施設カルテについて市が説明した文書
http://www.city.itoshima.lg.jp/s043/010/010/010/010/004/20190619145131.html
施設カルテの虚偽を許すな~公文書偽造は犯罪
施設カルテとは、糸島市にあるさまざまな施設の概要をまとめた重要な公文書です。
病院で患者一人一人にカルテがあるように、市の施設にもそれぞれカルテがあります。
施設カルテは議員全員に配布され、インターネットで一般社会に公表され、だれでも見ることができます。
ところがその施設カルテに大きな虚偽、偽りがあった
まず、市が「フォレストアドベンチャーに貸付するために廃止した」と議会で答弁した森林公園樋の口ハイランドが、存在する施設としてカルテに堂々と載っていること。
そのうえ「委託契約書」が存在しないにもかかわらず「運営方法 包括委託」と虚偽記載をしていること。
さらに廃止したはずの樋の口ハイランドの「利用者数」が3万7千人以上と、事実無根の虚偽があること。
これらが6月議会の私の一般質問で明らかになりました。
しかし「議員に配った公文書にウソがあっていいのか?」と疑問を発する議員はいません。
これまで同様、まったく完璧に無視しています。なぜでしょう?
まさか公文書に虚偽があってもいいと、思っているのでしょうか?
それとも「それぐらい、いいっちゃないか」と思っているのでしょうか?
もしかして「そのことは知っていたばい」とでも言うのでしょうか?
2017年の9月議会で、私が「○○の株を持っていた」と言うべきところを「持っている」と言い間違えただけで、「うそつくな!」「調査が足らん!」と怒って懲罰委員会を立ち上げた、あのときの勢いはどうしたのでしょう?
議会は、行政をチェックすることが最も大切な仕事ではないのですか?
見えすいた虚偽記載
虚偽の公文書を作らされる職員たちは、腐敗した政治の犠牲者です。
こんな見えすいた虚偽公文書の作成が平気でできるのは、上層部の公務員倫理が相当麻痺していることと、議会がそれを黙認してくれると強く確信しているからです。(そもそもフォレストアドベンチャーの口利きをしたのは、当時の建設産業委員会の有力議員でした)。
インターネット上に公表された施設カルテを見た国や県の職員、一般社会の人々は、「樋の口ハイランドが包括委託で運営され、利用者が3万人以上あるきちんとした施設」という間違った情報を信じてしまいます。
「包括委託」や「利用者数3万〇〇人」がウソ偽りだと、だれにもわかりません。
市が意図的、組織的に虚偽の公文書を作成し、真実ではない情報で市民・社会をだますのは、卑劣な犯罪です。
公文書偽造は公務員にとって重い罪。虚偽公文書作成等罪(刑法第156条)にあたります。
そんなことを市役所ぐるみでやるなど「想定外」。「ありえない」とだれでも思うでしょう。
しかし「事実は小説より奇なり」。
「なぜ市役所ぐるみで施設カルテに虚偽記載をする必要があったのか?」
その謎を解くカギは、平成24年の公文書にありました。(つづく)
左 施設カルテ「樋の口ハイランド」は虚偽。
右 施設カルテ「真名子木の香ランド」は真実。
糸島市施設カルテ112ページ。昨年、総務部が作成。
「委託契約書はございません」~施設カルテでわかった樋の口ハイランドの違法貸付
今年4月、市から配布された「施設カルテ」をじっくり見ていたら、その112ページに廃止されたはずの樋の口ハイランドが載っていて、驚きました。
施設のID番号まで付けられ、所管、農林水産課と。
「樋の口ハイランドは廃止したから公の施設ではない。だから民間に土地と建物を全部貸しても問題ない」という市の説明は、真っ赤なウソだったのです。
施設カルテには、
「利用者数 3万7,613人」と書いてあります。
廃止した施設の利用者数が3万7千人!
なんというデタラメな市役所でしょう。
いとう 樋の口ハイランドは廃止したはずなのに、利用者数が年間3万7,613人と書いている。どういうことか?
