昨日、松本市長は、議会の昼休み時間に「議員各位」へ文書を配った。
それは、糸島市の職員が2010年6月議会中に自殺したのを、地方公務員災害補償基金福岡県支部が公務災害として認定したことを公表する内容であった。(今朝の新聞でも報道)画期的な認定だ。
久しぶりに、「正義は勝つ」という思いがこみ上げ、ほんとうに嬉しかった。市は、職員が何か月も夜中の1時2時まで働いていたのを知りながら、「遺族が申し立てた時間に、職員が働いていたのは事実だが、無理に働かせた実態はない」 と言って公務災害を絶対に認めようとしなかった。
それどころか、2011年8月1日に、公務災害の申請に来た市の窓口で、申請書を受け取ろうとしなかったのである。(私と弁護士が強く抗議して、最終的には受理させた)職員が、過重勤務やパワハラで命を縮めるような市役所であってはならない。
この認定は、遺族だけでなく、まじめに勤務している多くの職員に、希望と勇気を与え、ムダな開発行政を推進し、市民と職員に冷たい松本市政に大きな打撃となるだろう。
××××私が議会でとりあげたときの「糸島の風」の記事を載せておく。
(2010年12月議会報告) 市役所のある課(14人)の職員が、昨年6月5日の議会会期中に自殺し、二ヶ月後には同じ課の職員が長期病休に陥りりました。
職員の「心の病」発生率が県下ワースト1位の糸島市役所で、何がおきているのでしょうか。私は、職員が亡くなる前日6月4日の午後、委員会室で会い、疲労して議会対応の重圧に悩む姿を見ていました。
調査すると、中間管理職の異常な過重勤務の実態が浮かび上がりました。 1月から3月は、通常業務に加え、合併後のぼう大な事務、白糸残土処分場の裁判準備、議会と特殊な業務が続きました。
4月と5月は、水路やため池工事などの負担金を1割取る「農漁業施設工事分担金条例」の業務を任され、農家や行政区への説明会が約20回。400人もの住民に説明し、負担金のお願いに回りました。
休日、夜間勤務の連続で、5月はおよそ130時間の残業をしています。
上司に過重勤務のつらさを訴えても無視され、前原で反対の強かった分担金条例について市長に相談しても、「条例が通ればいい」と言われ、苦しみます。
そのうえ、住民説明会に出席した議員たちからは、「お前の説明が悪い」と言わんばかりに罵声をあびせられ、「議員のパワハラに耐えられない」と、苦しんでいました。
パワハラは、「職場で立場が上にある者からのいじめ」で、人権侵害です。
しかし、市は、前原市のときから有力議員の暴言を一度も注意したことがなく、長年、多くの職員がパワハラに苦しんできました。
12月14日の議会会期中も、委員長職の議員が、職員を議員控え室に呼びつけ、議員全員のいる所でどなっていたので、議長に注意し、やめさせました。 遺族が、「自殺は、過重勤務とパワハラが原因。調査してほしい」と求めたのに、市はこの半年間、事実関係を調査せず、亡くなった職員の責任にし、遺族を二重三重に苦しめていました。
パソコンの記録では、亡くなる前の1週間は二人分の勤務をさせられ、6月4日は、わずか1時間半の睡眠で出勤し、市長が議会で議員に答えるための「答弁書」(議員8人分)を、夜の9時半まで作っていました。
5日土曜日の朝も、7日月曜日の本会議に間に合うよう答弁書を書き上げるため、仕事に行こうとしていたのです。 市長は、死の直前まで自分のために働いていた職員に感謝し、遺族にあたたかいたい対応をすべきです。
「人件費削減」を優先し、残業代を支給しない中間管理職に過重勤務をさせ、パワハラを放置した市長の責任は重大です。 遺族から訴えがあっても調査しないのは、隠ぺいと同じです。
これでは第二、第三の犠牲者がでます。 実際、二ヶ月後に同じ課でまたひとり、中間管理職が、過労で倒れました。 職員が自殺する前日は、市役所で複数の人から、屈辱的パワハラを受けたこともわかっており、市は再発防止のため、事実関係を明らかにすべきです。
職員の人権さえ守れない市役所では、市民の命を大切にする「あたたかい まちづくり」はできません。
※ 今年度、市役所を二十人以上退職するが、 「職員削減」で来年度の新規採用はゼロである。