森林公園樋の口ハイランド~不正に奪われた公園とキャンプ場
コロナ禍でも、子ども達にのびのびと走り回って遊んでほしいと思ったとき、森林公園樋の口ハイランドを思い出します。
上の写真は、森の中に建つ木造の施設。子ども達が自由に遊べる小屋です。無料で冒険ごっこができるなんて、素敵でしょう。遠足やピクニックとかで行ったら最高に楽しい。とにかく広い公園なのです。下がその案内図です。
樋の口ハイランドは2億7千万円で県がつくった施設。面積が約20万平方メートルもある広大な森林公園です。そこにはサクラ、ツツジ、シャクナゲなど1万6千本の木々が植えられ、季節の花々が楽しめ、特にシャクナゲ園は有名でした。
森の中を小川が流れ、夏には水辺で子ども達が遊び、森林浴の楽しめる遊歩道は3キロもありました。草スキー場では、子どもが歓声をあげて滑り降りて遊んでいました。標高600メートルくらいの展望台からの眺めは絶景でした。ここにはパラグライダーの基地もありました。
しかし2012年3月に市が営利企業に無償貸付して以降、フォレストアドベンチャーが営利目的で独占しているので、市民は使えません。この立派な案内版も、無償貸付後に撤去され、今はありません。糸島市では、市長や議員のお友達に市の施設をタダでやる、タダで貸すのが流行っているのです。
2019年に私が現地調査に行くと、フォレストアドベンチャーが営業に使っているところ以外は、荒れ果てていました。多くの人々は、「ここはひとり3千いくらのお金を出してフォレストアドベンチャーで遊ぶところ」と思っています。しかし本当は、福岡県民のために県が2億7千万円でつくった無料の公園です。
上は、木の香ランドキャンプ場の写真です。静かなたたずまいのとても素晴らしいキャンプ場です。手造りのトイレやログハウスはとても魅力的ですね。2012年3月26日、松本市長(当時)が木の香ランドキャンプ場と森林公園樋の口ハイランドのふたつの林間施設を詐欺的手法でK氏の会社に無償貸付したことは、前回書きました。
無償貸付した財産は、なんと公園面積約32ヘクタールと建物14棟 でした。
(このキャンプ場だけは、4か月後に取り戻すことができた。)
2012年6月 フォレストアドベンチャーのアスレチック完成
上は、森林公園樋の口ハイランドのシャクナゲ庭園を踏みにじって作られたフォレストアドベンチャーのアスレチック。県がつくり、旧二丈町が管理してきた庭園が踏みにじられて、営利企業のレジャー施設に改造されています。(写真の撮影は2019年)
およそ4千万円のこのアスレチックは、所有権が民間会社にあるので、市の公園内に建築された「違法工作物」です。
税金7千万円を使って客寄せのアクセス道路を整備
それに加えて松本嶺男市長は、「フォレストアドベンチャーオープン」に向けて、アクセス道路を整備してやれと、2012年5月8日に臨時議会を開いて、7070万円の予算を議会に提案しました。
山の中でお客を呼ぶには、道路整備が必要です。なにしろ、山を切り崩して建設した広域基幹林道は、大雨が降るとすぐがけ崩れが起きたりして通れなくなります。ちょうどこの時もそんな状況でした。
きちんと事務をすれば、災害復旧工事には国の補助金がたくさん出るのに、会社のオープンに間に合わせようと、全額市の税金で急いで工事をしてやりました。松本市長にとって、税金はポケットマネーだったのです。
部下の職員が別件の官製談合で有罪判決がくだったばかりのときに、とんでもない市長です。
議会にチェック機能がないと、市はやりたい放題。まさにその見本です。
そしてこれは、氷山の一角です。
市はホームページや広報いとしまで、「7月にフォレストアドベンチャーがオープン」と、あたかも市の事業であるかのように大宣伝しました。
本来、貸してはいけない公園を、営利企業にタダで貸してしまったために、その会社の営業をずっとずっと市の税金と職員を使って助けていくという、恐るべきムダづかいが、2012年3月に始まったのです。(つづく)