酒とごちそうの政治~見せかけの「法人選定」の陰で
上は2012年9月、大家さとし参議院議員と地元自民市議らの意見交換会の様子。左奥は月形祐二自民党県議(現糸島市長)。活動報告とある以上、やはりこの意見交換会の飲食の費用は大家議員の政策活動費から支出されたものだろう。
この写真は、松本嶺男前市長が議員の口利きにこたえ、市のキャンプ場や森林公園を、特定の利害関係者に無償貸付した年に写されたものである。
2024年1月13日付朝日新聞デジタルによると、政党が「政策活動費」などとして国会議員に支出し、使い道を報告する必要のない金が、2022年の1年間だけで計約16億4千万円に上り、そのうち自民党が最も多く14億1630万円だったという。
上は2013年4月、三篤会の視察先での懇親会。市民の目がないから東京の夜は盛り上がる。
それにしても、議員がご馳走を食べ、飲酒して大騒ぎしている写真をSNSに投稿する感覚は理解に苦しむ。
大家さとし参議院議員はご存じないだろうが、市が事業者選定でヤラセをやっても、虚偽文書を山のように作っても、議会は追及する私に懲罰や辞職勧告を決議して、デタラメな市を守った。
設立登記していない団体あるいは個人を、「法人」と偽って事務を進めるから、申請書、履歴書、登記簿、決定書、議案、契約書…あらゆる行政文書に虚偽記載がうまれる。
上は2016年7月。この当時、議員の提案をきっかけに二丈温泉きららの湯の無償譲渡と、神在保育所を無償譲渡するための「見せかけの法人選定」が行われていた。見せかけとは、応募資格のない個人の申請書を受理する違法行為である。
飲食と利権による結びつきは実に強固だ。
2015年4月1日にも、月形市長は、自分の支援者である元前原市長らに市立保育所を無職譲渡した。その法人選定で社会福祉法人の理事長になりすまし、法人募集に「当て馬」役で応募したのは、なんと糸島消防に勤務する現職幹部だった。
市はオレオレ詐欺顔負けのことを平気でやり、圧倒的多数の与党議員らはいつもゲラゲラ笑って団結し、「市と議会は車の両輪」と豪語し、議会制民主主義を踏みにじる暴挙を繰り返した。
糸島市は、コンプライアンスのない異常なまちである。
6月議会の一般質問は17日11時から ≪議会傍聴のご案内≫
6月3日から6月議会が始まります。戦争に円安、物価高騰で市民の暮らしは大変です。税金の無駄遣いを正しクリーンなまちへ、ともに力を合わせましょう。ぜひ議会傍聴においでください。市政を正すのは、一人ひとりの市民です。
1, 多面的機能支払交付金の活動組織への指導について
2, 談合の防止と公平公正な事業者選定について
(深江小学校大規模改造工事及び新庁舎事務用品購入事業指名競争入札
新庁舎売店運営事業者選定プロポーザル)
3, アンダーパスはいらない。切実な市民要望と事業の優先順位について
ブログ~パワハラ議会と闘う
〇「俺にヤクザと言った傍聴人はだれだ?」…犯人さがしをはじめた議員たち 2012年10月
〇懲罰で「癒着・馴れ合い」の発言を削除され 2020年7月10日
〇「バカと言ったら人権侵害か?」~2013年の浦議員の質問から 2020年7月20日
〇へいせい天国のまち~議会多数派の横暴① 2021年5日22日
〇多数決で「パワハラはない」~議会多数派の横暴③ 2021年6月2日
〇ブログの写真に激怒し辞職勧告~議会多数派の横暴④ 2021年6月27日
関連ブログ〜市役所ぐるみの不正
〇不正に関与した人が政治倫理審査会副会長~社会福祉法人理事長なりすまし
ちよ便り19号2019年1月発行
ちよ便り20号2020年10月発行
自民党の国会議員と地方議員の意見交換会 2022年
ネットで自民党の参議院議員大家さとし氏の活動報告を見ていたら、糸島市議会議員との意見交換会がアップされていた。
国会議員の活動報告だから、この意見交換会の費用も税金から支出されたのだろうか?