市 その数字は、フォレストアドベンチャーの利用者の数である。
※民間業者の営業実績を、なんと公園の利用者数にすり替えていたのです。
そしてカルテには「運営方法 包括委託」と書いてあります。
廃止した公園の運営方法が包括委託とは、ありえません。
いとう 樋の口ハイランドは「廃止した」と言っているが、「運営方法 包括委託」と書いてある。どこに包括委託しているのか。
市 パシフィックネットワークに委託している。
いとう その委託契約書はあるのか。
市 委託の契約書はございません。
いとう パシフイックネットワークとの契約は貸付であって、委託ではない。
※契約書が存在しないのに、委託と書く。でたらめです。
糸島市では、公文書の虚偽記載がまかり通ってきました。議会がチェック機能を果たさず、黙認するからです。
これではどんな不正もやりたい放題です。
いとう 公務員による公文書の虚偽記載は、虚偽公文書作成等罪という刑法第156条に問われる恐れがある。委託でなければ、樋の口ハイランドの本当の運営方法は直営か、指定管理者か。
市 (包括委託を)貸付と変更させていただきたい。
※廃止した施設の運営方法が「貸付」とは…。
滅茶苦茶です。地方自治法にそって行政運営をするという最低限のことが、守られていません。
施設カルテの設置目的の欄に、見えないような小さな字で、「敷地の大部分をフォレストアドベンチャーとして貸付を行っている」と書いています。これこそが真実です。
つまり、
1、森林公園樋の口ハイランドは廃止されず「公の施設」として存在し、民間業者に違法貸付されている。
2、その違法貸付を隠すために「包括委託で運営され、利用者が3万人以上ある」と、施設カルテに虚偽の記載をしている。
ことがわかりました。
市は、地方自治法で許されない公の施設の「貸付」を「移管」にすり替えて行っています。市役所ぐるみでなんと7年間も。(つづく)
虚偽の議案第6号 ~「貸付」を「移管」と偽って議会に提出
平成24年(2012年)3月1日、松本市長は、林間施設を廃止する条例を議会に提出しました。
これが7年前、私が市から配布された議案第6号。
「森林公園樋の口ハイランドを民間に移管するため」と書いてあります。
しかし廃止理由は「移管するため」ではなく、「貸付のため」でした。
「貸付」を「移管」と偽って議会に提出していたのです。
地方自治法では、虚偽の議案は無効。
移管とは民営化で、施設の管理が移ること。施設そのものはなくならない。廃止されずに存続します。民間に無償譲渡された二丈温泉きららの湯や神在保育所の「移管」がそうです。
当時、私は「フォレストアドベンチャーへの貸付はおかしい」と議会で反対しましたが、たくさんの案件がある中で、この議案のウソに気づきませんでした。
市はいつもまともな説明をしないので、行政書士か弁護士のような法的知識がなければ、うっかりだまされてしまいます。
恥ずかしい話、議会のチェック機能とは、こんなものです。
重大な事実は、平成24年(2012年)3月26日、市議会で議決したのは「樋の口ハイランドの移管」であって、「貸付ための廃止」ではなかったということ。
樋の口ハイランドは、今も「公の施設」として存続
公の施設を100%、民間業者に貸付けるために施設そのものを廃止することを、地方自治法は禁じています。
だから「貸付のため」と書かず、「移管するため」とウソを書いたのでしょう。
「パシフイックネットワークの金丸氏に、樋の口ハイランドを土地建物ごと全部、10年間、年間10万円で貸付けている法的根拠はなにか?」と議会で聞くと、
「(議案6号で)施設を廃止し、いまは公の施設ではないから貸すことができる」と市は答弁しました。
しかしその法的根拠が怪しくなってきました。
福岡県が2億7千万円の税金を投入し、数年の歳月をかけて平成5年にようやく完成させた森林公園樋の口ハイランドを、平成24年に丸ごと民間業者に貸すために廃止する、ということは、いくら市長権力をもってしても不可能だったのではないでしょうか。
今年4月、市から配布された「施設カルテ」をよくよく見ていたら、その112ページにありました。廃止されたはずの樋の口ハイランドが、「施設名 森林公園 樋の口ハイランド」と掲載されて。
「なんだ、これは?」
市は「廃止した」と言っていたが、やはり公の施設じゃないか。
それについて市の答弁は…(つづく)
水源の保全はとても大切です。自然の大切さを学ぶために県が作ったのが、森林公園です。
右は賃貸借契約書。去年の6月議会で「会社の住所が違う」と指摘したら、市が書きなおした。重要な契約書にもかかわらず、訂正印がない。(今年4月時点)
樋の口ハイランドを年間10万円で借りてビジネスをしている会社は、東京の(有)パシフイックネットワーク
いとう 合併前、筒井秀来二丈町長が編さんした二丈町史には「自然を生かして整備された名所・樋の口ハイランドは、平成5年、森林公園として一貴山に2億7,400万円をかけて開設をされた。標高400メートルからの眺めはすばらしく、芝スキー場や新緑、紅葉など四季を通じて楽しめる」と書いてある。設置目的、公園面積をうかがう。
市 目的は、緑と触れ合いながら森林の大切さを認識し、自然環境についての関心を高め、研修及び交流の場としての活用を図り、もって林業の振興に資すること。面積は、約19.5ヘクタール。
いとう 観光協会のホームページには、「樋の口ハイランドは玄界灘の眺めを一望でき、広大な園内には桜、ツツジ、シャクナゲ、モミジが目を楽しませてくれる。特に5月初旬のシャクナゲ園は見事です」と書いてあった。森林浴が楽しめる3キロの遊歩道。園内を流れる小川では、子供たちが大好きな水遊びができる。公園の案内板にはパラグライダーの基地もあると書いてあった。この樋の口ハイランドは入場料が必要か。
