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「市役所に行けない」~市民相談から

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先日、高齢の女性から「住民票が必要だが、市役所に行けないで困っている」と電話があった。
足が不自由なことと、体力がなく待合室の椅子にじっと座っていることができないため、思い余って電話をくださったのだ。
委任状をもって私が代わりに市役所へ住民票を取りに行くことになった。
「すみませんねえ」
「いいんですよ。委任状に住所と名前を書いていただけますか」
「はい、うまく書けるかしら…」

高齢者の中には、手がふるえたりして自分の住所、氏名を書くことさえ大変な労力を要する方がいらっしゃる。この日も、
「あら、間違えた。どうしよう…」
「大丈夫。いっぱいコピーしてきましたから」
顔を見合わせて笑った。
無事に用事を済ませて、ちょっと世間話をして帰った。
一時期市役所の窓口は「給付金」申請で混雑していたが、すでに落ち着いていたので助かった。

その夜、来年90歳になる父とちょっと電話で話した。
以前と比べ少し声に力がなくなったような気がしたが、今も元気に植木の剪定や農作業をしていると母に聞いてほっとした。
役所からのさまざまな通知や連絡が、読んでも理解しにくい、小さな字は読みづらい、申請書を書くのが苦痛…高齢者や障害のある方々が、よく私におっしゃること。
事務をもっとわかりやすく簡素化していくことが必要だと思う。
今回のコロナ対策の給付金も、申請漏れがないよう、十分なサポートが不可欠。

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市民のみなさんへ
5月末はいつも6月議会の準備をしているのですが、今年は新型コロナ感染症のために一般質問が中止になりました。
「一般質問で取り上げてほしい」と要望がいくつか寄せられていますが、こういう訳で今回、取り上げられません。ごめんなさい。
大事な内容もあります。決して無駄には致しませんので、時間をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
補正予算と議案関連の質疑はありますので、またご報告いたします。

④消防の指導が任意とは?~伊都の杜の消防水利

2020年3月議会
一般質問に出席したのは月形祐二市長 甘利昌也副市長 岸原昌広消防長ほか部課長。

○伊藤千代子~1995年、阪神・淡路大震災で火災により消失した戸数と犠牲者数は?
○消防本部~焼損棟数は7574棟、死傷者数は5万226人と把握している。
○伊藤千代子~…警固断層南東部の地震が発生したら、福岡市に次いで糸島市が地震火災の被害が大きいというデータがあるがご存じか。
○消防本部~データは存じている。

○伊藤千代子~阪神・淡路大震災で出動した消防隊員が「地震で建物の下敷きになった人が大勢いた。火の手が上がっているのに水道管が壊れ、断水して水が確保できず消火活動ができなかった」と無念さをつづっている。配水管、防火水槽の耐震化の進捗状況は?
○消防本部~既存の防火水槽の耐震化状況は把握していない。現在、工事を行っているものは耐震性を有している。
○上下水道部~東日本大震災を受けて、平成24年度から基幹管路は、段階的に耐震管を導入し、平成30年度末時点で管路総延長635.3キロ中、19.9キロの水道管を耐震化した。

○伊藤千代子~伊都の杜の現在の状況はどうなっているか。
○建設都市部~令和2年2月末の行政区の数値によると、世帯数は438世帯、人口は1,426人。マンション、商業施設の状況は、令和2年2月末では、戸数349戸、マンション等集合住宅15棟、店舗・事務所等が6棟である。

○伊藤千代子~(開発予定戸数1000戸の)伊都の杜に防火水槽が1つもない。消防水利の基準第4条第3項に、「消防水利は消火栓のみに偏することのないように考慮しなければならない」とある。伊都の杜に防火水槽は絶対に必要ではないか。
○消防本部~現在、消火栓が9基設置されているが、高層マンション等の建築状況を鑑み、防火水槽の設置が必要であると考え、令和2年度に整備計画をしている。

○伊藤千代子~防火水槽を何基、幾らで整備するのか。
○消防本部~令和2年度2基、総事業費は1,483万円を考えている。
○伊藤千代子~20ヘクタールにマンションが4棟、スーパーもある。伊都の杜は防火水槽が最低10基程度必要ではないか。
○消防本部国の消防水利の基準はあくまでも指針。2基で十分と判断している。

○伊藤千代子~今火事が起きて、運悪く断水をしていたら、十分な消化活動ができない。伊都の杜に住宅が建ち始めた平成26年から今まで防火水槽が1つもない状態だった。消防本部は事業者に防火水槽を造るよう警告をしたのか。
○消防本部平成24年に土地区画整理組合と消防水利について協議した。消防本部としては、開発面積も広く、地震等により消火栓が使用できない可能性もあることから、消火栓及び防火水槽両方の設置を指導していたが、結果的に消火栓のみの設置となっている。