日付は2022年5月22日、ちょうど2年前、糸島市議選が終わって4ヶ月後である。
糸島市議会の20人の議員のうち13人が自民党。
堀田勉議長、井上健作副議長、
重冨洋司総務文教委員長、松月よし子市民福祉委員長、加茂正彦委員長、
畑中鶴見総務文教副委員長、長田秀樹市民福祉副委員長、波多江貴士建設産業副委員長、
川上伸吾監査委員。
議会運営委員会〜重冨委員長、松月副委員長、加茂委員、畑中委員、長田委員、波多江委員。
議会の重要な役職を全部自民が握っている。
裏金問題で国民は怒っているのに、おごった自民党がちょっとは減ってくれよと、多くの国民が願っているのに、地方の自民党応援団が強すぎてなかなかそうはならない。
国政選挙は、地元に根を張った地方議員の数、いわゆる兵隊の数が多いほど有利だからだ。
糸島市では、無所属で立候補した方々が、思想信条が自由なはずの自治会やさまざまな団体から推薦をもらって、当選したら自民党員として一致団結し、国政選挙の応援団となっている。
彼らは絶対に言わない「書類の偽造はいかん!」
私はこの2年半、多面的機能支払交付金の書類、特に領収書偽造について一般質問してきた。
90代の高齢者や小学生が泥上げした嘘の領収書や、死んだ人が活動に参加しお金をもらったという領収書、やってもいない総会の会議録。デタラメな決算書。
ところが、議長以下、ここにいる議員の誰ひとり「書類の偽造はいかんやろう!」と言わない。
地方への農業の交付金が活動組織の虚偽報告によって裏金化している疑惑があるのに、まるで他人事だ。
「伊藤議員は一般質問やめて個人で市に聞きに行け」
5月20日の議員全員協議会で、また多面的機能支払交付金について「問題ない」という報告を聞かされた。
そのうえ「いつまでこの質問をするのか?」「自分達は分からん」「伊藤議員が個人で市に聞きに行けばいい」と言うものまで現れた。
多面的機能支払交付金の一般質問をやめてほしくてたまらない市の代弁者たちだ。
議会が行政のチェック機能を果たすことができ、市民の声を代弁できる議会にするにはどうしたらいいのか?
アンダーパスはじめ、つぎつぎ進められる大型開発事業で市の財政は食いつぶされそうだ。次の市長選、市議選はあと1年7ヶ月後。それは国政とも関連して市民の暮らしを左右する。
大家さとし参議院議員と市議会の先生方 2012年
2012年度の意見交換会の様子。政治倫理が問われる首長、議員は市民の目に晒されて当然の立場にある。月形市長はこの場に自民党県議として参加していた。私には、意見交換会というより、飲食をともなった懇親会にしか見えないのだが…。
何でも賛成でチェック機能なし
我が家で購読している西日本新聞より。
圧倒的多数の自民系議員13人は三篤会(さんとくかい)
14日の会議が終わると同時に、重冨洋司議員が大きな声で議員に呼びかけた。
「三篤会(さんとくかい)の方は議運の部屋に集まってください!」
三篤会とは、福岡3区選出の自民党古賀篤衆議院議員を応援する会のことである。前期は波多江貴士議員が幹事だったが、今期は重冨議員に代わったのだろう。
ゾロゾロ議会運営委員会室に入って行く議員たち。市議選には無所属で立候補した人たちばかりだ。
裏金疑惑で岸田内閣の支持率が20%を割り、総選挙が近いと判断したのか?これから全力で古賀氏必勝に向けた動きが活発化するだろう。
三篤会が役職を独占
議員20人のうち三篤会は13人。議会の65%を占める。彼らは重要な役職を独占し、議会の主導権を握っている。
堀田勉(議長)
井上健作(副議長)
重冨洋司(議会運営委員長、総務文教常任委員会委員長)
松月よし子(市民福祉常任委員会委員長、議会運営委員)
加茂正彦(建設産業常任委員会委員長、議会運営委員)
波多江貴士(議会運営委員、建設産業副委員長)
長田秀樹(議会運営委員、市民福祉副委員長)
畑中鶴見(総務文教副委員長、議会運営委員)
川上伸悟(議会選出監査委員)
服部清幸、寺崎達也、三苫幹治、木下勇ニ の13人。
圧倒的な数の力で市議会を運営(私に言わせれば支配)し、国政で自民党が圧勝する一翼を担っている。三篤会は、これまで強力与党として長年にわたり松本嶺男前市長、月形祐二市長をバックアップしてきた。
契約相手方が設立していない議案を議決し、事業者選定で架空法人を使ったヤラセを行ない、やりたい放題の市政を強力に支え、自民党の原発推進、アンダーパス推進の方針に賛成してきたのである。無所属という看板に騙されてはいけない。
