元市長の法人も当て馬
2行の履歴書と空白だらけの法人概要で、井原保育所の移管先法人に選ばれた本田幸太郎氏。ほかにはどんな応募者があったのでしょう。それが上の写真です。
驚きました。春田元前原市長の経営する社会福祉法人春陽会が応募し、落選していたのです。ということは、このときの事業者選定では、なんと元市長の法人が当て馬役を演じていたということになります。
(1)応募があった「法人」
2006年(平成18年)7月11日、松本市長(当時)が選んだ市立保育所移管先事業者選定委員会が市役所で開かれました。07年(平成9年)4月1日からふたつの保育所を法人に民営化するための会議です。
ここには松本市長と委員に任命された中田助役、浦民生部長など15名の委員と事務方の職員数名、総勢20人ほどが出席しました。
その中で「応募があった法人」と紹介されたのが、こちら。
〇本田幸太郎
〇社会福祉法人ますみ会
〇社会福祉法人春陽会 =元前原市長の法人
〇植田康弘
個人を法人と見なして選定する不正ですが、市長や幹部職員がぞろぞろ出席し、「大真面目に」会議が行われているので、一般市民がイカサマと見破ることは非常に困難です。
(2)驚きの採点結果
2006年8月 こちらが個人と法人をいっしょくたに採点した結果表です。
本田幸太郎氏が、実績のある元市長らの法人を抑えて、圧倒的に高い点数を獲得しています。
〇本田幸太郎 1794点
〇社会福祉法人ますみ会 1619点
〇社会福祉法人春陽会 1374点
〇植田康弘 1347点
当時の採点表を見ると、元市長と親しい委員ほど、春陽会に低い点数をつけています。この選定委員会で春陽会は、「応募して落選する」ことが目的だったからだと考えられます。
(3)元市長の応募は市長退任後わずか3年目
春田氏は、2003年(平成15年)7月まで2期8年間、前原市長でした。ですから市長を退任してわずか3年後に、公立保育所の財産の無償譲渡を伴う移管先法人に応募していたのです。
下は、私が情報公開で入手した春田氏の履歴書です。真っ黒けに塗ってあります。3年前まで市長職にあったという事実を隠すために、市が塗りつぶしたのです。
当時、市の財政は苦しく、それが合併を推進する一つの理由でした。
学校施設はどこも老朽化が激しく、波多江小学校のトイレのドアが廃材で継ぎ接ぎだらけだったり、PTAがプールの修繕をするためにペンキを自腹で購入したり、東中学校の生徒会がトイレの改修を市に直接要望したり、職員室の床のひび割れがガムテープで貼ってあったり、それはそれは酷いものでした。
運動会前日、怡土小学校で国旗掲揚のポールが老朽化で倒れ、児童の頭を直撃し、死亡したのは春田市政2期目のときでした。
にもかかわらず、市長を退任してわずか3年後に、地元怡土校区にある公立保育所の無償譲渡に、本気で応募などなさるでしょうか?
ご自身が経営する保育園とは1〜2キロしか離れていない公立保育所の無償譲渡を受けたら、地元の人たちから、「元市長さんな、井原保育所をタダでもろたげな」「備品も全部タダで市がやったとばい」と噂になるに違いありません。
本命は、あくまでも10キロ先の二丈町にある深江保育所だったはずと推察します。実際に二丈町志摩町と合併した後、その通りになりました。
松本嶺男前市長は、自分の部下や地域の有力者を使って、市役所ぐるみで不正を実行する詐欺師でした。その人が今も糸島市と関わり、市の財政を蝕んでいます。(つづく)
チェック機能を失った‟死議会” 2017年6月議会から
そういうことはないと明確に答弁しており、伊藤議員の一般質問を終了します。
左から谷口副市長、月形市長、二列目真ん中に馬場企画部長(現副市長)、右に洞総務部長。
こちらをクリック
関連ブログ
5)契約相手方法人は設立されていなかった~市立保育所の無償譲渡
27)違法に便宜を図る会社に市長が感謝状