういう想定をしたことはないのですか。
井手消防長~隔日勤務者の消防隊等も複数名おりますので、臨機応変に対応をしております。
いとう~でも、部屋の中には1人しかいないのですよ。
人員削減を決定したのは?
いとう~通信員を削減した決定書は、平成31年3月6日できており、市長決裁です。つまり月形市長が、印鑑を押しています。
市長は、夜中1人で通信員が勤務をしている実態をご存知でしたか。
月形市長~先程消防長も答弁したとおり、デジタル化等も含めて消防の方で判断をされてこういったシフトになるということで、存じております。
通信員は13時間半ぶっ続けの勤務を強いられているのか?
いとう~通信記録を見ると、土曜日とか日曜日、二人で勤務となっていますが、朝の8時半から夜の10時まで13時間半ぶっ続けの勤務になっています。
職員が昼休みをとった記録がないんです。お昼ご飯のときも(別の119番)電話がかかってきたときのために、通信指令室の中で待機させているのですか。
消防本部~基本的に指令台に常時ついている人間は1名で、もう1名は交代で休みをとっております。
いとう~全国の消防本部は、常時指令台につく通信員は2名以上です。10万人以上の人口だったら。どうしてそんなに人件費をケチるのかと思います。
全国で通信指令室におけるさまざまな事故の事例があります。聴覚障害者からのFAXの受信を見損なったとか、仮眠をしていた職員が2度寝をした(その間、だれも電話に出れなかった)とか、システムが良くなっても、ヒューマンエラーを回避することはできません。
いとう~2名以上が指令台につく体制に戻すべきだ
副市長~現在の通信体制については問題はない
いとう~OBの人たちも、無理だと言っています。(常時2名以上が通信指令台につく)元の体制に戻すべきだと、市長は考えませんか。
井手消防長~先ほど答弁させていただきましたとおり、通信の体制につきましては万全を期していると考えております。
馬場副市長~私が市長より指示を受け、消防本部と協議させていただいてきました。通信の現体制については問題はないという認識を持っております。
防災力の向上につきましては、10名増員をし、特別救助隊の設置、5台目の救急車の導入に充てるという形で、消防力防災力を強化していきたいと考えおるところでございます。
いとう~私が言っているのは、特別救助隊も大事だけれども、その前に消防の要(カナメ)となる通信員を減らしちゃいけないって言ってるんですよ。(つづく)
「2名以上の通信体制にもどせ!」の声を広げよう!
「火事です!早く来て!」
「海水浴場で人がおぼれました!」
「心臓発作で倒れて息をしていません!」
「交通事故でけが人がでています!」
「増水した川に子どもが流されました!」…
救命活動は、1分1秒を争います。119番通報を受ける通信員のひとり勤務は、上記のような問題があり、助かる命も助からない危険があります。
市民のみなさん。不要不急の大型公共事業、有力者への財産の無償譲渡による財政難のツケが、必要な職員削減や市民の命軽視につながっています。
「通信員を減らすな。もとの2名体制にもどせ」の声を広げてください。あなたとあなたの愛する人を守るために。
消防関連ブログ
6月議会一般質問その2
多発する災害 消防の役割が増す社会
梅雨どきの雷山川。こずは橋から。潤南のアンダーパス予定地の近く。
5年連続で大雨特別警報が発表された福岡県
いとう~昨今の洪水被害の特徴をうかがいます。
危機管理課長~線状降水帯による短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨が頻発する傾向にあります。
福岡県では、平成29年以降、5年連続で大雨特別警報が気象庁から発表されておりまして、県南部を中心に土砂災害や洪水被害が発生しております。
いとう~このような状況下で地下8メートルのアンダーパスは危険だというふうに考えます。土砂災害については、危険箇所の家屋はどれぐらいありますか。
危機管理課長~糸島市内の土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域内の人口世帯数につきまして、令は4年3月末、現在で3305世帯7875人がいらっしゃいます。
馬場副市長~先程、伊藤議員の発言において、中央ルートのアンダーパスの危険性の発言がございましたが、雨時の安全対策につきましては、設計段階から県と十分な協議を行い、排水対策及び通行制限等万全の方策を講ずる計画で進めておるところでございます。
万が一冠水するおそれがある場合でも、近隣住民の方や利用者の安全性を第1に侵入防止ゲートや冠水情報板などにより通行を遮断するようにいたしております。
いとう~想定外の雨が降るのが今の状況じゃないかと私は言ってるんですよ。世界的な異常気象と災害の増加。このことが一番大事じゃないでしょうか。
