「泊一環境保全組合に不正はない。存在しない「不正」を言い立てる伊藤千代子議員」と宣伝したが…その2
2018年1月29日、糸島市議会議員選挙の投票日。共産党候補2人の当選に駆けつけた泊一環境保全組合のN会長(左から2人目)。その右に柳議員。その右に後藤候補(SNSから。肩書きは当時)。・・・ それからおよそ4年後。
2021年12月21日、市議選の約1ヶ月前、共産党市議団は「泊一環境保全組合に不正はない。農業地域の困難に背を向け、存在しない「不正」を言い立てる伊藤千代子議員の中傷にこたえる」というビラを作成し配布した。
これについて私が党の前議員2人を名誉毀損で訴えた裁判の証人尋問が、4月19日、福岡地方裁判所で開かれた。証人は、N氏と柳前議員、それに私の3人である。詳細な記述は反訳書(証言を文字起こしした文書)ができてからにするが、大事な質問はメモにもとづき書いておく。
1 N氏に対して
・証人は共産党から衆議院選挙に立候補したことがあるか?
・党活動を通じて柳前議員とは親しかったか?
・九州農政局に内部告発した住民に「行政にチクったのはお前か?」と怒鳴ったり、「電話に出ろ」「500万円返せ」などのメールを送ったりしたか?
・なぜ組合の構成員である告発者が要求しても組合の通帳を見せないのか?
・証人はいつ柳議員に相談したのか?九州農政局の検査前か、それとも検査後か?
・2021年2月17日、(組合の不正を告発した)告発者の代理人と公民館で面会しているが、面会する場を設定したのは柳議員か?
・90代の人がやってもいない作業の日当領収書を書かされ、詐欺に加担したと後悔している。どう思うか?
・組合が日当を支払ったとする◯◯さんは、住民票によるとその時すでに亡くなっていた。故人の領収書が作成されたことは問題ではないのか?
・組合の総会を開いていたというのは本当か?
・泊一の自治会総会後に多面の組合総会を開いたというが、入り作農家に委任状を出したのか?(組合の半数近くは他地区に住む「入り作農家」である)
・「行政区長が泊一環境保全組合の会長を兼ねる」と主張する根拠は何か?
・環境美化活動は本交付金とは関係ないボランティア活動ではないのか?
・伊藤議員の一般質問をやめさせる目的で2021年10月17日に泊一行政区自治会の臨時総会を開いたが、それに柳議員を呼んだのは証人か?
・「領収書に偽造がある」と訴える告発者らの声を聞くよう、柳議員にすすめたか?
2 柳明夫前議員に対して
・N氏とは親しかったか?あなたの支援者ではないのか?
・いつN氏の相談に乗ったのか?その相談内容は何か?
・なぜ「偽造がある、不正がある」という告発者の話は聞かず、このビラを作成したのか?
・どんな調査をして不正はないと判断したのか?
・日当を積み立てると組合で決議したというが、決議文を確認したか?
・組合は総会を開かず、自治会総会の報告事項のひとつになっていた。証人は自治会総会の会議録を読んでいないのか?
・住民16人から話を聴いたと書面にあるが、N氏の推薦する人の話だけを聴いたのか?
・故人の領収書があるのは問題ではないか?
・他人が勝手に領収書を作成するのは問題ではないのか?
・2021年2月、告発者の弁護士はN氏にパワハラに抗議する連絡文書を送った。知っているか?
・それを誰から聴いたか?N氏か?
・N氏を告発者の弁護士に紹介したのは証人か?(『お咎めなし裁判』の原因になった)
・伊藤議員の一般質問をやめさせる目的で開かれた2021年10月の泊一自治会臨時総会で、共産党の神谷自治体部長宛の内部文書が配られた。これは証人がN氏に配布を許可したものか?
・2022年1月の市議選投票日の前日、泊で演説し選挙の応援決定にお礼を述べているが、応援の決定をしたのはだれか? などなど。
3 伊藤千代子に対して
・なぜ党前議員を提訴したのか?
・なぜ泊一環境保全組合のことをこれほど取り上げるのか?
・選挙前にこのビラが配られてどんな影響があったか?
