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ちよ便り26号

2021年10月22日

ちよ便り26号

多面的機能支払交付金の不正受給とその隠ぺいについて

※ 以下の画像はクリックすると拡大できます。


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画像


議会で「領収書の偽造」を指摘しても、「調べる必要がない」という市の答弁。

法令順守のカケラもない腐った市政を象徴しています。

16年前の前市長から続く異常な市政は、「赤信号 みんなで渡れば怖くない」という言葉がぴったりです。


ちよ便り26号に書いていることは、すべて裏付ける証拠資料があります。

今後ブログの中で必要な資料は公表します。おびただしい法令違反によって市の財政が食い物にされているからです。

次のブログでは、具体的に不正受給のカラクリを解説します。

画像が見えにくいという声があるので、ひとつひとつ、拡大してご説明します。
















多面的機能支払交付金とは?



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「そもそも、多面的機能支払交付金とは何ですか?」

「日当とは何ですか?」

という質問があったので、書いておきます。

農業、農村には、洪水や土砂崩れの防止、自然環境の保全、美しい風景の形成などの様々な働き(多面的機能)があります。農林水産省は、多面的機能が適切に発揮されるよう、都道府県・市町村と連携し、交付金により地域の共同活動を支援するようになりました。

平成20年度から25年度までは、「農地・水保全管理支払交付金」という名で行われ、平成26年度から制度の名称が「多面的機能支払交付金」に変わりました。

過疎化、高齢化等の進行にともなう集落機能の低下により、農地・農業用水路の適切な保全管理が困難になったことから始まった制度です。

「農林水産省 多面的機能支払交付金」で検索すると、たくさんの関係資料がでてきます。

下にリンクを貼っていますので、クリックしてみてください。

農林水産省「多面的機能支払交付金」


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この交付金は、地域で話し合い、組織づくりや計画づくりを行い、それぞれの地域にあった取組に活用でき、活動参加者の日当や、必要な資材の購入等に使うことができます。

たとえば、土手の草刈りや農業用水路の泥上げ作業に出てきた人(農家、非農家)に対して、労賃として4千円とか8千円とかの日当を、支払うことができるのです。

交付金を受け取るためには、住民組織をつくる必要があります。その組織は、行政区とは全く別の組織であること、従って、総会や名簿が独自に必要なこと、農業用水路や農地の管理が目的なので、たとえば行政区が行う住宅地の環境美化にこのお金を使うことはできません。


市が監督責任を放棄

糸島市は、久留米市、柳川市についで交付金の額が多く、活動組織も81団体あり、年間交付額は1億5千万円です。金額はひとつの組織で数十万円から700万円を超えるところまでさまざま。

市にはPTA、障がい者団体など、補助金を受けている団体がたくさんあります。年間数万円の補助金であっても、毎年きちんと監査がおこなわれ、一円の間違いもないように指導されています。多面的機能支払交付金も公金である以上、法律の趣旨にそってきちんと使われなければなりません。

しかし今回、名簿や領収書、総会資料、金銭出納簿がズサンな組織があることがわかりました。長年日当(労賃)を払っていない、活動参加者を把握していない、領収書を勝手に作る…などのことは、あまりにひどすぎます。

行政区長や市の職員が関わりながら、書類が不備だらけ。受領書や領収書を他人が勝手に名前を書いて捏造するとは恐ろしい。松本嶺男前市長のときから月形祐二市長まで、長年にわたり市が監督責任を放棄してきた結果です。


交付金の返還をさせた佐賀県の例

佐賀県で数年前、上峰町という町で、ある住民組織が補助金を返還させられました。地域住民の合意を得ず、勝手に組織を作り、10年にわたって交付金を受け取っていたからです。

2017年12月18日付の朝日新聞の関連記事より

「上峰町で住民組織「大字堤(おおあざつつみ)地区農地・水・環境向上活動協議会」が住民の同意なしに設立・運営され、国などの交付金を受けていた問題で、町は組織の役員数人を詐欺の疑いで年内に刑事告訴する。武広勇平町長が15日、記者会見して明らかにした。