出動は年間約5千件にも~救急車の到着タイムは8.4分
いとう~世界的な異常気象と災害の増加で、消防の業務量が非常に増え、仕事は多岐にわたっています。昨年度、消防が出動した原因と件数はどうなっていますか。
消防本部~令和3年中の統計件数で、火災件数火災出動件数は35件、救急出動は4202件。救助出動は46件。警戒出動は108件となっております。
いとう~119番で救急要請を受けてから現場に到着するまでの所要時間は、令和2年の全国平均では、8.9分ですが、糸島消防本部ではどうなっていますか。
消防本部~令和3年中では約8.4分でございます。
いとう~全国で一番早い京都は、6分台です。脳梗塞などは、6分が命の分かれめと言われているようです。何人に一人が救急車で搬送された計算になりますか。
消防本部~令和3年中の統計では、住民の約26人に1人が搬送されたこととなります。
いとう~脳梗塞などは、1分1秒を争います。市民の方が救急車のおかげで命を取り留めて退院できたと非常に喜んでおられました。市民の喜ぶ声が消防の皆さんの日々の活動のエネルギー、力になると考えます。
火災予防の指導について~291件の消防法令違反を指導
いとう~火災から市民の生命と財産を守ることは消防の重要な使命です。昨年度の火災の件数と被害額を伺います。
消防本部~令和3年中の火災件数は35件。被害額は8,849万9000円でございます。
いとう~市の防火対象物の総数は幾つですか。また、昨年度の査察の実績を伺います。
消防本部~消防用設備を設置された防火対象物数は1945棟ございます。また、令和3年度の査察件数は422件で、このうち291件の対象物において消防法令違反が確認されております。
対象物の関係者に対しまして査察結果、通知書を交付し送付し、改善指導を行っております。
いとう~どのような法令違反があったかをお尋ねします。
消防本部~防火管理者の未選任、避難訓練の未実施。商用消防用設備等の点検未実施及び消防用設備等の設置維持管理の不適がございます。
いとう~それに従わなかった場合はどうなるんですか。
消防本部~消防用設備の中で、スプリンクラー設備自動火災、報知設備、屋内消火栓、設備について設置しない場合については公表の対象となります。
いとう~集合住宅とか、あるいは例えばいろんな飲食店、たくさんの人が集まるようなところは、指導を的確にやっていただきたいと思います。(つづく)
問題はここからです
糸島市が、不要不急の大型公共事業を推進するなかで、市の財政はきわめてきびしい状況にあります。そのため消防においても、必要な人員の削減、施設のメンテナンス費用不足で、市民と消防職員の命が守れない状況になっています。
6月議会一般質問その1
消防団員の報酬、令和5年度から個人へ振り込み
西日本新聞4月29日付朝刊
1,消防団員の処遇改善について
いとう~まず、消防団の処遇の改善について伺います。
月形市長は、施政方針演説で、ワンランク上の安心づくりということで、防災力の強化を第1に挙げられました。本心からおっしゃっているのか、確認させてください。
月形市長~方針演説でございます。
いとう~今年の1月、私は「議会ニュースちよ便り」の中で「多面的機能支払交付金の事業で、その日当が参加者に支払われていない」ということを書きました。
すると、ビラを見た消防団員の方々から、自分たちも報酬をもらったことがないというお電話とかメールをいただきました。
火事で出動したときの費用弁償をもらったこともない。ガソリン代も手出しですというような声も聞きました。
これは事実かどうかを伺います。
消防本部~御指摘の事案につきましては承知いたしておりません。
なお、団員の報酬等につきましては、団員からの委任に基づき、分団長口座に振り込みをさせていただいております。
その後については確認いたしておりません。
いとう~分団にお金を振り込んだけれども、そこからここの団員にお金が入っていないという実情は知らないということですか。
消防本部~先ほど答弁いたしましたとおり、承知いたしておりません。
いとう~現在、消防団員の総数及び報酬額、また費用弁償はいくらですか。
消防本部~令和4年4月1日現在の消防団員数は985人でございます。
報酬及び費用弁償の額につきましては、令和3年度の支出額は報酬が5,574万5250円、費用弁償が1,877万1900円でございます。
いとう~この振り込んだお金が実際は分団止まりで、そこから各消防団員に入っていないと。それについては分団の方にあずけます、任せますというような委任状を書いているから、個々の団員にはお金が行かないようになっているということじゃないんですか。
消防長~その通りでございます。
いとう~それについて、昨年4月、国からの通知が全国の消防本部に送られました。改善をしなさいと。
ことしの4月29日の西日本新聞によると、「消防団の処遇の改善は道半ば」であるということがここに書かれています。
