15)架空法人「碧晟会」
(1)虚偽公文書1~実在しない「社会福祉法人碧晟会」
上は、2014年(平成26年)2月19日、仲西消防本部次長が月形市長に提出した「長糸保育所移管先法人申込書」です。以下のように書いてありますが…。
平成26年2月19日
糸島市長 月形祐二様
(申請者)法人名 社会福祉法人碧晟会
理事長(代表者)名 仲西徹登
糸島市立長糸保育所移管申込書
しかし、理事長(代表)の仲西氏は、申請した平成26年2月19日は糸島消防本部次長で、月形市長の部下でした。社会福祉法人碧晟会 (へきせいかい)なる法人は、実在しない架空の法人だったのです。
(2)虚偽公文書2~役員は教育長経験者ら
上は、「社会福祉法人碧晟会」の「法人の概要」です。理事長以外、全員の名前が黒塗りですが、いったい架空法人の役員予定者名簿に名前を連ねたのは、どんな人たちだったのか?調べた結果、全員の名前、経歴がわかりました。今回は代表者以外、アルファベットで表示します。
理事長 仲西徹登 消防本部次長
施設長 仲西徹登 消防本部次長
主任 N 前教育委員
理事 T 前教育委員長
理事 I 長糸区長会長
理事 F 元市職員
理事 N 市委託業者職員
理事 N 元市職員
監事 N 前教育長
監事 T 会社社長
公務員関係者がぞろぞろです。松本市政の時の幹部や元職員が、架空法人の役員予定者として名前を連ねていました。
(3)虚偽公文書3~「私どもは社会福祉法人」とアピール
上は、社会福祉法人碧晟会が申込書に添付した資料「保育所運営についての考え方」です。そのなかに、「申請理由」について書いてあります。赤線を引いてある部分を見てください。
「私どもは、地域住民が主体となって運営する社会福祉法人であり、」
と書いてあります。法人でもないのに「法人」と平気で書いています。その続きが下にあります。
黒塗りしてありますが、こう書いてあるのです。
「また、園長は糸島消防本部に勤務した経歴があり、…」
経歴があるのではなく、いまそこに勤務している現職の職員です。よって、これも噓っぱちです。
(4)虚偽公文書4~個人の預金通帳が法人の財務調書
上は、仲西氏個人の銀行の預金残高証明書です。
「社会福祉法人碧晟会」は実在しない架空法人なので、法人の財務調書を出せません。そのため、市は個人の預金通帳を提出させて、法人の財務調書の代わりにしたのです。
以上で個人を法人に見せるための小道具(虚偽公文書)は、ほぼそろいました。
次に、市長が任命した委員による「保育所移管先法人選定委員会」が開催され、法人選定と審査、点数をつける採点がおこなわれました。(つづく)
資料1 地方自治法第二条
⑯ 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。
⑰ 前項の規定に違反して行つた地方公共団体の行為は、これを無効とする。
資料2 公正証書原本不実記載等罪
公務員に対し、虚偽の申し立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる(刑法157条1項)。
資料3 2014年2月14日 松本市政から月形市政へ
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