なぜ市も議会も企業の不誠実な行為に関心がないのか?
堀田勉議長。議長職は議会で絶大な権限をもつ。合併後の歴代議長はすべて自民系三篤会(さんとくかい)。有田継雄、浦伊三次、谷口一成、田原耕一の各氏。堀田議長は松本前市長のときから利害関係者らと親しい交流関係がある。
会議再開 18日議会最終日ドキュメント(前々回のつづき)
12月18日、議会最終日。10時40分に議長の「暫時休憩」で中断した会議が再開したのは、昼食後の1時10分のことだった。
堀田議長は「議案第116号『工事請負契約の締結について』の反対討論で、伊藤議員が『登記していないため、市には1円も法人税が入らない』と言ったが、登記の有無と国税である法人税の関係が確認できなかった。議長において調査の上、処置をする」
と述べた。
私は「(株)キュウボウ糸島支店が市に登記していないから市に税金が入らない」と言っているのに、国税の法人税とすり替えている。
「議長!」と私は自席から声をあげ、「経営者の逮捕には関心がないんですか?」と聞いた。
議長は「それとこれとは違います」と答えた。
伊藤「では私の件だけ問題にして、そのことは問題にしないということですか?」
議長「事実確認をしているだけです」
議長のいう事実確認とは「支店の登記と国税の関係」である。この議案とは何の関係もない。
公共事業を請け負う企業は、信用が何より大切である。だから聞いたのに、なんだかんだ言いながら結局「(株)キューボウの経営者の不誠実な行為の確認はしない」と言っている。
議運を長時間開き、傍聴の人たちを長々待たせておいて、この程度の議論しかしていない。
「外看板や事務所の写真の添付がいらなくなった」
支店をもてば、公共事業の入札で指名を受けやすくなるメリットがある。しかし支店を登記すれば法人地方税を払わなければならない。実体のない支店をつくって公共事業を受注しようとする悪質な業者がでてくる。
他の市では訪問して従業員の勤務状況を含め、事業の実態について調査しているが、糸島市ではそれをしていない。
今回の契約は4億1千万である。支店が支店長の自宅でいいのか?事務所の実態をどのように確認したというのか?
ある業者は私にこう言った。
「以前は市に指名願いをだすとき、外看板の写真、事務所の写真を添付するようになっていましたが、いつの間にか写真の添付が必要なくなりました」と。
これが事実なら、市は実態のない支店を企業がつくりやすいようにしたとも言える。政治倫理、コンプライアンスに欠けるまちだから充分あり得る。