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不況のどん底で開かれた予算委員会。

失業、倒産、貧困。障害者やお年寄り、多くの市民が求めているのは、弱者に温かい政治。

来年度の300億円をこえる税金の使い道は、慎重に審議されるべきもの。

それが、市民に選ばれた議員の責任。


しかし、発言は少なくヤジは多く。二丈や志摩の住民がこの実態を知ったら、きっと前原との合併には、賛成しなかっただろう。


今回、もっともひどかったのは、予算委員会の委員長をつとめた議員が、議長席から発言中の議員に罵声を浴びせ、途中で質疑を打ち切る暴挙をくりかえしたこと。

質疑打ち切りに抗議すると

「はよ、手をあげんけんたい」

「あんたの質疑は長すぎる」(ひとつの質疑20分以内を守っているのに)

「(10年先は)あんたもおらんめーもん」とヤジを飛ばし、あからさまに市長の肩をもつ。

何しろ、彼は市長のいとこだし、市の都市計画で市街化調整区域にある農地が開発できるようになれば、多大な経済的メリットを受けるという利害関係者。

市の開発行政を批判する議員を、目のカタキにしたい気持ちは分かるが、これではまともな予算審議などできない。


傍聴した人が電話してきた。

「議長席の予算委員長が、一番私語が多い。前代未聞です。あまりの馴れ合い議会に、あきれました」と。


税金の使い道や行政のチェックをするのが、議会の仕事ではないの?


きょう市議会で、松本市長の一般会計予算に反対したのは、日本共産党の二人と無所属のひとりの三人だけだった。


でも町に出れば、違う。

畑の前で、野菜をくれた農家の奥さんも

「都会から息子が首切りにあって帰ってきたの。かわいそうでならないわ。必要もない大きな道なんかつくっている場合じゃないよ」といった。


同感。

来年度、財政難のなか、中央ルートに県と市で5億円も使う予定。東風小学校の前のわずか600メートルの道を、17億円かけて整備する。国道から北側の中央ルート工事。実質公債費比率は、県下最悪ワースト1位の借金財政なのに。

かつて一億円以上あった生活道路の維持補修費や下排水路の工事費は、どんどん減らされ、地元の小さな土木業者の仕事は減り続けている。


あしたは、中央ルートの宣伝行動日。8時から半まで。市役所前で。


九大学研都市構想の名のもと、巨大開発が目白押しの前原。


この一年間、議会で、市長と仲のよい特定業者や与党の市議会議員の土地が、開発予定地に入っていることを問題にしてきた。

そして、こんどの3月議会では、委員長を務める有力議員の農地が、市の政策のおかげで開発可能となることがわかった。

「農業がうまくいかない情勢の中、多くの農家は、農業振興地域の農地を売ることもできず、石にしがみついて農業を続けている。病気になっても、借金があっても、農地が売れない。それなのに、市長のいとこの市会議員の農地を、民間業者に売却できるようにするなど、絶対に許せない」という市民の声も紹介して、4日の議会で質疑し、問題にした。市長は、「関係ない。市民に理解していただく」などと小さな声で答えたが・・・

売れなかった農地が、開発可能になると、このあたりの公示価格は5万円ちょっとだから、3500平米かけるの5万円として、・・・1億円はこえる。


市の都市計画は、打ち出の小槌のようだ。3月10日の一般質問で、私がこれらの問題を追及していると、利害関係者の議員や与党の議員のみなさまが、後ろから口々にヤジを飛ばして、質問の邪魔をする。

「静かにしなさい。こんな議会をもって、市民は不幸だ」

と言わずにおれなかった。


傍聴席では、多くの市民がこの様子にあきれ、怒っていたと聞いた。

8月に、多くの開発予定地が、農業振興地域から除外される予定だ。

複数の議員らの土地が、そこに含まれている。「九大移転は、ビジネスチャンス!」と繰り返す市長。

その言葉の中には、学術研究都市という文化と芸術の薫り高いまちのイメージはなく、ひたすらカネ儲けに九大移転を利用したい一部の人々の願いだけが、透けて見える。


おもしろいことに、今度の議会に、職員倫理条例が提案されている。

そのなかに、「職員は、全体の奉仕者であって、一部の市民のためのものではない」こと、「市民に疑惑と不信をもたれるような」利害関係者との関係はつつしむよう、うたってある。議員が利害関係者なんだから、困ったものだ。24日の最終本会議は、とても大切な議会。


みなさん、傍聴においでください。