市 入場料は必要ない。
いとう 樋の口ハイランドは白糸の滝から西へ何キロか。
市 約5キロの地点にある。
いとう 以前は「樋の口ハイランドで高原のさわやかな空気の中、お弁当を持ってのピクニックや草スキー、遊歩道の散策を楽しんだらいかがでしょうか」とあった。しかしいま、観光マップから樋の口ハイランドの名前が地図から消えて、フォレストアドベンチャー・糸島というアトラアトラクションの会社の名前に変わっている。樋の口ハイランドは廃止されたのか。
市 以前(平成24年3月議会で)、設置条例を廃止し、公の施設ではない。今は旧樋の口ハイランドという言い方が正確。
いとう ここで事業を展開している会社は、どこの何という会社か。
市 東京都の有限会社パシフィックネットワークである。
いとう 平成24年7月20日に市が会社と結んだ事業用定期借地権設定及び定期建物賃貸契約書がここにある。樋の口ハイランドの面積の何%をいつまでこの会社に貸す契約をしているのか。
市 土地の賃料は5万8,350円、建物の賃料は4万5,040円、年間10万3,390円。貸し付け面積は、敷地の全域である。契約終期は、令和5年3月31日。
いとう 福岡県が何年もかけて森林を切り開き、市民、住民が自然と触れ合いながら森林の大切さを学ぶ、その公園をわずか10万円で東京の会社に貸して、余りに安過ぎると思うがいかがか。
市 賃料等の積算は、糸島市行政財産の使用に関する条例に基づいて算出をしている。
いとう 施設でなかったら行政財産ではない。
無料だった樋の口ハイランドを廃止してビジネスに使わせている。フォレストアドベンチャーの利用料金は大人3000円、子ども2600円だ。お客は年間4万人近く大変な売り上げだが、一部は市の財政に入るのか。
市 市の財政のほうには入らない。
解説 《公園のままでは、営利企業に貸せない》
市の公園(施設)は、地方自治法で貸付を禁じられています。多額の税金を使って作られた住民のための施設を、営利企業に独占的に使わせてはいけないのです。当然ですね。
そして行政財産は、地方自治法で貸付を禁じられています。森林公園は、産業振興施設として明確な目的をもって作られた市の財産(行政財産)です。
ではなぜパシフイックネットワークは、森林公園樋の口ハイランドを使って、自由にお金もうけができるのでしょう?
「地方自治法違反ではないか?」と誰でも思いますね。
それに対する市の答弁はこうです。
「平成24年(2012年)の3月議会に「森林公園を廃止する」議案を提案し、議会で議決いただいた。設置条例が廃止されて、樋の口ハイランドはもう公園ではない。タダの20万平方メートルの土地と建物になった。だから、貸付ができる」と。
みなさん、森林公園樋の口ハイランドは、現在、存在しません。存在してはいけないのです。もし公園のまま貸し付けていたら、地方自治法違反です。地方自治法違反だと、市長と金丸社長が結んだ賃貸借契約書は無効になってしまいます。
だから「公園は廃止した」と市は答弁したのです。
ところが、この「森林公園を廃止する」議案には虚偽がありました。(つづく)
森林公園・樋の口ハイランドを
フォレストアドベンチャーに年間10万円で違法貸付!
※市は、子どもや市民が、無料で使えたステキな森林公園樋の口ハイランドを東京の会社のビジネスに使わせている。それも年間10万円というわずかな賃貸料で。
樋の口ハイランドの概要
・場所 白糸の滝から西へ基幹林道を4~5キロ。
・面積 20万平方メートル
・建物 3棟
・平成 5年完成
・事業費 2億7000万円
・目的 森林保護と自然の大切さを学ぶ施設
〇サクラ、つつじ、シャクナゲ、モミジなど、40種1万6千本が植えられた美しい公園だった。
〇子ども達が、草スキー、水遊びのできる公園だった。ペットを連れて楽しめた。
〇パラグライダーの基地もあった。
〇森林浴のできる遊歩道は、3キロもあった。
東京ドームの4倍以上の広大な公園で、この看板が入り口に掲げられていた。長年、森林組合が手入れし実に美しい公園で、特にシャクナゲ園は見事だった。
議員の口利きで東京の会社がぼろもうけ
自然の大切さを学ぶために、県が2億7千万円で作った森林公園樋の口ハイランドを、市は平成24年度から、年間わずか10万円で東京の会社に貸しています。
与党議員が口利きしたフォレストアドベンチャーに公園全部を貸すため、市は樋の口ハイランドを、廃止したのです。(注 しかし「廃止」はウソだったと後から判明する)。
荒れ果てた公園
二丈町史に「自然を生かした名所」とうたわれた「樋の口ハイランド」は、白糸の滝から西へ5キロ地点にあります。
「お弁当をもって、ハイランドにピクニックに行きましょう」と、以前は広報で宣伝していました。
しかし、公園を廃止し、フォレストアドベンチャーに貸し付けてから、整備されない公園は草が生い茂り、樹木が伸び放題。草スキー場は斜面が崩れ、危険な状態です。
きれいな小川や絶景の展望台は、ずっと立ち入り禁止。シャクナゲ園は、ロープで寸断されて見る影もありません。
市にばく大な損害
フォレストアドベンチャーは、樋の口ハイランドの土地に、アスレチックを建設し、大人3千円、子ども2千600円の料金で、アトラクション事業、物品販売をしています。
市の土地、建物を自由に使って、ビジネスをしているのです。
いとう~月形市長が、(有)パシフィックネットワークと結んだ賃貸契約書では、公園の賃貸料は年間いくらか?