 町は、協議会設立の2007年度から16年度までに支給された約3750万円の交付金全額がだまし取られた疑いがあるとしている。理由として、

(1)組織は住民から設立の同意を得ていない

(2)町には同意を得ていると虚偽報告していた

(3)交付金の使途を確認する書類が不備、などを挙げた。・・・」

 どんな不正でもきちんと調べて適切な指導をし、再発防止を図る。場合によっては公表し、責任を取らせる。行政がそれをしなければ、まちは無法地帯となってしまいます。

 その点、毅然と対処した上峰町の町長は立派というべきでしょう。


多面的機能支払交付金 関連ブログ1 リンク⇩

〇九州農政局へ「亡くなった人の領収書があってもいいのか?」

〇証人尋問~「迷惑はかけない」と母は領収書を書かされた

〇告発者を訴えた裁判~「咎めだてしない」約束

〇2024年3月議会一般質問

〇私が訴えられた裁判の争点

〇「市長への手紙」で誹謗中傷

〇県に市が「事実確認しない」と回答

〇決算書はデタラメ~馬場副市長「適正な事務」

〇私文書偽造を許す市役所

〇県の事実確認の依頼を市が放置

〇これのどこが農用地?環境美化のボランティア活動で農業の交付金を不正受給

〇ちよ便り35号~農業者に出方のお金が支払われていない ちよ便り26号、27号、29号、30号、32号、33号、34号、35号参照


多面的機能支払交付金 関連ブログ2

①多面的機能支払交付金の闇①領収書の偽造、補助金の水増しは犯罪

②多面的機能支払交付金の闇

③多面的機能支払交付金とは?

④ちよ便り26号~多面的機能支払交付金の不正受給とその隠ぺいについて

⑤ちよ便り26号 上を文字化しています

⑥私文書偽造を許す市役所

⑦一般質問の妨害はやめてください

⑧法令順守なき市の答弁

⑨犯罪を見て見ぬふりの市と議会

⑩ちよ便り27号~住民は溝さらえの日当をもらっていない

⑪ちよ便り30号~県への情報公開で大量の虚偽公文書発見(総会資料のねつ造、領収書の偽造…)

⑫不正の追及を議会が妨害

⑬ちよ便り31号~交付金の不正受給と農業者への日当未払い

⑭嫌がらせ

⑮これのどこが農用地?

⑯デタラメな決算書


関連ブログ3~日当未払いと同じ構図

地震被災者に義援金配らず私物化した松本嶺男前市長



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5年分の未払金264万円を去年支払う

泊一環境保全組合は、10年以上にわたり、環境美化の日当(1回2千円)を住民に支払ったと市に報告しながら、実際は支払っていなかった。そこで市は、昨年6月、その一部の264万円をわずか2週間で住民に配らせた。これはそのときの領収書。この中には偽造された領収書が複数混じっていた。


議長~不正の追及を「あらさがし」

9月17日の議員全員協議会の中で、田原耕一議長(自民系)は私の多面的機能支払交付金についての一般質問を「あらさがし」と言った。そして「自分も百姓。草刈りは大変たい。この交付金で助かっとるたいね。これがなければもっと多くの税金を使って市がしなければならなくなる」と。

それに多くの議員がうなづいた。

私は驚いた。「領収書に人の名前を勝手に書くのは犯罪ですよ。それを見逃すことはできません」

「伊藤議員は、自分ばかりが正しいと思っている。人の意見を聞かない」という別な議員。

「補助金はすべて公金。市に不正を正せと言って何が悪いのですか…」しかし賛同する議員はいなかった。

建設産業常任委員長の小島忠義議員(自民系)が「伊藤議員の質問は、市の事務の範囲を超えとる。また12月議会で質問するって言いよるけど、どうするとかいな」と言った。

何としても私に質問の続きをさせたくないようだ。

私は言った。「1億5千万円の補助金は、ばく大ですよ。農家の議員のみなさん、あなたがたも多面の組織に入っているでしょ。いい制度でも不正はいけない。他にも同じような不正をしている組織があり、12月議会でも取り上げます」