・市を追及するというが、組織の追及ではないのか?など
4 N氏が日当未払いを認める
泊一環境保全組合は、多面的機能支払交付金を2007年から毎年約250万円受給してきたが、総会を開かず、行政区長が多面の会長を兼ねると言って人事案や予算決算、事業計画を議決せず、農業者に出方作業の日当を払っていなかった。
組織の構成員には、泊一の農業者23人と福岡市などに住む農業者(入り作)が20人いるが、今回の証人尋問で、N氏は2019年度まで入り作に出方の日当を支払っていなかったことを認めた。
2023年9月議会で、私が「出方の日当をもらっていないと言う人たちがいる。出方の領収書は全員分あるのか?」と質問すると、市は「(出方の)領収書は組合から出ている。未払いがあるとは考えていない」と答弁した。
しかし、当事者の元会長は入り作に「払っていない」ことを認めた。市の答弁は事実と異なっていたのである。
下はN氏が告発者に送ったメール。月形市長は自分が任命した区長のパワハラを放置し、共産党は黙認した。
5 共産党は誤りを認め告発者に謝罪を
昔ながらの古い地域で「おかしい」と声を上げるのは難しい。勇気を振り絞って告発した人たちにパワハラを振るったり、村八分にしたり、訴えの声を封殺するようなことがあってはならない。
日本共産党は平和と民主主義、人権、正義と真実を大切にしてきた政党である。どの政党よりも利権や人間関係に引きずられないクリーンな政党のはずだ。
しかし、糸島市において4年もの間、告発者の声をまったく聞かず、N氏のパワハラを黙認し、市に同調して「不正はない」と主張してきた。それは、市議団だけの責任ではない。
党は誤りを率直に認め、多大な迷惑をかけた告発者に心から謝罪すべきだ。そして国政政党としてこの問題の真相解明に力を尽くすべきである。それこそが真の野党として国民の期待にこたえる道ではないのか。
6 糸島市の政治倫理、公務員倫理は崩壊している
市はオール与党のもとで「領収書は信じるしかない」「問題ない」と開き直りの答弁に終始し、昨年、県が市長宛に泊一環境保全組合について事実確認を依頼したにもかかわらず拒否した。コンプライアンスのないデタラメな市役所である。
2020年2月、泊一環境保全組合が国の検査を受けた時、N会長は行政区長、T事務局長は会計年度任用職員で2人とも市の非常勤職員だった。特にT事務局長は、馬場副市長とともに元市の幹部で、月形市長が最も信頼する部下のひとりであった。
7 市が「問題ない」と処理した書類の数々
2020(令和2)年度に泊一環境保全組合は386ページの書類を市に提出し、市は「問題ない」として処理した。しかし、調べた書類はどれもこれも虚偽だらけであった。その一部を紹介する。
上は一人暮らしの90代女性が「水路泥上げ、ため池草刈」などの環境美化活動をして1万6千円を受け取ったという偽の領収書。お金を配った人に「迷惑はかけないから」と言って書かされたもの。
上は他地区に転居後も環境美化活動に参加していたことにされた偽の領収書。署名は他人が勝手に書いた。
上左はシニアクラブ会員が環境美化をしてひとり2千円の日当を受け取ったという偽の受領書。この日に環境美化は行われていない。右はシニアが環境美化に参加して8千円を受け取った偽領収書。実際には支払われていない。
上は小学生の子どもが環境美化で、農道やため池の草刈り、水路の泥上げをしてひとり4千円の日当を受け取ったという偽の受領書。子どもは作業に参加していない。
上は消防団員が環境美化活動で泥上げしてひとり1回4千円、合計8千円の日当を受け取ったという偽の受領書。泥上げはしておらず、お金も払っていない。環境美化は無報酬のボランティア活動。
左の決算書は市に提出したもの。右の決算書は住民に配布したもの。同じ年度の決算書を複数作成している。どちらの決算書も制度を逸脱している。監査役がまったく監査の役割を果たしていない。
組合は総会を開いていなかったが、2020年の九州農政局の検査後、偽の委任状や偽の受付簿、偽の総会議事録、偽の事業報告書、偽の決算書等を5年分作成して市に提出し、市は「問題ない」と処理して県に送った。
8 環境美化活動は農業とは関係のないボランティア活動
市道の清掃
市道・県道の清掃
組合は何年にもわたり、環境美化活動を「農地維持活動」、あるいは「景観形成活動」とごまかして多面的機能支払交付金を受給してきた。
20数年、市議会では虚偽説明がまかり通り、多くの不祥事が闇に葬られてきた。「市と議会は車の両輪」(歴代議長)という中で、市には虚偽の行政文書があふれ、政治倫理、公務員倫理は崩壊している。
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