市~土地の賃料は5万8350円、建物の賃料は4万5040円。年間10万3390円。
いとう~無料で遊べた公園を、そんな安い値段で東京の会社に貸して、売り上げの一部は市の財政に入るのか。
市~市の財政には入らない。
フォレストアドベンチャーへの貸付は、公園財産を損壊し、市民の利用する権利を奪い、ばく大な損害を市に与え、しかも地方自治法244条違反です。
また7年前の公園を廃止する議案は、廃止理由が虚偽でした。私もだまされて今年5月まで気づきませんでした。(つづく)
(「ちよ便り18号」から。)
大事な案件なので、今後、一般質問に基づき、写真もいれて具体的に説明します。
もともとは、福岡県が二丈町と県民のために作ってくれた広大な森林公園だった。この案内板でもわかるが、手入れの行き届いた花の咲き乱れた美しい公園だった。
いまそれを、100%東京の会社に貸し付け、アトラクション事業をさせている。
かつて、子どもたちが歓声をあげて遊んでいた草スキー場。
しかし今では斜面が崩れ、危険なまま放置されている。
かつて子どもたちが水遊びできた小川は、立ち入り禁止に。
玄界灘が一望できた展望台も、立ち入り禁止。
無料で遊べた公園が、今は大人3千円、子ども2600円が必要なアトラクション施設に変わった。
かつては市民や観光客が森林浴をしていた遊歩道。ゴミが積まれたまま。
タダ同然で会社に貸し付けられた市の建物。
多くの市民が見物に来ていたシャクナゲ園の中にアスレチックが作られた。市民が無料で花を愛で、憩い、自然の大切さを学ぶ場ではなくなった。
樋の口ハイランド森林公園は、年間10万円で貸し出され、10年間、フォレストアドベンチャーが独占的にビジネスをする権利を得た。なぜこんなことが許されるのか?
元々、糸島市二丈には、2つの森林公園があり、1つは樋之口ハイランド、もう一つは真名子木の香ランドキャンプ場。
はじめ、市は木の香ランドキャンプ場もフォレストアドベンチャーにタダで貸していた。虚偽の議案を使って便宜を図ったが、キャンプ場だけは後で市の施設として取り戻した。
これが木の香ランドの一部。家族で楽しめる実にステキなキャンプ場である。場所は樋ノ口ハイランドと加茂ゆらりんこ橋の間にある。
ここでビジネスしたいと言った人に、松本嶺男前市長が2つの森林公園をタダで貸したのが、そもそもの不正の始まりだった。
議員が口利きした人のために、市は存在しない会社を指定管理者に選定しました。その手法は?
いとう 業者選定の応募要項には、提出しなければならない書類がいっぱい書いてある。1番大事なのは、会社の登記簿証明書だが、会社は存在しないから出せない。応募者は何を出したのか?
産業振興部長 非法人の場合は、代表者の身分証明書を提出していただく。
いとう 社長になる予定の人の身分証明書は何を出したのか?
産業振興部長 代表者の運転免許証である。
いとう 資産や財政状況は何の書類で審査をしたのか?
産業振興部長 事業報告書、収支計算書は提出の義務付けはしていない。
いとう 会社の資産とか財産とか、何一つ調べなかったと言うことだ。
この審査をした谷口前副市長は、その後、簿価5億円のきららの湯の無償譲渡の業者選定も行ない、応募資格のない設立2年の業者を選定しました。
今日、それに関わる行政裁判が福岡地方裁判所で行われます。きららの湯をただでやるな!の裁判です。支援しましょう!