しかし賛同する議員はいなかった。共産党もこの件に関しては、保守の彼らと同じ立場をとっている。

毎年81団体に総額1億5千万円という多額の交付金。ちなみに田原議長の地元の「井原環境を守る会」への多面的機能支払交付金は、令和元年度736万4428円、令和2年度736万4428円であった。法令にそった運営が求められるのは言うまでもない。


職員T氏の「人権擁護委員候補者の推薦」が可決(反対伊藤のみ)

9月17日、泊一環境保全組合の事務長で市の職員T氏を「人権擁護委員の候補者」に推薦する諮問第9号が市議会で可決した。

私は「 人権擁護委員は人権感覚の優れた人で、市民の間で人権侵害がないかどうかを見極め、発見したらすぐに対応することができる法令順守の精神を持った人材であることが必要。月形市長が推薦した候補者は市の職員で、昨年、農政局の指導を受け、膨大な公文書を修正し再提出した住民組織の事務長。氏名の冒用や資格のない人を会員にして交付金を受け取ってきた組織の役員である。よって法務大臣の委嘱を受ける資格に欠けている」と述べ、反対した。

しかし他の18人の議員全員が賛成した。

T氏は、今年の2月から数回にわたり、市民から人権侵害の苦情を訴える文書を送付されている。市民とは、多面的機能支払交付金に関して農政局に告発した人たちである。月形市長は、不正とパワハラの実態を調査もせず無視して、T氏を人権擁護委員の候補者に推薦する提案をした。とても認められない。


不正を正してこそ日本共産党

9月14日、私の一般質問のとき、傍聴席の一番前に当該組合の役員の方々が座っていた。途中で黙って聞いていられなくなった役員の一人が、何やらごちゃごちゃ言い始め、ついに大きな声で「泊(地区)に恨みでもあるんか!」と怒鳴った。会長(先月辞任したらしいから前会長)の声だった。

私はヤクザではなく議員。個人的な恨みで質問はしない。公金の使い道に問題があり、それを市が正さないから、議会で取り上げているのである。

怒鳴ったその人は、共産党の関係者だった。信じられない。私が知っている日本共産党は、女性の人権や弱者の人権、ヒューマニズムを何より尊ぶ政党。他の議員の活動に圧力を加えたり、行政への告発者に嫌がらせするような卑劣な行為とは縁のない良識ある人々の集まりだったはず。

9月議会で共産党市議団は、市と組合の側に立って、多面的機能支払交付金の問題を「不正」と判断せず、役員である職員の責任を問わない立場をとった。

常に権力の監視役として活躍してきた共産党なら、党の関係者が関わった交付金問題について公文書を調査し、事実を公表する勇気と見識をもつべきだ。何もなかったでは済まされない。


チェック機能果たさない議会と暴走する市

議会にチェック機能がなく、嘘とヤラセがまかり通る糸島市役所には、虚偽公文書があふれている。保育所の無償譲渡では、申請書も決定書も議案も内容虚偽だった。

松本嶺男前市長の選挙対策本部長で、元副議長の井上智氏が代表だった浦志の前原東土地区画整理事業。関連事業も含め、およそ50億円を投入した。

そのときの都市計画課長が、実は泊一環境保全組合のT事務長だ。農業振興地域を除外する会議で、彼が虚偽説明したことを議会で取り上げ、問題にしたのは私である。

当時小島議員は、建設産業委員と農業委員の肩書をフルに活用し、この開発で共同所有する溜池を住宅地にして売却、多額の利益を得た。新駅建設の先頭に立ち、地元不動産業者として自ら所有する賃貸物件の価値を大きく向上させた。

