きららの湯は環境技研にやるつもりだったの?
~声かけした業者は6社と言うが…
無償譲渡前にSNS上にアップされていたきららの湯の写真。
最近、市民の方から「市はきららの湯を環境技研にやるつもりだったけど、断られて日食システムにやったという噂を聞いたけど、どうなんですか?」と聞かれた。
「さあどうでしょう。でもほかの財産の無償譲渡先を調べると平成つながりが多いので、あり得ますね」と答えた。
無償譲渡した3年前、業者の中には「平成の環境技研はプールを経営しているし、温泉もやりたかったんじゃないのか。だが直前になって儲からないと判断して断った可能性がある」という人や、
「断られて新しい譲渡先を慌てて探した疑いがある。でないと会社を作ったばかりの人に3億円もの財産を市がタダでやるもんか」という人もいた。
応募の決定からわずか1年で公の施設を無償譲渡したのだから、市中にさまざまな噂が飛び交ったのも無理はない。
当時、平成グループのプール運営を任されていたN氏が「公共事業が減っていく時代には、健康づくり事業で行政と連携したビジネスが効果的」と提言をされていた。だから私も、きららの湯の活用に関心を持っていたのは平成だろうと思っていた。
当時の様子を簡単に振り返ってみよう。
2012年6月議会における質疑~答弁者は副市長
◯17番(井上健作君)
…今後この行政改革等々の中で(きららの湯を)このままずっと続けるのか、老朽化の話もあります。もう10年たちますといろんなところが壊れたり機械を変えたりしなければいけません。…公共施設の有効利用というのは、やはり民間に対する大きな期待もございますので、その辺の考え方について谷口副市長にお答え願いたい。
◯副市長(谷口俊弘君)
運営に当たっては、たまたまここ2年間黒字を計上しておりますものの、依然として先行きは楽観できないというふうに思っております。そこで、民間委託等も踏まえて今後検討は進めていかなければなりません…。
このときまだ判明していなかったが、谷口副市長はこの答弁をした4か月前の2012年2月3日、洞農林水産部長らとともにヤラセの事業者選定を行った張本人だった。
深江の二丈庁舎において林間施設の指定管理者選考会を開き、まだ設立されていない会社をあると偽って選考し、虚偽の指定管理者決定書を作成し、市の森林公園とキャンプ場を無償貸付する議案にすり替えて3月議会に提出していた。
松本嶺男前市長の命令で、フォレストアドベンチャーをやりたいという人の便宜を図るためだった。
私が「嘘とヤラセの天才」とこの7年間ずっと批判してきた前市長の忠実な部下が、谷口前副市長だった。
2016年2月の建設産業常任委員会でびっくり仰天
4年後。私の所属する建設産業常任委員会に馬場貢健康増進部長以下職員がきて「健康ふれあい施設きららの湯を民営化し、建物と備品のすべてを無償譲渡する」と言った。
私はびっくり仰天した。
きららの湯は、1年間の利用者が15万人を超え、市民に最も愛されている施設だった。
利用者のうち65歳以上の高齢者は、市の補助もあって1回300円で利用でき、とても喜ばれていた。
市民の健康維持に役立つことで、医療費が削減され、財政効果につながる。きららの湯は、市の健康づくりの拠点であり、全国有数のラドン温泉としても有名な施設だった。
それを突然どっかの会社にタダでやるって、どういうこと???
2016年3月議会 市「資産価値は固定資産評価額で2億7千万円」
部長は「建物の固定資産評価額は2億7千万円」と答えたが、マッサージ機やテレビ、エアコン、厨房機器…何千何百もの備品で4~5千万円になっただろう。それらもすべて無償譲渡。1日に何十トンも湧き出るラドンの原水も。お金には代えられない宝のはずだった。
3月議会後、私が配布したビラ。
2016年4月13日の建設産業常任委員会 市「6社に声かけした」…
市の担当部が「きららの湯の民間移譲に関する応募要項ができた」と説明にきた。
驚いたことに、すでに市内の6業者に「きららの湯を経営しないか」と声かけしたという。「買ってくれ」ではない。「タダでやるから経営しないか?」と持ちかけたのだ。
「6つの業者とはどこですか?」と聞くと、
「①ワンツースイミング(平成)、②元気俱楽部、③Bドロップ、④まむし湯、⑤志摩の湯⑥日食システム」と答えた。
「①から⑤は、どこもプールや温泉を経営している会社だけど、日食システムは違う。応募資格はないでしょう」
そう言うと「いいえ、あります」という。
配られた資料を見ると、「市内において…トレーニングジム・プール又は屋内温浴施設を設置運営する法人」の後に、若しくは施設内において、施設の運営と連携した事業運営を行っている法人」と付け加えてあった。
それがきららの湯で食堂を経営している日食システムだという。
あっけにとられた。あまりの屁理屈に笑いそうになった。
笑ってはいけない。市はいつも本気だ。
そしてどういうわけか応募したのは、(株)日食システムだけだった。
会社設立は応募の2年前 応募資格がなかった会社
これは2016(平成28)年6月17日、(株)日食システムがきららの湯の移譲先に応募するため、市に提出した登記簿。情報公開で入手した。
会社設立は2014(平成26)年6月2日と書いてある。
会社設立は応募のわずか2年前で、会社の事業目的には飲食店の経営や人材派遣業はあってもプールや温泉経営はない。
きららの湯の業者選定で、市は応募者に「3年間の経営報告書」を求めた。それがこれ。
会社は設立2年で3期分の経営報告書を出せず、応募資格はなかったのだ。
それについて一年後市は私の質問に「設立年数は関係ない」「出された1期分を審査したから、問題ない」と答えた。
こんなデタラメな答弁が通用する糸島市議会は、常軌を逸している。
これはきららの湯移譲先選定委員会の委員名簿。他の方々は別として、谷口副市長は業者選定でヤラセをやった経歴があり、信用ゼロ。
よってこの事業者選定はアウト!