またこの業者選定を主導した農林水産部長はいま総務部長をなさっています。
法令遵守はどこにあるのでしょうか。
12月12日の一般質問の後、市が虚偽の答弁を繰り返すので私は具合が悪くなり、寝込んでしまいました。胸の動悸がひどく議会最終日も出席できませんでした。
18日は市長や議員の報酬アップの採決が行われ、夕方からきららの湯で市の執行部と議会との懇親会が行われました。ワイワイガヤガヤ、にぎわったことでしょう。参加しなかった議員は、私を含め3人だけだったようです。
多くの市民が貧困に苦しみ、市がやるべきことはたくさんあります。常に弱者の立場で、来年も頑張りたいと思っています。
※ 写真は、木の香ランドキャンプ場の一部。数億円の財産をただで貸すために、市は存在しない会社の指定管理者選考会を行った。
夏には子どもたちの笑い声があふれるキャンプ場が、森林ビジネスを計画中の利害関係者の目に止まった。
こんなに美しい市民の財産が、フォレストアドベンチャー事業をしたいと思っていた利害関係者の目にとまった。それがすべての始まり。
≪数億円の林間施設財産を、10年間、無償で貸す議案が可決≫
多数決では、議員の過半数(時には3分の2)が味方なら、なんでもできる。今の安倍総理率いる自民与党の国会のように。
2012年3月26日、3月議会の議決で数億円もの財産を、10年もタダで貸すという、市にとって不当な契約が合法的に実現した。議会直前に設立された会社に。
30ヘクタールの土地とキャンプ場、森林公園をタダで貸す契約議案が可決したとき、二つの施設はまだ行政財産であった。
会議録で、そのときの様子を見てみよう。(232ページ)
建設産業常任委員長(浦伊三次君)
委員長報告をいたします。
平成24年3月定例会で建設産業委員会に付託されました議案8件及び請願1件につきまして、審査の経過と結果をご報告いたします。…略
議案第6号 糸島市林間施設条例を廃止する条例について及び議案第25号 財産の貸付についての2議案に関する審査の経過と結果ですが、執行部からの説明を受け審査に入りました。
これらの議案は、真名子の木の香ランドと樋の口ハイランドの設置条例を廃止し、民間業者へ、土地、建物等の財産を(無償で)貸し付ける内容のものであります。
審査の中で、「住所も不正確で、今、資金を集めているような会社は信用できない。そのような会社に市民の財産を10年も無償で貸し付けることには賛成できない」等の意見が出された一方、
「現在の指定管理者制度のままでは発展するとは思えない。そのような中で、林間施設に目をつけてもらってよかったと思う。ただし、民間にまかせっぱなしではなく、行政でできることは最大限支援するべきである」といった意見がだされました。
採決の結果、これらの議案につきましては、両議案とも賛成多数により原案のとおり可決することに決しております。
(委員会での反対は私一人で、他の議員はみな賛成であった。)
採決
議案6号の反対討論は檜和田正子議員と私。賛成討論は、小島忠義議員、
議案25号の反対討論は、古川忠正議員と私。賛成討論は、堀田勉議員と田原耕一議員。…
議長(有田継雄君)
賛成の議員の挙手を求めます。賛成多数です。したがって、議案25号は原案の通り、可決されました。(反対~伊藤、古川、檜和田の3人)
松本前市長が、この議決の3か月前、ある議員を通じて利害関係者に会って、無償貸付を頼まれていたという事実を私が知ったのは、それから半年後、会社が経営難に陥り、契約を解除された後のことだった。
存在しない会社を事業者選定して指定管理者決定書を作成し、それを利用して財産を無償貸付する議案を作成する。公務員の知識がなければ、考えつかない不正な行政手法だろう。
20年間のぼう大な議事録を読み返すと、その時々、超少数野党の中で必死に議会活動をしてきたさまざまな思い出がよみがえる。前原の風、糸島の風、ちよ便りと、議会ニュースも20年間書き続けてきた。大事なことについては、ていねいに振り返ってみよう。
フォレストアドベンチャー
前市長は、農林水産部長の働きで、自らの犯罪的行為を社会に知られることはなかった。もしこれが発覚していたら、その後も「存在しない法人」を業者選定する不正はできなかっただろう。
下の書類は、フォレストアドベンチャーのオープン前日に結ばれた市と会社の「賃貸契約書」。職員に急がせてつくらせたのか、この契約書にかかれた会社の住所は、間違っている。それを訂正もせず、6年間そのままだった。
下は10年間、市が(株)パシフイックネットワークに貸した市の財産目録と、契約書にある賃貸料金。シャクナゲや桜の名所だった広大な森林公園(本来は行政財産)を、タダ同然(年間10万3千円)で貸した。山林を利用したビジネスと言えば聞こえはいいが、風水害で崩れやすい山間地の道路整備(莫大な税金がかかる)を、常に、万全にしてやらねばならなくなった。それも市に税金を納めることのない東京の会社のために。
合併後、前市長と仲良しの建設会社の幹部が大麻で逮捕されるなど、さまざまな事件があった。
この当時、福岡市の某署の刑事から「市の不正を追及しているのは、伊藤議員だけですな」と言われた。「どうして他の議員は、何も言わんとですか?」と訊かれたが、「癒着なれ合いがひどいから」としか、答えようがなかった。
当時の議員たちは、K元前原市長をリコールし、自分たちの要望を実現してくれる市長候補を福岡市から連れてきた。それが松本前市長だった。議員が利害関係者となって進めていた土地の開発、土建業者も絡んだこの大開発を絶対に成功させる必要があった。合併と九大移転を利用したビジネス計画が、市民の知らないところで次々進められていた。
