8)内容虚偽の公正証書
左)森林公園樋の口ハイランドの入り口にある市のトイレ。市が民間業者に違法貸付している。
右)県が作ったシャクナゲ庭園の真上にある巨大なアスレチック。民間の所有で2012年から営業している。
(1)「ヤクザを使ってでも…」言論封じる言葉の暴力
前市長の不正と隠蔽工作の真相がわかるまで、8年もかかりました。議会多数派が質問を妨害しなければ、もっと早くわかって前市長を警察に告発できたはずです。
糸島には、「おかしい」と言えば、数の力で徹底的に攻撃し、黙らせようとする旧態依然とした勢力が存在します。「息子が商売できんようになってもいいんか?」「ここには住めんようになるぞ」「ヤクザを使ってでも黙らせる」…あらゆる人間関係を利用し、脅し透かし恐怖を与え、モノが言えないようにするのです。
私自身も、市の政策に反対したため、待ち伏せされて吊し上げられたり、呼び出されて怒鳴られたり、議会では暴言や不当な懲罰、裁判沙汰にあいました。利権にまみれ、不正と隠蔽と言葉の暴力がはびこるまちを、私は絶対に子ども達に残したくありません。
この7年間、市に対して「虚偽の公文書を作成していいのか?ヤラセで市民をだましていいのか?」と問い続けました。しかし市は、「不正はない、虚偽の文書作成もない」と絶対に非を認めず、議会多数派が同調するのを良いことに、同じような不正を巧妙に繰り返し、特定の利害関係者の便宜を図りました。
これでは半永久的に市に損害を与え続け、心をむしばむ言葉の暴力、異常な同調圧力はなくならないでしょう。よって、市が「違法性はない」という公文書をそのまま公開し、市民の皆さんに見ていただくことにしました。
(2)内容虚偽の「公正証書 」
「事業用定期借地権設定契約及び定期建物賃貸借契約」
2012年8月の糸島市役所に戻りましょう。市長は松本嶺男。副市長は谷口俊弘です。
地方自治法第96条にはこう書いてあります。
1 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
六 条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。
市が営利企業に、森林公園を年間10万2140円で貸し付けた10年契約は、「適正な対価」ではありません。よって議会の議決が必要でした。しかし、それをしないまま、市は契約を結んでいました。
上は、 2012年8月16日、市長が福岡公証役場で井上義浩農林土木課長に作成させた公正証書。相手方はパシフィックネットワークの社長。下が契約したときの文書です。市がこっそり契約していたので、この書類を入手したのは5年も経ってからです。市長による施設私物化の証拠です。
契約の終了は、平成35年=令和5年つまり2023年3月31日。来年ですね。
市は、この契約が正しいと言い続けています。しかしこの公正証書には、市の職員ならすぐわかる虚偽記載があります。パシフィックネットワークへの貸付物件を見てください。
3,工作物 「フォレストアドベンチャー」と称するフィールドアスレチック施設一式
この記載はうそです。アスレチック一式は市の所有物ではなく、パシフィックネットワークの所有物なので、市の貸付物件ではありません。公園内に民間の工作物があるとまずいので、市が貸し付けているかのようにごまかしているのです。
この契約を結んだ井上農林土木課長は、その後、建設都市部長、教育部長、企画部長となり、昨年退職した後も再任用職員として市役所に残り、今も都市計画課長補佐として市の幹部です。月形市長の元で建設都市部長をしたきは、前原東土地区画整理事業を担当し、自分が所有する土地もいっしょに開発しました。
(3)森林公園は産業振興施設
2021(令和3)年度の「糸島市公共施設等総合管理計画第一期アクションプラン」から。「産業振興施設」をまとめた表です。森林公園樋の口ハイランドは、市の「産業振興施設」にきちんと位置付けられています。つまり森林公園は、「行政財産」であって、貸付できない財産だったのです。
(4)施設カルテは噓だらけ
これは、市の公共施設をまとめた「平成30年度 施設カルテ」の112ページ。「施設名 森林公園樋の口ハイランド」と書いてあります。森林公園は、まちの公園と同じで、売ったり、貸したりできない行政財産(施設)です。
市はそのことをちゃんと知っているのに「普通財産」とうそを書いています。委託契約書がないのに「包括委託」と、ここにもうそを書いています。
森林公園の年間利用者数を「37,513人」と書いていますが、これも大うそです。なぜなら37513人は、3600円のお金を払ってフォレストアドベンチャーを利用したお客の数であって、無料で森林公園を利用した人の数ではないからです。
森林公園の民間への貸付は、前市長による財産の私物化でした。市は、前市長の不正を隠蔽するため、2012年からずっと公文書の虚偽記載を続けています。
(5)財産の無償貸付・無償譲渡ラッシュ
2012年6月議会では、井上健作議員(現副議長)が「健康づくりセンター二丈温泉きららの湯」の民間委託を提案し、谷口俊弘副市長が「検討する」と答弁し、5年後には月形市長の元で、「きららの湯」は設立2年の会社に無償譲渡されました。
さらに2015年には、春田元前原市長に旧二丈町の深江保育所が無償譲渡されました。合併前後はまさに有力者(とそのお友達)への財産の無償貸付、無償譲渡ラッシュだったのです。そしていま、九大移転で巨額のカネが動き、まちはいっそう利権まみれになりました。(つづく)
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