議会が黙認したから責任を取らずに退職できたが、本当は松本前市長とともに市に甚大な被害を与えた責任を取って謝罪すべき人。
2016年9月議会で議決
健康ふれあい施設二丈温泉きららの湯を無償譲渡するため、月形市長は「議案第85条 財産の処分及び貸付について」を9月議会に提案した。
私は日食システムがどんな会社か確かめようと、議案に書かれた契約相手方法人の住所を頼りに行ってみた。
市役所のすぐ近くだったからすぐわかったが、会社らしい建物はなく、看板も見当たらない。
市の温泉施設を無償で譲渡しようとしている会社が、どこにあるかよくわからないとはどういうことだろう。
この議案の審査は市民福祉常任委員会(井上健作委員長)が行ったが、きららの湯を現地調査せず、日食システムの経営状況も議論せず、わずか1時間余りの会議で全員賛成で可決した。
賛成討論は、三嶋俊蔵議員と徳安建成議員。
最終日に糸島市議会が議決して、健康づくりの施設「二丈温泉きららの湯」は、2017年4月1日月形祐二市長と(株)日食システムの社長が契約を結んだ。これがその契約書。
この契約書で市の何億円もの財産=温泉が民間業者の所有となった。
市長答弁
副市長答弁
現地調査はしていない
よう応募してくれた
~声かけした業者は6社と言うが…
無償譲渡前にSNS上にアップされていたきららの湯の写真。
最近、市民の方から「市はきららの湯を環境技研にやるつもりだったけど、断られて日食システムにやったという噂を聞いたけど、どうなんですか?」と聞かれた。
「さあどうでしょう。でもほかの財産の無償譲渡先を調べると平成つながりが多いので、あり得ますね」と答えた。
無償譲渡した3年前、業者の中には「平成の環境技研はプールを経営しているし、温泉もやりたかったんじゃないのか。だが直前になって儲からないと判断して断った可能性がある」という人や、
「断られて新しい譲渡先を慌てて探した疑いがある。でないと会社を作ったばかりの人に3億円もの財産を市がタダでやるもんか」という人もいた。
応募の決定からわずか1年で公の施設を無償譲渡したのだから、市中にさまざまな噂が飛び交ったのも無理はない。
当時、平成グループのプール運営を任されていたN氏が「公共事業が減っていく時代には、健康づくり事業で行政と連携したビジネスが効果的」と提言をされていた。だから私も、きららの湯の活用に関心を持っていたのは平成だろうと思っていた。
当時の様子を簡単に振り返ってみよう。
2012年6月議会における質疑~答弁者は副市長
◯17番(井上健作君)
…今後この行政改革等々の中で(きららの湯を)このままずっと続けるのか、老朽化の話もあります。もう10年たちますといろんなところが壊れたり機械を変えたりしなければいけません。…公共施設の有効利用というのは、やはり民間に対する大きな期待もございますので、その辺の考え方について谷口副市長にお答え願いたい。
◯副市長(谷口俊弘君)
運営に当たっては、たまたまここ2年間黒字を計上しておりますものの、依然として先行きは楽観できないというふうに思っております。そこで、民間委託等も踏まえて今後検討は進めていかなければなりません…。
このときまだ判明していなかったが、谷口副市長はこの答弁をした4か月前の2012年2月3日、洞農林水産部長らとともにヤラセの事業者選定を行った張本人だった。
深江の二丈庁舎において林間施設の指定管理者選考会を開き、まだ設立されていない会社をあると偽って選考し、虚偽の指定管理者決定書を作成し、市の森林公園とキャンプ場を無償貸付する議案にすり替えて3月議会に提出していた。
松本嶺男前市長の命令で、フォレストアドベンチャーをやりたいという人の便宜を図るためだった。
私が「嘘とヤラセの天才」とこの7年間ずっと批判してきた前市長の忠実な部下が、谷口前副市長だった。
2016年2月の建設産業常任委員会でびっくり仰天
4年後。私の所属する建設産業常任委員会に馬場貢健康増進部長以下職員がきて「健康ふれあい施設きららの湯を民営化し、建物と備品のすべてを無償譲渡する」と言った。
私はびっくり仰天した。
きららの湯は、1年間の利用者が15万人を超え、市民に最も愛されている施設だった。
利用者のうち65歳以上の高齢者は、市の補助もあって1回300円で利用でき、とても喜ばれていた。
市民の健康維持に役立つことで、医療費が削減され、財政効果につながる。きららの湯は、市の健康づくりの拠点であり、全国有数のラドン温泉としても有名な施設だった。
それを突然どっかの会社にタダでやるって、どういうこと???