「伊藤は過激だ。近寄るな」「伊藤と話すものは共産党と見なす」「伊藤は懲罰議員。ウソつき議員だ」。私は長年、議会内外で誹謗中傷を浴び続け、その後無所属になったこの3年間も、心の休まる時がなかった。
しかし、ある元幹部職員の言葉を思い出す。
「議長室で、☓☓議員と〇議員から『今日のお前の議会答弁は、なんや!』と怒鳴られ続け、あれ以来、胸の動悸がするとです」
私も同じような経験をしてきた。
命を絶った職員は、パワハラのひどさを家族に訴えていた。それが、公務災害認定に繋がり、裁判の勝利につながった。
権力と数の力を持ってしても、すべてを闇に葬り去ることはできない。虚偽の公文書に、不正の事実が残されている。
虚偽有印公文書の作成は、時効7年という重大な犯罪だ。市民を欺いて、税金をムダ使いしてきた事実を、明らかにする必要がある。みんなが勇気を持って、不正を正す時は必ず来る。
地方自治体の目的は、「住民福祉の増進」であり、日本国憲法第15条には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と書かれている。
前市長の最も卑劣な違法行為は、何も知らない市民を巻き込んで、ヤラセの業者選定を繰り返したことだろう。
存在しない法人を「ある」と偽って事業者選考会を開き、「市の事業者選定をパスした」という架空の実績をつくりあげる。「業績のでっち上げ」を、行政が税金を使ってやっていた。そのひとつが2012年2月3日、午後3時からの糸島市二丈庁舎302会議室で開かれた「糸島市林間施設指定管理者選考会」だった。
上記の書類(写真)は、その日、選考委員に配布されたレジュメである。「公募の経過 応募者(株)○○スピリット」と書いてあるが、会社の設立は選考会後の2月22日であり、株式会社というのは明白な虚偽記載である。
市長が任命した選考委員5名のうち、副市長、農林水産部長、農林土木課長の3名は、確実に会社が設立されていないことを知っていた。2名の市民は、市の他の審査会等で委員をつとめている市民から市長が選んだ。税金で日当(費用弁償)を払い、一般の市民を参加させることで、いかにも合法的な選考会に見せかけた。虚偽のレジュメは、真実を知らない市民の委員をだますためだった。
議会を傍聴した方から、「存在しない会社をどうやって業者選定するのですか?経営実績などなにもないのに」と聞かれた。「そんなことは、行政経験豊富な公務員が組織的に行えば簡単です」と答えた。
ふつう指定管理者の選定は、登記簿や経営報告書等を出させて、行政財産を適切に管理する能力があるかどうかを客観的に審査する。しかし会社はないのだから、登記簿や経営報告書は出せない。本人のプレゼンテーションを中心に、「経営者のやる気、熱意」や、「計画」「事業方針」とか、実績など必要ない項目だけで審査して点数をつけた。
上の写真は、副市長の採点表である。真っ黒に塗られた部分に点数が書いてあるはずである。私が先の9月議会で、「副市長や部長は、存在しない会社に何点つけたのか?」と聞いても、市は答弁しなかった。言えば、存在しない会社を採点したという事実が、明白になるからだ。副市長は、この4年後、市の健康づくり施設「二丈温泉きららの湯」の無償譲渡の審査委員をつとめることになる。
2012年2月3日、(株)〇〇スピリットが「指定管理者選考会をパスした」という実績を作り上げた市は、それを根拠に2月6日、「指定管理者決定書」と「無償貸付の議案」を作成した。この時も会社はまだ設立されていないから、二つの公文書は、明らかに虚偽である。
市は、3月議会に正しい業者選定を行ったと虚偽説明を行い、賛成多数で議決。前市長は3月26日、ついに「林間施設の無償貸付」の契約を結び、市の山林と公園を使ってビジネスをしたいというA氏との約束を果たした。会社設立後、わずか32日目のことだった。
そして4月のある夜、別の課の職員が官製談合で逮捕され裁判中というのに、この件に関わった部課長、議員たちは、A氏と飲食し二次会まで行った。見た人の話では、みな相当酔っていたらしい。市長が命令した骨の折れる仕事を成し遂げて、お祝いをしていたのだろう。それについて市は、当時、「あれは意見交換会だった」と総務部長が答弁した。市と議員と利害関係者との飲食こそ、行政腐敗の根源である。
さて、契約後すぐに会社は、二丈樋の口ハイランド公園に、大掛かりなフォレストアドベンチャーの施設を建設した。しかし会社は資金不足で費用を支払うことができず、7月4日、契約解除に追い込まれた。
7月21日のオープンを前に、突然、経営者がいなくなり、市と口利きした議員たちは慌てふためいた。市の公園に、経営者のいない数千万円のアスレチック施設が出来上がっていたのだから。
前市長は、農林水産部長を東京に派遣し、運営会社と交渉させた。「西日本初のフォレストアドベンチャー」とマスコミで大宣伝してあり、引き返すことはできない。「賃貸料などいらないから、だれか経営してくれ」という心境だったろう。前市長が新しい経営者となる会社と契約を結んだのは、7月20日、フォレストアドベンチャーのオープン前日だった。
いま、数億円で建設された広大な森林公園と建物を、東京の会社がタダ同然で借りて、ビジネスを展開している。漁夫の利とはまさにこのようなことを言うのだろう。
2012年2月23日、午前10時過ぎだった。私は一般質問の発言通告書を提出するため、議会事務局に行った。
隣の議員控室の机には、3月議会に提出される議案の入った分厚い茶封筒がすでにおかれていた。封を開けると、多くの議案書とともに、「財産の無償貸付」の議案第25号が入っていた。林間施設(木の香ランドと樋の口ハイランド)を、福岡市の株式会社○○スピリットにタダで貸すという契約議案である。
いったい、どんな会社なのか?