10年経って、開発の中心は浦志から九州大学の門前町、泊・馬場に移った。今その中心に職員T氏がおり、今年、泊土地区画整理事業の副会長に就任した。

松本前市長は、利権絡みの事業を推進するためには手段を選ばない人だった。利害関係者の職員を担当者にすえ、「自分の金儲けのためにしっかりやれ」というような人事を行った。

月形市長もまた、職員I氏が前原東土地区画整理事業の利害関係者であるにもかかわらず、建設都市部長として開発の先頭に立たせた。土地区画整理事業への支出は、大きく膨れ上がった。

寺崎強議会運営委員長が議員全員協議会で「いたらんこったい!オマエは帰れ!」とヤクザのように私を怒鳴ったのは2019年の3月議会でのこと。保守仲間の小島議員をかばっての暴言だが、この時も田原議長は全く注意せず、他の議員は全員、いつものように黙って様子を見ていた。

「暴言は議会制民主主義を破壊する」と口では言えても、その場の暴言を注意せず黙っているなら、彼らの横暴を助長させるだけである。

糸島市の腐敗体質の根幹を支えているのは、倫理観も法令順守の観点もない市議会そのもの。



領収書の偽造、補助金の水増しは犯罪




組織の役員は、会長も事務長も市の職員

9月14日10時から、市議会で一般質問をおこなったので、アップします。

議会が終わって家に帰ると、九大名誉教授のA先生から電話を頂きました。ライブ放送で、私の質問を傍聴してくださったのです。

「伊藤さん、とてもいい質問でしたね。それを言いたくて、電話しました」とのこと。感謝。

今回は「多面的機能支払交付金事業」を中心に質問しました。

市が年間1億5千万円の予算を組んで行っている事業で、81の住民組織が活動しています。草刈りや水路の泥上げなどの作業をしたら、4000円とか8000円とかの日当が出せる仕組みです。

交付金の多い組織では、年間に収入が800万円くらいのところもあります。活動資金はすべて公金なので、市が適切な指導をして法律にそった運営が必要です。

しかしきちんとした活動をしている組織がある一方、そうでない組織があることがわかってきました。


〇〇環境保全組合は、平成19年度に設立された住民組織のひとつですが、昨年2月、「会計がおかしい」という地元住民の告発がきっかけで九州農政局の検査を受け、不正の実態が一部明らかになりました。

たとえば、10年にわたって住民に支払っていない日当を「支払った」として市に虚偽報告し、補助金を水増しして受け取っていたのです。

引っ越した人をそのまま会員にし、活動に参加していない人へも日当を払ったとして虚偽の受領書を作成していました。

虚偽報告による補助金の詐取は、補助金適正化法違反です。ふつうなら補助金返還等のきびしい措置が取られます。

ところが同組合は、過去5年間の書類を約400ページ書き換え、未払い金の一部である264万円を住民に配付することで、行政は何もなかったことにしたのでした。

いったいなぜでしょうか?

この住民組織の会長と事務長はふたりとも市の職員で、事務長は市の幹部でした。

居住地における現職公務員の不祥事を、市がこっそり隠ぺいした形になっていたのです。


再提出した領収書にも虚偽記載…市は「調査しない」の一点張り

昨年6月、2週間で環境保全組合が住民に総額264万円の現金を配って回ったとき、「領収書は自筆のサインをもらうこと」と定められていました。

同じ苗字の人が多いので、一本の印鑑で何人もの領収書を作ることができるからです。そして実際、そのようなことをしてきたからです。

しかし今年7~8月、私が県へ情報公開し、調査したところ、他人が勝手に書いた領収書が複数見つかりました。

活動に参加していない人への日当払いも明らかになりました。日当を払っていないのに、払ったとする受領書もありました。

「これは犯罪です。県と国にも連絡し、調査してください」と私が質すと、市は「調べない」の一点張り。

市を何度も騙した職員を、どうして調べもせず、許すのでしょうか?

その上、市長はこの職員を、今度の9月議会で人権擁護委員の候補者に推薦していたのです。…

(つづく)







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