○伊藤千代子~市は平成24年から伊都の杜の宅地開発に16億円の補助金を交付した。都市計画課は、組合に補助金で防火水槽をきちっとつくれと指導しなかったのか。
○建設都市部適切に管理者と協議を行うよう指導をした。
○伊藤千代子~しかし防火水槽ができていない。

○伊藤千代子~結果的にだれが得をしたか? 社協への補助金が減るなど、どんなに糸島市は財政に苦しんでいることか。月形市長はこのことを御存じだったか。(市長~答弁なし)
○副市長(甘利昌也)当時の基準で消火栓という選択肢がその区域内の面積を十分にカバーする状況で,何ら問題はない。
○消防本部開発指導は行政手続法に基づいた行政指導であり、任意の協力を求めるもの。従わなかったからといって不利益処分をすることはできない


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左)補助金の流れ。右)消防法に基づく糸島消防署の開発指導要綱。3000㎡以上の住宅開発は原則防火水槽。伊都の杜は計画戸数1000戸、開発面積20万㎡(20ヘクタール)だった。

③伊都の杜の消防水利
~なぜ事業者は防火水槽のないまちをつくったのか?


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糸島市の消火栓。道路下の配水管に取り付けてある。火災のときここから水を取って消火活動をするが、地震等で配水管が壊れ断水すると使えず、消火活動ができなくなる。設置費用50万円。伊都の杜に9個ある。防火水槽は高価で1基700万円。

防火水槽の設置費用はすでに補助金で出した
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      ちよ便り21号より

市が事業者である前原東土地区画整理組合に出した16億円は、伊都の杜に必要な公共施設、たとえば道路や上下水道、公園、防火水槽、ごみ収集所などを整備するために補助したものです。
伊都の杜の宅地開発が終わってしまってから、「防火水槽を設置せんかったけど、やっぱり危ないなあ。危険だからまたお金を出しておくれ!」とは言えないのです。
同じ土地に税金で二重投資することになってしまいます。

地方自治法第2条15=地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を図らなければならい。
地方自治法第2条16=地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。市町村は都道府県の条例に違反してはならない。
同条17=前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。

ではどうすればいいのか?
とにかく、今危険な状態にある伊都の杜に早急に2基の防火水槽を設置する。それには上記の理由から国のお金を使えないので、防火水槽2基分の1500万円は市が負担し、後で前原東土地区画整理組合と清水建設に請求すべきでしょう。

糸島市消防本部の開発指導要綱をごらんください
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火災は住民の命と財産にじん大な被害を与えるので、1500㎡以上の開発面積があるとき、消防本部警防課が事業者に消防水利を指導します。
3000㎡で防火水槽が必要と書いてあります。いくら耐震化された水道管の消火栓であっても、20万㎡=20ヘクタールの伊都の杜に防火水槽がゼロでは「消防水利の基準」に反します。
さて、市は議会でどのような答弁をしたのでしょうか?


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    2017年4月、糸島消防本部にて
同年3月、糸島消防署で発覚したパワハラ事件について調査に行ったときの写真。IFR=糸島ファイヤーレスキューを意味する頭文字が鮮やか。隊員は日々市民の安全のためにきびしい訓練に従事している。

57億7千万円の入札に1社しか応募せず
落札率は99.99%

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ちよ便り21号。コロナ禍の中、巨額の入札があった。

  雷山運動公園の業者選定の結果
(今年3月31日)
落札価格    52億4506万6241円(税抜き)
予定価格    52億4552万円     (税抜き)  
税込み予定価格 57億7002万円


やはりそうかと思わずにいられない結果。
松本前市長のときに計画され、月形市長が引き継いだ。
市民がコロナ禍で大変な状況のときに、これほど巨額の事業を高値落札の1社入札とは…。

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これは昨年10月4日の糸島新聞に載った写真から。ある財団法人の団長に松本嶺男前市長が就任したというニュース。副団長には地場大手の総合建設会社へいせいの社長。

前市長は、現職のときから特定業者との癒着がはなはだしい人だった。政治倫理条例に罰則がないことをいいことに、業者や議員と平気で飲食した。
部下に不正を命じ、立派にやり遂げると昇進させ、天下り先も用意した。
自分の役に立つ職員は、ワイセツ行為も隠ぺいしてやった。
議会で職員に虚偽答弁をさせ、自らも平気で嘘をついた。
「嘘とヤラセの天才」と言うにふさわしい詐欺的手法で、数々の違法行為をやってのけた。
市の財産を私物化し、お友達に不正な手法で山分けした。これらは氷山の一角。
市民を裏切る虚偽公文書の数々。議会がまともなら、とっくに逮捕されていた人間だと私はずっと思ってきた。