3月3日の議会質疑で市の説明がおかしいと思った私は、3月6日、法務局に会社の登記簿を取りに行った。そこで、会社設立が2月22日であったことを知った。私が議案を受け取った日の前日に、その会社は設立されていたのである。
つまり市がこの議案を作成したとき、会社はまだ存在していなかった。市の説明は、すべてウソだった。
しかし市長派議員は、積極的に賛成討論をおこなって、議案に賛成した。私に「伊藤さん、あんた、もっと人を信用せな。性善説よ」と説教する議員もいた。前原市のときから、議会の役割は市をチェックするのではなく、不正を黙認して市の政策をともに推進することにあった。「市と議会は、車の両輪」というのが、彼らの好きな言葉だった。
3月23日、議会最終日、議案は賛成多数で可決し、松本前市長は、3月26日、無償貸付の契約を結んだ。
30万平方メートルの土地と14棟の建物が含まれるキャンプ場や森林公園を、10年間タダで貸すという契約を、議員の紹介で3か月前、初めて会ったばかりの福岡市の人と結んだのである。
議会の議決とは、本当にすごい力だ。
数億円の財産を、10年もタダで貸すという不当な契約を、合法的に実現してしまうのだから。多数決で決定される議会では、議員の過半数(時には3分の2)を味方につけたら、どんなことも可能となる。
しかも、後で気がついたのだが、この議案には「無償貸付の決定書」がなかった。前市長は、作成根拠のない議案を、部下にねつ造させたのである。まるで詐欺集団のボスのようだ。
松本前市長は、自分の財産ではない市の財産を、虚偽の公文書をつぎつぎ作成し、福岡市の人にタダで貸した。彼は、それと同じ手口で、市の財産の無償譲渡も行っていたのである。なんと恐ろしいことだろう。
忘れもしない、福岡県警は下水道工事をめぐる官製談合事件で、2012年の1月25日、糸島市役所など10カ所を捜索した。
旧前原市のときに市が発注した下水道工事の最低制限価格に関する情報を、職員が建設業者にもらして落札させた官製談合防止法違反の疑いで逮捕されたため、捜索が行われたのだった。
1月25日の寒い朝、午前10時半過ぎに捜査員が入り、下水道課などで契約に関する書類を押収していった。
当時、松本市長は神妙な顔で「職員が迷惑をかけ、申し訳ない。いっそう公務員倫理と法令順守につとめ、市民の信頼を回復していく」とマスコミや議会に述べた。
しかし、その裏ではぺろりと舌を出していた。
なぜなら、議員が紹介した人のために、木の香ランドキャンプ場や樋の口ハイランド公園(林間施設)の無償貸付を実現するため、部下に命令して「業者選定」のヤラセを計画実行していたからだ。
詐欺師のように「存在しない会社」を使って。
2012年2月13日、建設産業委員会に農林水産部長と農林土木課長が来て、部長はこう説明した。
「林間施設は、森林組合が指定管理者として管理運営していたが、今年度末で契約が満了となるので、2月3日の指定管理者選考会で業者選定した。すばらしい会社だったので、ここに民営化して貸付を検討している」
「その会社の名前は?」私が聞くと部長は、
「株式会社○○スピリット。福岡市内にある会社である。施設を使わせてもらえれば、会社を糸島にもってきて良いと言っている。そうすれば、市の雇用も増える…」と答えた。
そして、「今回、この事業のために設立された」と。
しかし、部長の説明はすべてウソだった。
会社設立は2月22日で、委員会に説明にきたこの日、会社はまだ存在していなかったからである。
部長と課長、市の幹部が二人、委員会に説明にきて、ペラペラとうそをついて帰った。私以外、みんな市長派議員だから、気楽なものである。
2月23日の朝、私は3月議会の議案を議員控室で受け取った。それには、市のキャンプ場と森林公園を10年間、株式会社○○スピリットにタダで貸すという議案が含まれていた。この会社が、前日の22日に設立されたばかりだったと、私はまだ知らなかった。
3月1日に議会が開会し、「民間に無償貸付することで、民間活力を利用でき、市の林間施設が発展する」かのような説明が行われた。
3月6日、私は法務局で調査し、この会社が議会直前に設立された事実を知った。業者選定はヤラセだったのだ。しかしそれを議会で述べても、この議案は賛成多数で可決し、松本前市長は予定通り、3月26日、行政財産の無償貸付の契約を結んだ。