やはりこれじゃいけないんだと、ことしの4月からたくさんの自治体が、個々の消防団員に振り込みでお金を支払うようになっています。糸島市はまだですが、どうなさいますか。
消防長~現在国の通知に基づいて、令和5年度からの個人支払いに向けて消防団と協議を行っているところでございます。
いとう~つぎに、一回の出動で団員に支払われる費用弁償は2,100円です。
私たちからすれば、非常に低額だというふうに考えるんですけれども、昨年国が消防団員の出動報酬の基準として示した金額は8,000円です。
例えばこの前、私火事に遭った方に聞いたんですけれど、夜中もずっとまだ火事が発生しないか、何時間も夜中の2時3時までそこに立って見ていてくれたという話をしてありました。
国の基準に合わせて、振り込みと同時に改正をする方針があるかどうか伺います。
消防長~費用弁償とは別に出動報酬につきましても、令和5年度からの実施に向けて消防団等と協議を行っております。
これについては、現役の消防団員やOBの方々から、メールや電話で「ぜひ取り上げてほしい」との声がありました。
一般質問は年4回しかないのに、いろいろ準備が大変なので、少々疲れました。残りは次回。
ただ、今期は他の議員からのヤジ・暴言がまったくないので、とてもやりやすくなりました。
傍聴に来てくださったみなさん。拍手で激励していただいたみなさん。ありがとうございました。
より良いまちづくりへ、ごいっしょに力をあわせましょう。
(6月17日、ビデオに基づき作成)
15)架空法人「碧晟会」
(1)虚偽公文書1~実在しない「社会福祉法人碧晟会」
上は、2014年(平成26年)2月19日、仲西消防本部次長が月形市長に提出した「長糸保育所移管先法人申込書」です。以下のように書いてありますが…。
平成26年2月19日
糸島市長 月形祐二様
(申請者)法人名 社会福祉法人碧晟会
理事長(代表者)名 仲西徹登
糸島市立長糸保育所移管申込書
しかし、理事長(代表)の仲西氏は、申請した平成26年2月19日は糸島消防本部次長で、月形市長の部下でした。社会福祉法人碧晟会 (へきせいかい)なる法人は、実在しない架空の法人だったのです。
(2)虚偽公文書2~役員は教育長経験者ら
上は、「社会福祉法人碧晟会」の「法人の概要」です。理事長以外、全員の名前が黒塗りですが、いったい架空法人の役員予定者名簿に名前を連ねたのは、どんな人たちだったのか?調べた結果、全員の名前、経歴がわかりました。今回は代表者以外、アルファベットで表示します。
理事長 仲西徹登 消防本部次長
施設長 仲西徹登 消防本部次長
主任 N 前教育委員
理事 T 前教育委員長
理事 I 長糸区長会長
理事 F 元市職員
理事 N 市委託業者職員
理事 N 元市職員
監事 N 前教育長
監事 T 会社社長
公務員関係者がぞろぞろです。松本市政の時の幹部や元職員が、架空法人の役員予定者として名前を連ねていました。
(3)虚偽公文書3~「私どもは社会福祉法人」とアピール
上は、社会福祉法人碧晟会が申込書に添付した資料「保育所運営についての考え方」です。そのなかに、「申請理由」について書いてあります。赤線を引いてある部分を見てください。
「私どもは、地域住民が主体となって運営する社会福祉法人であり、」
と書いてあります。法人でもないのに「法人」と平気で書いています。その続きが下にあります。
黒塗りしてありますが、こう書いてあるのです。
「また、園長は糸島消防本部に勤務した経歴があり、…」
経歴があるのではなく、いまそこに勤務している現職の職員です。よって、これも噓っぱちです。
(4)虚偽公文書4~個人の預金通帳が法人の財務調書
上は、仲西氏個人の銀行の預金残高証明書です。
「社会福祉法人碧晟会」は実在しない架空法人なので、法人の財務調書を出せません。そのため、市は個人の預金通帳を提出させて、法人の財務調書の代わりにしたのです。
以上で個人を法人に見せるための小道具(虚偽公文書)は、ほぼそろいました。
次に、市長が任命した委員による「保育所移管先法人選定委員会」が開催され、法人選定と審査、点数をつける採点がおこなわれました。(つづく)
資料1 地方自治法第二条
⑯ 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。
⑰ 前項の規定に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効とする。
資料2 公正証書原本不実記載等罪
公務員に対し、虚偽の申し立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(刑法157条1項)。
資料3 2014年2月14日 松本市政から月形市政へ
関連ブログ
5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状