県が前原インターチェンジ西南に建設予定の産業団地リサーチパーク(25ヘクタール)から、産業廃棄物や有害物質が国の基準を超えて検出され、想定19万㎥の残土埋設が明らかになった。
この土地は、不動産業者のS社が、長年売れずに持っていた「塩漬けの土地」。
それを県の所有地9億円相当と、2006年に「等価交換」したもの。
土地交換は買収と違い、議会にかける必要がない。
この交換を言い出したのは、うちの市長が県の幹部だった時。
交換した県有地は、福岡市東区や博多区、小倉などの一等地で、15億円もの価値があるとも言われ、テレビ・新聞で「不可解な土地取引」と大きく報道された。
市が、農地転用できず、売却できない広大な土地をかかえて困っていたS社から、長年相談を受けていたことは、県の会議録で明らかになっている。
農業不振と後継者不足で、農地や山林を手放したいという人からの相談がときどき寄せられる。
生活に困窮しながら、市街化調整区域のため、農地転用できず売りたくても売れない農地を持って、困っていると訴える高齢者。
線一本で、土地の用途がちがうから、切実だ。
しかし、S社の場合は、金儲けのためにここの山林を取得したが、バブルの破綻で当てが外れ、農地転用きない土地を長年持っていた。
「公共事業で買ってもらえば、転用しなくても売れる」と思ったようだ。
したたかなS社の社長は、農地転用できず、売れないで困っていたこの土地を「宅地並み」に鑑定して、15億円もの鑑定評価を県に出している。
さすがに県もびっくり仰天した。結果的に9億円相当と交換したが「現地で産業廃棄物や残土を見たら、9億円どころか1億円にもならなかったんじゃないか」という市民もいる。
あれだけの産廃、残土を撤去するとなれば、何億かかるだろうか。
ばく大な借金財政の県が、この用地取得でこうむった被害、県民に与えた損害は計り知れない。
税金、公共料金がつぎつぎ値上げされ、県民の生活は苦しい。
クリーンな政治、汚職腐敗を正すためにも、徹底的な疑惑解明が求められる。