公明党は笹栗純夫、中尾正俊の2人。糸島市議会は自民公明だけでなんと75%を占める。
95%が与党という現実
他の政党は、徳安達成(立憲民主党)、中尾浩昭(日本維新の会)。
無所属は佐藤倫子、高橋徹郎、伊藤千代子の三人。
だが議案に反対し市の不正を追及するのは私だけなので、与党19人、野党1人という構図。糸島市議会は95%が与党議員なのである。
地方議会は少数意見が排除され、多種多様な考え方の市民を代表する場になっていない。悲しいかな。地方議会は自民とその補完勢力の牙城である。
さらに糸島市政が変わらないのは、立憲民主徳安達成議員の存在だ。立憲は国では野党だが、糸島市ではずっと自民系市長の味方、自民以上に現市政をサポートする役割を果たしてきた。
松本前市長、月形市長を高く高く評価し褒めたたえてきた。
保育所の無償譲渡では、存在しない社会福祉法人を事業者選定するヤラセが行われたが、審査ではそれに積極的に賛成し、井上健作副議長とは「徳ちゃん」「健さん」と呼び合う間柄。2人で私の質問をさんざん妨害してきた。
裏金疑惑は糸島市でも〜倫理観がマヒ
政治資金パーティの収入の一部を政治資金収支報告書に記載せず「裏金」化し、所属議員らがキックバックを受けていた問題で、いま自民党は大揺れだ。
統一教会との疑惑でも辞めなかった大臣らが、ついにカネが原因で辞任した。東京地検特捜部の捜査の行方に目が離せない。
先日、行政区長経験者が私に「まだ幽霊消防団員がいる」と教えてくれた。活動実態のない消防団員を名簿に載せ、報酬を受けとっているということだ。
多面的機能支払交付金では、活動組織で領収書の偽造が行われ、2020年に市が県に提出した386枚の報告書には何百もの虚偽記載があった。
虚偽報告による裏金作りが蔓延し、「みんなやっている」と倫理観がマヒしているのではないか。
長期自民党政権の腐敗は国と地方を蝕み、国民のための税金が湯水のように無駄づかいされている。今こそ地縁・血縁・利権の選挙を打破し、改革すべきときだ。
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地方議会は小選挙区制ではないのになぜ自民1強なのか?
虹がかかる糸島の風景
先の9月議会では、採決権のない議長を除き、19人中18人が議案すべてに賛成しました。反対討論は私だけ。社会は多様な人々の集まりなのに、ほぼ全員が市に何でも賛成。なぜでしょうか?
世間では「野党共闘」とかいうけれど、市議会では、自・公・民・維・その他わずかな無所属議員まで、みんな与党軍団です。
毎年700億円の税金の使い道を議決する議会が、議長を含めれば19対1。どう考えても民意を反映していません。
前期、糸島市議会の20人中14人は無所属という名で当選した自民党議員でした。
自民党籍があるのに無所属で立候補するのは、地域の推薦をもらうためです。町内にはさまざまな政治信条の人がいるので、無所属で立候補し地域の代表として推薦をもらい、炊き出しからポスター張り、宣伝カーの運行まであらゆる選挙運動を町内丸抱えで応援してもらうのです。
「炊き出しの順番が決まっている」「〇〇議員は女たらしで酒飲み。大嫌いだけど後援会の名前だけ書いた」…。村八分を恐れる住民の不安を選挙に利用していると言えます。
しかも彼らはれっきとした自民党員ですから、国政政挙ともなれば選挙運動の先頭に立ち、自民圧勝の原動力になります。
議会には、公共事業を受注したい、既得権益の随意契約を続けてほしい等々の利害関係者と、日常的につながりのある議員もいます。
よく市民から「ささやかな要望に市がお金がないと言った」「アンダーパスのようなムダづかいに60億円、許せない。なぜ反対するのは伊藤議員だけなの?」と聞かれます。残念ながら、議会は是々非々ではないのです。
批判勢力が皆無に近い糸島市議会などは、市が法令順守を蹴飛ばし暴走するのを平気で容認しています。地方議会が正常化すれば、国政も変わる。そう思います。
反対した人事案件について
写真は「糸島市議会だより6月号」より。6月1日付市の広報といっしょに配布される
今回、私が3月議会で反対した人事案件は2件。
一つは、月形市長が仲西まゆみ氏を人権擁護委員の候補者に推薦する諮問第1号。
