3人の妹のうち、ひとりは障害者。
彼女のために父母は大変な苦労をしたと言えば、妹がかわいそう。
でもそれは、事実。でもそれは、彼女のせいじゃない。
日本という経済大国の貧しい障害者福祉のため。
ぼう大な出費と、地球より重い苦悩と、果てしない肉体的エネルギー。
田舎育ちの、まじめで人のいい、口下手な両親が費やしてきた苦労続きの年月。
おかげでわたしたち姉妹は仲がいい。
会えば父母を囲んで冗談ばかり言って、大声で笑って生きてきた。
これ以上、父母に負担をかけないようにといつも思って生きてきた。
なのに長女のわたしは二回も大病をして、心配かけた親不孝者。
20代のときには、過労で倒れ寝たきりになって7年も病院に通ったし、2年前には胃がんの手術もした。
でも生きてる。
それだけで充分よね、かあさん。
「一番大切なものは、目に見えない」(サンテグジュペリ)
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