森林公園樋の口ハイランド~市長にしかできない犯罪
2017年10月15日号の「広報いとしま」。月形祐二市長は、松本嶺男前市長を自治功労者として表彰しました。背任罪で告発すべき人を、なぜ表彰するのでしょうか。
部下に存在しない法人を「ある」と偽って事業者選定させ、自ら虚偽の決定書に押印し、虚偽の議案を議会に提案し、市の財産を無償貸付する契約を結び、特定の利害関係者の便宜を図って市に損害を与えた。これは市長にしかできない犯罪です。
私は暴言と策略が渦巻く議会で命がけで闘ってきましたが、そこは是々非々ではなく多数決。「伊藤は噓つき」と吊し上げられ、懲罰と辞職勧告を受け、法令違反は隠蔽されました。
このままでは、半永久的に癒着馴れ合いの不正が続き、違法な事務で市の財政はさらにばく大な損害を被るでしょう。たとえ私が事故や病気で死んでも、不正の記録は残さなければなりません。市民の利益と民主主義を守るために。
(1)2012年、未設立の会社を「ある」と偽り事業者選定
上は、市長が選任した「林間施設の指定管理者選考委員」。
2012(平成24)年2月3日、林間施設(樋の口ハイランドと木の香ランドキャンプ場)を、(株)ネイチャースピリットに指定管理させるかどうかの事業者選考会でした。
しかし、このとき会社は設立されておらず、この選考会はヤラセでした。会社がないから、運転免許証で本人確認をし、プレゼンテーションさせて採点しました。
糸島市のプロポーザル方式の事業者選定は、まったく信用できません。ほぼやらせです。
下は、選考会での谷口俊弘副市長と洞農林水産部長の採点結果です。存在しない会社を採点したので、これも公文書偽造です。
福岡県警が、糸島市下水道課職員の官製談合事件で市役所を捜索したのは、同年1月25日です。その捜査の真っ最中に、農林水産部では市長命令でヤラセの事業者選定をやっていたのです。
(2)未設立の会社を「指定管理者」に決定
2012(平成24)年2月6日、(1)の事業者選考会の採点結果をもとに、市長は林間施設の「指定管理者決定書」に決裁の印鑑を押しました。会社の設立は、同年2月22日なので、契約相手方が設立されていない虚偽の公文書です。
(3)「無償貸付の議案」を作成、市長が議会に提案
上は、(2)の指定管理者決定書をもとに、農林水産部長が作成した「財産の処分」についての議案第25号。虚偽の指定管理者決定書から無償貸付の議案を作成しました。何でもやりますね。
2012(平成24)年3月1日、市長はこの議案を議会に提案しました。(株)ネイチャースピリットの設立は同年2月22日だったので、無償貸付の議案提案は、会社が設立されてわずか1週間後のことでした。
(4)市長が「無償貸付」の契約を締結
2012(平成24)年3月23日、議会採決の3日前、市長は、林間施設を「平成24年4月1日から平成34年3月31日まで」の10年間、無償貸付する仮契約を(株)ネイチャースピリットと結びました。
市が10年間タダで貸付けた物件
いくらお友達議員の口利きがあったからと言って、公園を含め、よくこれだけの財産をタダで貸したものです。適切な財産管理を怠り、言葉巧みに違法な事務を重ねて、特定の人に市の施設を無償貸付した、まさに市長にしかできない犯罪、刑法第247条に定められた背任罪です。
(この頃、水道料金が払えず、1か月近く水道を止められていた家族がいました。「小さい子が二人もいるのに、なぜ水道を止めたのか」と市にきくと、「水は商品だから、タダではやれない」という答えが。市民には冷たく、仲の良いお友達にはとことん尽くすモンスター市長でした。)
(5)議会が「無償貸付」の議案を議決
2012年3月26日、市長派議員が圧倒的多数の議会は、議案25号を大賛成で議決しました。反対は共産党の三人だけでした。
賛成討論したのは、田原耕一議員(後の議長)と小島忠義議員(後の建設産業常任委員会委員長)。
議長は有田継雄議員、副議長は吉村勝議員。
