市が差し押さえた財産
昨日、9月議会最終日、昨年度の決算の認定に反対する討論をおこないました。
以下は、討論の内容です。
平成29年度、糸島市一般会計の決算の認定について、反対討論を致します。
市長及び副市長の人件費3476万9612円について、認定できません。
なぜなら、昨年度の4月1日に、市長がなさったことは、健康福祉センター二丈温泉きららの湯を、株式会社日食システムに無償譲渡する契約を結び、市の簿価5億円の建物財産と、1900万円の備品と、全国有数のラドン温泉水日量27トンをすべてタダでやってしまうことだったからです。
無償譲渡による市の損失はばく大で、市民福祉の向上という地方自治法の本旨を大きく逸脱しています。
地方自治法は、行政財産を適正な対価なく貸付、譲渡することを禁じています。適正な対価なくして貸付、譲渡するときは、議会の議決が必要です。
しかし、その議会に、日食システムの決算報告書を提出せず、事実にもとづく経営状況の審査が行われていなかったことも判明しました。つまり、市長が無償譲渡の根拠とした議会の議決は、形式上は合法的に見えても、実態は真実が歪められた議決だったということです。
二丈温泉きららの湯は、市民の交流とふれあい、健康づくりの拠点として愛されてきました。それをタダで手放さず、せめて簿価5億円にふさわしい適正な対価で譲渡していたら、貧困で苦しむ子供たちを、市民をどれだけ助けることができたでしょう。
市長は、4月1日、市立神在保育所の無償譲渡も行いました。建物、備品含めておよそ6000万円あったであろう市の財産を、福岡市の申請者にタダであげたのです。
市長が、4月1日で二つもの財産を、無償譲渡する契約を結んだことは、前代未聞、市の歴史に汚点を残すものだと考えます。
一方、昨年度、生活困窮者に対する市税の減免実績は、わずか16件、51万円だったことがわかりました。特定の法人に、無償譲渡した億単位の財産と比べれば、一般市民、貧困世帯への減免の金額には、天文学的な格差があります。
市の仕事で一番大切なのは、貧困世帯を救うことです。長年、真面目に働き税金を納めていても、ある日、重い病気になったり、事故にあって障害を負ったり、さまざまなことが人生にはあります。不況下での生活も楽ではありません。
昨年度の非正規労働者は、過去最高を超え、2036万人となりました。市役所でも、待遇の悪い非正規雇用が半数に上ろうとしています。先が見えない中で、生活に困っている人があふれているのに、有力者にタダでやる財産など1円もありません。
よって、この決算には反対します。
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