告発者の訴えは聴かず「不正はない」と判断
調査対象組織の代表は「党の仲間。元衆議院候補」
我が家で購読している日本共産党の赤旗日曜版。国の不正を全力で追及している。国政選挙で躍進してほしいと願っているのだが…。
2022年6月、私が共産党前糸島市議の栁明夫氏と後藤こうじ氏を名誉毀損で訴えた損害賠償請求訴訟で、今年8月9日、福岡地裁は私の主張をほぼ全て認める判決をくだしました。前回ブログはコチラをクリック ↓
それに対して、前市議らが福岡高裁に控訴していたことがわかりました。想定していたとはいえ、残念です。
内部告発者の声に耳を傾けず、自ら書類を調べず、泊一環境保全組合の当時の代表者(N氏)の相談にのり、「不正は存在しない」というビラを配布した前議員団。
それは日本共産党が掲げる「弱者救済」「不正を正す」党の精神とかけ離れています。なぜそんなことをしたのでしょうか?
「N氏は党の仲間、相談を受けた」と栁前市議が証言
今年4月19日の福岡地裁で証人尋問がおこなわれ、証言台にたったN氏は、組織の約半数を占める入り作(他地区に住む農業者)に日当を支払っていなかったこと、総会の案内をしていなかったことを認めました。
また栁氏は、2019年11月か12月頃、N氏から相談を受けたこと、その中身は、一部の人が日当の支払いについて九州農政局に告発をしていることだったと答え、N氏との関係などについては以下のように証言しました。
原告(伊藤側)弁護士「死んだ人の領収所を書いて問題ないですか。」
被告(栁)「問題がないかどうかと言われれば、それは、適切な話ではないですよね。」
…
原告(伊藤側)弁護士「組合総会の議事録的なものは見たことがあるんですか。」
被告(栁)「いや、それもないです。」
…
原告(伊藤側)弁護士「告発者に話を聞いてみようとは思わなかったのですか。」
被告(栁)「思いませんでした。」
…
原告(伊藤側)弁護士「そもそも、栁さんとNさんとの関係は、いつ頃からどういう関係ですか。長いですか。」
被告(栁)「まあ、長いと言いますか。同じ共産党の仲間ですから、それで、Nさんは2回も衆議院選挙に立候補されていますから、知らないはずはないです。それで、私が糸島に来て11年ですが、同じ糸島にきたということで、それから時々会うような関係になっております。」
…
原告(伊藤側)弁護士「(ビラを作成するにあたり16人の住民から話を聞いた件について)どういう人のところを回ればいいというのは、あなたなりに考えて選んだんですか。」
被告(栁)「それは、Nさんにも。連れていっていただくのはNさんです。じゃないと、私は全然知り合いがおりませんので。Nさんに相談したら、じゃ、歴代区長さんを回ろうと。それから、役員を今している方、役員されている方を中心に回っていこうと。あとは、Nさんの知っている方。」
N氏は、不正を行った組織の代表者だっただけではありません。「行政にチクったのはお前か?」と告発者の住民に暴言を吐き、「電話に出ろ」「500万円返せ」などのメールを送った当事者です。にもかかわらず、「平和と人権」を何より大切にする共産党が、党員であるN氏の倫理なき数々の言動をまったく問題にしていません。
「支援の会」に内田県委員長とN氏が名前を並べる
上は、「やなぎ・後藤さんの裁判を支援する会」が発足し、赤旗しんぶん読者に募金を呼びかけたチラシです。連絡先は福岡県委員会(2022年~23発行)。
チラシには、次のように書いてあります。
「糸島市の、ある地域のコミュニティで(多面的機能支払交付金)の使い方に「不正」「犯罪」があったとして、伊藤市議が議会・ブログ・ビラで大騒ぎしました。しかし、やなぎ・後藤市議(当時)が調べたところ、確かに書類の書き方など事務手続きの一部に問題はあったものの、着服や私的流用などの不正はありませんでした。…」
「やなぎ・後藤の両氏の活動は正当な議員の調査と広報であり、これに法外なお金をふっかけて圧力をかけるようなやり方は、議員活動や自由な言論を萎縮させることになりかねません。…」
そして支援の会のメンバーには、内田裕日本共産党福岡県委員長の名前とともに、オレンジのシールを貼っているところに、なんとN氏の名前が載っています。
党指導部が「不正はない」と書けば、全県の党員は信じてどんなビラでも配るでしょう。だからこそ、県党は内容が真実かどうか、徹底的に確かめる責任があるのです。それをしましたか?
県党は告発者の声を聴き真相の究明を
泊一環境保全組合は、国の検査が入ったときの会長はN氏で、市長が任命した行政区長(市の非常勤特別職員)でした。事務局長はT氏で市の会計年度任用職員。市の元幹部で市長の信頼厚き人物でした。二人とも市の職員だったのです。
他の住民組織からも「日当が支払われていない」、「別通帳にお金が貯め込まれている」という声が寄せられています。虚偽報告による不正受給を市が容認してきた疑いがあります。
共産党は、福岡地裁で指摘されたように、まず第一に告発者の声を聴くべきです。この3年間、私と告発者が訴えてきたのは、以下の通りです。
①組合の総会は一度も開かれていなかった。(議事録、決算書は偽造)
②環境美化活動は多面の事業ではない。(地域のボランティア活動)
③農業者は2021年度まで10年以上、水路・泥上げの日当をもらっていなかった。未払いの日当はどうなっているのか?
④受領書と領収書に多くの偽造がある。
控訴した以上、これらの訴えが事実かどうかを、県党はしっかり確かめるべきです。
2021年12月末 糸島市議選の1か月前に発行された前市議団のビラ
「泊一環境保全組合に不正はない。農業地域の困難に背を向け、存在しない不正を言い立てる伊藤千代子議員の中傷にこたえる」と書いてある。
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②私が共産党前市議団を訴えた裁判について 2024年4月28日
〇九州農政局へ「亡くなった人の領収書があってもいいのか?」 2024年4月13日