議会運営委員会の委員長は井上健作議員、副委員長は三嶋俊蔵議員、委員は浦伊三次議員、谷口一成議員、寺崎強議員、波多江一正議員。
(6)2018年(平成30年)9月議会 月形執行部の答弁
「会社の設立を準備していたので『会社』と判断した」
右)月形市長の右後ろは、洞総務部長。松本嶺男前市長の命令で、谷口副市長とヤラセの事業者選定を指導し、虚偽の議案を作成した農林水産部長が、市の法令を担当する総務部長に出世し、自らフォレストアドベンチャー問題で答弁しています。議長は田原耕一議員、副議長は堀田勉議員。
伊藤千代子 公務員の犯罪の中の一つ、虚偽有印公文書作成罪の時効は何年ですか。
洞孝文総務部長 虚偽有印公文書作成の時効は、7年となっております。
伊藤千代子 ことしの6月18日、沖縄県宮古島市役所の職員が、虚偽有印公文書作成罪で懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。ご存知じですか。
洞孝文総務部長 新聞情報で見たことはあります。
伊藤千代子 虚偽公文書の作成は非常に重い犯罪です。なぜなら、公文書の虚偽記載を許せば、どんな不正も思いのままだからです。
平成24年2月6日の事業者決定書に、「株式会社ネイチャースピリットを森林公園の指定管理者に決定」と書いてあるが、この会社の設立は、2月22日です。会社がないとわかっていながら、松本市長、谷口(俊弘)副市長、(洞孝文)部長、課長、課長補佐、係長等、7つも判こが押してある。会社が設立されていないのに、会社と書いて事業者に決定するのがおかしいと。誰も言わないで判こを押したのですか。
平野謙二産業振興部長 法人の設立登記に向けて準備を進めてあったから、株式会社と記載をしている。起案をした職員、起案責任者、決裁をおろされた市長まで、皆さんが、当然登記がなされるものという判断でこの公文書を作成しました。
伊藤千代子 刑事訴訟法第239条に基づき松本前市長を「背任罪」で告発し、責任をとらせるべきです。会社がないのにあると偽って事業者選定し、議会や市民をだますようなことは、絶対にやってはいけない。そう思いませんか。
月形祐二市長 私どもは法令順守をしっかりと守ってやってきたつもり。議員の言われることについては思っておりません。
(7)2016年 月形市長が「設立準備会」を「契約相手方」に決定
会社を設立しようと準備していれば「会社」と見なす。市役所内に虚偽の公文書があふれるはずです。大勢の若い職員が上司の命令に従って、違法な事務に加担させられました。
2016年(平成28年)7月5日、月形市長は、市立神在保育所の移管先法人に、「設立準備会」を「事業者」と見なした決定書に決済の印鑑を押しました。それがこれです。
月形市長、谷口俊弘副市長、井土人権福祉部長、藤田晋子ども課長(後の総務部長)など10人の印鑑が押してあります。(当時の総務部長は、洞孝文氏)。
右の写真は、契約相手方を決定した部分を拡大したもの。
1,神在保育所移管先として決定する者(平成28年7月5日)
法人名 いとしま子どもの会(仮称)設立準備会
住所 福岡市東区三苫3丁目〇番〇号
代表者 若尾勉
2,移管年月日 平成29年4月1日
わずか8カ月先の2017年4月1日にすべての財産を無償譲渡する神在保育所の移管先法人に、法人ではない「いとしま子どもの会(仮称)設立準備会」を決定していたのです。
2012年のフォレストアドベンチャーの無償貸付とまったく同じことを、なんと市は財産の無償譲渡でもやっていました。同じ幹部のメンバーで。前市長を表彰した理由がよくわかりました。
なお、若尾氏が平成グループの関係者と繋がりがあることを、市と議会が徹底的に隠すために、私を懲罰と辞職勧告にしたのが2017年9月議会です。
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