市長権力を使ってどのように一部の人間の私腹を肥やす手伝いをしてきたのか。
どのように卑劣な嘘をついて、議会や市民をだましてきたのか。
以前に書いたニュースもご紹介しながら、法令順守の大切さを訴えたい。
業者選定を信用できない公共事業に、どうして賛成できようか?
新型コロナウイルス感染症の影響で、食べ物にも困る市民が増えている。そのことを忘れてはならない。

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前原商店街の一角

8日臨時議会で新型コロナ対策の緊急予算が可決
質疑したのは伊藤千代子、柳明夫、松月よし子の3議員。
特別定額給付金給付事業は、新型コロナウイルス感染症による自粛で打撃を受けている国民に国が一人10万円を給付する事業。
糸島市では5月18日から申請書の発送をはじめる。支給開始は26日頃から。
私は、DV被害者への対応に配慮するとともに、認知症や知的障がい者の方などの情報弱者の市民にたいしても、申請漏れがないよう個別の声かけ等の対応を要望した。

商工業者へは市が一律10万円支給
商工業者への協力金事業は事業費は3億円。およそ3000業者にコロナ感染症対策の協力金として10万円。
市から多額の事業を受けるなどコロナに影響を受けていない業者もあるが、今回は一律で支給。
商工業者の申請期間は5月11日から7月15日
申請書の提出先は、商工会。感染防止のため、提出は原則郵送で。
農業者へは、売り上げの減った花き生産者に10万円給付し、事業費1787万円。
売り上げが減ったカキ養殖漁業者、1本釣り漁業者にそれぞれ10万円で、事業費900万円。
病院には20万円、薬局には10万円。
保育所や福祉関係の事業所への支援金もそれぞれ10万円。

教材備品購入費 1校あたり6万円
遠隔学習機能強化としての予算は、学校からのメッセージ動画や勉強に役立つ短い動画を作成してホームページで公開する。1校あたり6万円で22校合わせて132万円。
家にインターネットの環境がない子どもは3割。休校が長引くと教育格差が広がる懸念がある。
文部省の調査によると、オンライン授業を実施できる自治体は全国で5%しかない。
教育への支援はあまりに少ない。学校現場も非正規の先生が増えている。安心して丁寧に子どもたちに対応できる教職員の充実こそ必要ではないか。

生活困窮者への支援について
コロナで家計が急変した世帯を救済するとして、就学援助費を小学校・中学校それぞれ700万円と600万円増額。
生活困窮者自立支援事業費3368万2千円。コロナの影響で仕事を失い、家賃を払うお金がないという不安の声が聞かれる。
住宅家賃支援のこの制度は、昨年度まで「制度はあっても利用者ゼロ」だった。相談者は何十人もあるのに認定のハードルが高くて実際には使われていなかった。
今回コロナで相談者が急増し、利用者を150件と見込み、予算を組んである。ぜひ活用してほしい。

主なものを書いたが、これらは全会一致で可決。
今後、非正規雇用者やシングルマザー、高齢者、障がい者世帯への福祉的支援が必要になると提案した。
水道料金の減免、奨学金の返済猶予、市営住宅の家賃減免など様々取り組んでいる自治体もある。
虐待防止を担う職員、生活苦の電話相談に対応する職員も必要だ。
感染を心配しながら働く医療従事者、介護士、保育士、学童保育所指導員などの待遇改善が早急に求められる。非正規雇用も含めて。

しかし臨時議会の後・・・
臨時議会の後、議員全員協議会が開かれ、新庁舎建設の説明があった。事業費およそ65億円。
市議会のフロアは5階部分になるようだ。
私が「コロナの前と後では社会も経済も全く変わってしまうだろう。市民は税金の支払いに苦しむ。それを含めた財源の根拠を示せるのか」と聞くと、コロナ前の計画をそのまま説明していることがわかった。
今後、老朽化した学校の改修にも200億円ほどかかる。道路や水道管、施設のメンテナンス費用も大きい。
国はコロナ不況で多額の赤字国債を発行した。東日本大震災の復興もまだ終わっていない。国の補助金を当てにして運動公園、市庁舎、アンダーパスと巨額の事業をどれもこれも推進したら、福祉や教育施策は追いやられてしまうだろう。

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これは国の給付金の案内。国、県の給付金もきちんと市民に渡るように配慮が必要。
制度はきちんと使われてこそ意義がある