反対理由は、議会最終日の反対討論で述べた通り。仲西氏は、平成26年、「社会福祉法人碧成会(へきせいかい)」の理事として、理事長の仲西徹登氏と市の面接を受けた。しかし、碧成会なる社会福祉法人は実在せず、架空法人であった。
二つ目は、瀬戸道孝氏を財産区管理委員に選任する議案第8号。
財産管理には法令の遵守が不可欠。しかし瀬戸氏は、市の部長職あった平成24年の事業者選定で、松本前市長が決裁した決定書に虚偽記載があったにもかかわらず、谷口俊弘副市長ともに押印した。
以下反対討論要旨
いとう「諮問第1号 人権擁護委員も候補者の推薦について反対討論をおこなう。
人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づいて、人権相談を受けたり、人権の考えを広めたりする活動をしている民間の方々である。…
人権擁護委員法第6条において、市長が地域の人格識見が高い候補者を、議会の意見を聞いた上で法務局へ推薦し、法務局において弁護士会及び人権擁護委員会連合会に意見を求め、検討した後に法務大臣が委嘱するとなっている。
よって法令を遵守できる人であらねばならないが、この候補者(仲西まゆみ氏)は、平成26年度に糸島市が行った公立保育所の移管先法人募集において、法人ではないにもかかわらず、社会福祉法人を名乗って応募した団体の関係者だった。
私が調査すると、この候補者が平成26年5月30日に実施された法人選定の面接において、法人ではないのに法人として面接を受けていたことがわかった。
それが分かっている以上、法令遵守の観点から、この議案に反対する。」
いとう「議案第8号、財産区管理委員の選任について、反対討論を行う。
この方(瀬戸道隆氏)の経歴を確認すると、平成24年4月1日、市の職員として環境部長の職にあったことがわかった。
平成24年4月1日、前市長=松本嶺男は糸島市クリーンセンターリサイクルプラザの運転管理業務委託契約について、決定書を作成した。これには、市長、副市長、部長の印鑑が押してあるが、3つの欠陥がある。
1点目は、契約相手方の名前は書いてあるが、契約上必要な所在地が書かれていない。
2点目は、選定理由に12年の運転実績があると書いているが、登記簿で確認すると、平成22年12月27日に設立されており、この時点では設立1年であることがわかった。
3点目に、契約金額が7946万2950円と巨額であるにもかかわらず、事業者選定を行わず、市長が(勝手に)事業者の決定を行っていたことである。
その後、現在に至るまで毎年、随意契約で高額な契約を結び続けているのは、特定業者の便宜を図っている状況と考える。したがって、この方が、部長職当時、瑕疵ある書類に印鑑を押した責任は今も継続している以上、法令遵守上、問題であると考え、本議案に反対する」
平成24年4月1日に決裁された決定書
※二議案とも私以外のオール与党の賛成で可決。
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地縁血縁、政党や団体の組織的支援が一切ない中で、多くの市民の皆さんにご支持を頂いたことは、大きな励みになった。
ところで、今回私は、選挙のための特別なチラシも作らず、後援会さえ作らない中で、宣伝カーを回して、1週間、辻々で演説し、政策を訴えるというシンプルな選挙運動を行った。
選挙費用も、30万ぐらいで済んだと思う。以前、候補者の中には、300万とか400万円を使ったとかいう話を聞いたことがある。
選挙の仕方が、旧態依然と変わらないことが問題ではなかろうか。
その一つが、宣伝カーで名前を連呼する選挙運動である。
これでは何一つ、その候補者が、市政に対してどの様な政策をもって立候補しているかがさっぱりわからない。
だから、さまざまな組織団体の支援を受けた候補者が有利になる状況がある。
これでは、何の組織も持たない無名の女性や障がい者、一般市民が選挙に出ようと思っても当選はなかなか難しい。
お金がかからず、多くの人が広く選挙に立候補できる環境を作ることが、とても大事ではないか。
たとえば、選挙期間中、候補者は学校や公民館などで立会演説会を行い、立候補の理由や福祉、教育、産業など、市の政策に対する考えを自分の言葉で市民に語る。もちろん市民からの質問も受ける工夫をする。
そうすれば、市民の側も具体的な政策で候補者を選ぶことができると思う。
とにかく、車の賃貸料やガソリン代、運転手の費用は税金で負担している。日本全国、名前を連呼する選挙運動でいいのだろうか。