2016年3月議会 市「資産価値は固定資産評価額で2億7千万円」
部長は「建物の固定資産評価額は2億7千万円」と答えたが、マッサージ機やテレビ、エアコン、厨房機器…何千何百もの備品で4~5千万円になっただろう。それらもすべて無償譲渡。1日に何十トンも湧き出るラドンの原水も。お金には代えられない宝のはずだった。
3月議会後、私が配布したビラ。
2016年4月13日の建設産業常任委員会 市「6社に声かけした」…
市の担当部が「きららの湯の民間移譲に関する応募要項ができた」と説明にきた。
驚いたことに、すでに市内の6業者に「きららの湯を経営しないか」と声かけしたという。「買ってくれ」ではない。「タダでやるから経営しないか?」と持ちかけたのだ。
「6つの業者とはどこですか?」と聞くと、
「①ワンツースイミング(平成)、②元気俱楽部、③Bドロップ、④まむし湯、⑤志摩の湯⑥日食システム」と答えた。
「①から⑤は、どこもプールや温泉を経営している会社だけど、日食システムは違う。応募資格はないでしょう」
そう言うと「いいえ、あります」という。
配られた資料を見ると、「市内において…トレーニングジム・プール又は屋内温浴施設を設置運営する法人」の後に、若しくは施設内において、施設の運営と連携した事業運営を行っている法人」と付け加えてあった。
それがきららの湯で食堂を経営している日食システムだという。
あっけにとられた。あまりの屁理屈に笑いそうになった。
笑ってはいけない。市はいつも本気だ。
そしてどういうわけか応募したのは、(株)日食システムだけだった。
会社設立は応募の2年前 応募資格がなかった会社
これは2016(平成28)年6月17日、(株)日食システムがきららの湯の移譲先に応募するため、市に提出した登記簿。情報公開で入手した。
会社設立は2014(平成26)年6月2日と書いてある。
会社設立は応募のわずか2年前で、会社の事業目的には飲食店の経営や人材派遣業はあってもプールや温泉経営はない。
きららの湯の業者選定で、市は応募者に「3年間の経営報告書」を求めた。それがこれ。
会社は設立2年で3期分の経営報告書を出せず、応募資格はなかったのだ。
それについて一年後市は私の質問に「設立年数は関係ない」「出された1期分を審査したから、問題ない」と答えた。
こんなデタラメな答弁が通用する糸島市議会は、常軌を逸している。
これはきららの湯移譲先選定委員会の委員名簿。他の方々は別として、谷口副市長は業者選定でヤラセをやった経歴があり、信用ゼロ。
よってこの事業者選定はアウト!
議会が黙認したから責任を取らずに退職できたが、本当は松本前市長とともに市に甚大な被害を与えた責任を取って謝罪すべき人。
2016年9月議会で議決
健康ふれあい施設二丈温泉きららの湯を無償譲渡するため、月形市長は「議案第85条 財産の処分及び貸付について」を9月議会に提案した。
私は日食システムがどんな会社か確かめようと、議案に書かれた契約相手方法人の住所を頼りに行ってみた。
市役所のすぐ近くだったからすぐわかったが、会社らしい建物はなく、看板も見当たらない。
市の温泉施設を無償で譲渡しようとしている会社が、どこにあるかよくわからないとはどういうことだろう。
この議案の審査は市民福祉常任委員会(井上健作委員長)が行ったが、きららの湯を現地調査せず、日食システムの経営状況も議論せず、わずか1時間余りの会議で全員賛成で可決した。
賛成討論は、三嶋俊蔵議員と徳安建成議員。
最終日に糸島市議会が議決して、健康づくりの施設「二丈温泉きららの湯」は、2017年4月1日月形祐二市長と(株)日食システムの社長が契約を結んだ。これがその契約書。
この契約書で市の何億円もの財産=温泉が民間業者の所有となった。
市長答弁
副市長答弁
現地調査はしていない
よう応募してくれた
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