障がい者や高齢者が不便なアンダーパス
上の写真は大野城市のアンダーパスを通る車椅子の高齢者。「毎日通るのに、とても不便」と語っていました。これとほぼ同じ道路を、糸島市は潤南の健康福祉センターあごらの東側に建設中です。アンダー部分だけで50億円、総事業費は80億円ともいわれます。
地元は大反対「地域分断」「環境破壊」「水害の危険」
潤南は住宅街なので、アンダーパスができたらもっと多くの人が困るでしょう。福祉施設のあごらに行く障がい者や高齢者が、いちいち踏切の下をくぐって渡らなければなりません。
いま月形市長は土地の測量や住宅の立ち退きをすすめ、国、県、市の税金がすでに何億円も使われました。福岡市の周船寺の踏切のように平面で拡幅すれば、10数億円で建設できるのに、本当にムダづかいです。
周船寺の踏切のように平面で拡幅すべきです↓
上は周船寺の踏切の写真。この踏切のように、平面で拡幅すべきです。
しかし、アンダーパス事業に議会で反対の質問をしたり、住民の声を取り上げる議員は、私と日本共産党だけです。市民が汗して収めた税金の使い道に関して、12人の自民系議員、公明2人、無所属2人、それに立憲民主の議員も賛成してきました。圧倒的多数が現市政の与党。市政が変わらない最も大きな要因です。
アンダーパスの中央ルートには、波多江校区と東風校区の住民はずっと大反対でした。しかし松本嶺男前市長は、各地の住民説明会で職員をサクラに使い、行政区長に「中央ルート建設」の要望書を出させ、部下の公務員を使ってアンダーパスを推進しました。下はその例です。
住民説明会で市の幹部職員をサクラにした前市長
2007年2月23日、この日は小雨の中、高田・板持の住民が波多江公民館に60人くらいつめかけた。22人がつぎつぎ発言。ルート反対の意見ばかり。それも市の説明よりずっと説得力がある。わきおこる はくしゅ! はくしゅ!
「生活道路はわるい。お年よりも増えている。2.5キロに100億円使う中央ルートより、やることが、ほかにいっぱいある。」「財政がはたんしたらどうする?」
すると市長は、「将来のための投資」「この道をつくれば、町は発展する」とくりかえす。
「市民の賛成が少ないのに、こんなに住民が反対しているのに、なぜ中央ルートをつくるのか?」 市長の答え。「必要なら、反対多くてもやる」
最後の方で、つと男性が立ち上がり、「みんな反対だ。賛成の人、いるんですか?」と会場の人たちに聞いた。すると後ろの席にならんだりっぱな背広姿の6,7人の男性が、さっとそろって手を上げた。みんな市の幹部だった。
この当時、説明会はどこもかしこも満員で、「100億円のムダづかい」「水害のときアンダーパスは水没するぞ」と怒る声があふれていました。賛成意見を言ったのは、のちに工事を請け負う会社の社長だけでした。こうしてごり押しで進めてきたのが、松本前市長だったのです。この卑劣なやり方は、住民の反対署名を無視してアンダーパスを推進する月形市長に受け継がれています。
なお、中央ルートのはじめの計画は4車線で100億円でした。反対の声が大きかったので、2車線になりましたが、それでも総事業費は80億円となっています。
アンダーパスはムダづかい「平面で拡幅を!」
福祉・教育担当の職員削減や市民への増税・サービス削減は、ムダな公共事業があまりに多すぎるからです。落札率99.99%の雷山運動公園整備事業は、総事業費60億円。今年から工事が始まりましたが、利用者を2倍に見積もった過大施設です。
糸島市の新庁舎建設が旧丸田公園で始まり、総事業費は64億9千万円です。月形市長は、財政難のなか、コロナ禍で市民生活が苦しく先が見えないときに、つぎつぎと大型事業を推進しています。これらはすべて松本前市長のときからの計画です。
ちよ便り26号