不祥事には言及しない立憲民主の賛成討論
柳川市が(株)キューボウの前身である九州防水株式会社を指名停止にしたときの公文書の一部。「柳川市」の文字と赤線は伊藤が付け加えた。
議案116号工事請負契約の締結についての討論
12月18日に行われた市議会最終日の議案116号採決前の討論。ひとり5分以内。
〇反対討論(伊藤千代子)下に原稿を添付。
〇賛成討論(徳安建成)
伊藤千代子の反対討論(原稿)
この議案は、深江小学校大規模改造工事のため、指名競争入札により4億1250万円で糸島市高田1丁目14番25号 株式会社キューボウ 糸島支店と契約を結ぶ内容です。
市は、「キュウボウ糸島支店は登記している、社員は二人である」と答弁しましたが、実際は登記しておらず、事務所も支店長の自宅にあることがわかりました。
反対する第1の理由は、キューボウ糸島支店の実態があると判断できないからです。しかも登記していないため、4億1千万円の大工事でありながら、市には法人税が一円も入りません。
いま地場の建設業者は物価高騰の中、税金を払うのに苦労しています。雇っている建築労働者に暮れのボーナスどころか一時金さえ払えないところもあります。
下請けを含め多くの地元業者が潤うように地域にお金が循環するように市は工事の発注をすべきです。
2番目に反対する理由は、指名競争入札の指名に疑問があるからです。
糸島市指名競争入札参加者指名基準では、(1)信用状態 (2)不誠実な行為の有無が定められています。
株式会社キューボウの本社は、久留米市合川町422番地18です。しかしこの住所は、九州防水株式会社とまったく同じ住所です。経営者も同じです。
この九州防水株式会社は、令和2年度に公共事業にからんで事件を起こし、取締役が贈賄で逮捕されました。
令和2年6月19日付の毎日新聞には「九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市の災害復旧工事をめぐる汚職事件で、九州防水の役員が逮捕された」と書かれています。
朝倉市が下請けに丸投げすることを禁じていたにもかかわらず、九州防水が飯塚市の産業廃棄物業者に丸投げし、市の職員にワイロを贈っていたことが発覚したのです。
また同じ年の7月、九州防水の取締役3名は、経営する建設会社が粉飾した貸借対照表を久留米県土整備事務所に提出したとして、建設業法違反容疑で逮捕されました。
そのため、令和2年度から3年度にかけて、自治体や国の機関が、九州防水株式会社に対して指名停止処分を行なっています。
柳川市などは、九州防水株式会社に対して、令和2年6月25日から令和3年6月24日まで、12カ月、1年もの指名停止を行なっています。
ところがその間糸島市は、令和3年6月、他市が九州防水を指名停止処分にしている間に、経営者が同じ、会社の住所が同じ、事業も同じという株式会社キュウボウの糸島支店を、建設業のAaランクで指名登録させ、令和4年度からは地場業者として積極的に指名し優遇する対応をとっていました。
(株)キュウボウが、令和4年度と5年度の指名競争入札で落札したのは、加布里小学校トイレ改修工事7435万円。岸田団地改修工事6356万円。深江小学校校舎大規模改造工事4億1250万円、契約金の総額は5億5041万5360円と莫大です。
糸島支店の社員は二人だそうですが、本当にこれだけの工事を請け負う技術と能力を持っているのか、本当に地場業者と言えるのか、甚だ疑問です。
合併前、施設の老朽化が原因で、小学5年の子どもが亡くなる事故が起きたのを、私は忘れません。子どもの安全がもっとも重要な学校関係の公共事業は、法令を順守し、大工さん、左官さん、塗装やさん、多くの地場の建築労働者が潤うように発注すべきであると訴え、反対討論とします。