議案採決の日、議員たちは、いつものように議員控室でゲラゲラ笑っていた。市がうそをつくとかつかないとか、彼らにはそんなことはどうでもいいのだ。
議会終了後、夕方から開かれる議会と市の執行部との懇親会に、議会のバスで行くか、自分の車で行くかという話題になっていた。
前市長の恐ろしさは、議会を後ろ盾に、公務員倫理や法令順守を平気で踏みにじる強権性にあった。市役所はまさに私物化状態。
大勢の議員や業者の要望で市長に当選し、圧倒的多数の議員から絶大な支援を受けていたこの市長に、怖いものはなかった。
うそもヤラセも平気。利害関係者との飲酒も平気。
議会が守れば、クロもシロになる。
長年の行政経験で、法律のウラを知り尽くした「市長」だった。
2012年、入札の情報をもらして逮捕された職員は、有罪となり、公務員の職を失った。マスコミに実名で報道され、地位も名誉も失った。
しかし、彼と松本前市長とでは、どっちが悪いだろう?卑劣なのは、どっちだ?
部下にヤラセの業者選定を実行させ、「虚偽公文書の作成」という犯罪行為を命じ、議会で虚偽の説明をさせ、地方公務員法や地方自治法に違反した不正を、市役所ぐるみで行ってきた前市長。
行政権力と議会権力に守られて、やりたい放題だった。
市民の信頼を裏切り、利害関係者のためには何でもするという、ゆがんだ市役所に変質させた彼の責任は重大だ。
行政のトップにあって、恐ろしいはずの警察さえ手玉に取り、詐欺師的手法を駆使して、大切な市の財産を無償貸付どころか無償譲渡した。その手口を調査すると、「ウソとヤラセの天才」というあだ名がぴったりの実像が浮かび上がってくる。
それについては、資料をもとに後日解説する。
2012年2月6日、松本前市長は、会社が設立されていないにもかかわらず、会社が設立されていると偽る虚偽の「指定管理者決定書」を部下に作成させた。それについて、9月12日の一般質問から。
いとう~沖縄県宮古島市で今年6月18日、職員が虚偽有印公文書作成罪で有罪になり、職を失った。ご存知か?
部長~知っている。
いとう~公文書の虚偽が許されれば、どんな不正も思いのままだ。虚偽有印公文書作成罪の時効は?
部長~7年である。
いとう~2012年2月6日の指定管理者決定書(公文書)に、「存在しない会社」を指定管理者として決定している。なぜ真実ではない公文書に、松本市長以下、みんなで印鑑を押したのか?
部長~虚偽と言われるが、設立登記の準備をしてあったから「株式会社」と記載した。市長、職員みんなで「会社は設立されるもの」と判断し、公文書を作成した。
いとう~「設立されるだろうから、会社と書いた」は、通用しない。
前市長を、虚偽公文書作成と背任容疑で刑事告発すべきだ。
月形市長~私どもは、法令順守を守っている。議員のように、(虚偽とか、背任とは)思わない。
月形市長も、財産の無償譲渡で虚偽記載
松本前市長と月形市長は、財産の無償譲渡で、法人ではない個人を法人として扱い、虚偽の公文書を作成していました。(つづく)
これまでの議会質問で明らかにしてきたこと
2011年12月16日、松本前市長は、議員から口利きのあったA氏(福岡市)と市役所で面会し、「木の香ランドキャンプ場(林間施設)を使ってビジネスをしたい」という要望を受け入れ、即、職員に便宜を図るよう指示した。
2012年2月3日、副市長等は、A氏の会社がないのに「ある」と偽り、林間施設指定管理者選考会を開き、選考会をパスしたという実績をつくりあげた。
2012年2月6日、前市長は、会社が設立されていないにもかかわらず、虚偽の「指定管理者決定書」、虚偽の「無償貸付の議案」を職員に作成させた。会社設立はその後の2月22日。
2012年3月1日、前市長は議会に「無償貸付の議案」を提出。議会で虚偽説明を行うとともに、口利きした議員らの協力も得て、3月23日、虚偽の議案を議決させた。
2012年3月26日、松本前市長は、まだ行政財産であった木の香ランドや森林公園を、A氏に10年間、無償貸付する契約書を締結した。
契約成立後に、宴会
市のキャンプ場と森林公園、30ヘクタールをタダで貸す契約が成立すると、市の幹部、議員、A氏は打ち上げの宴会をし、二次会までいきました。議会中、A氏に接待を受けた議員もいます。市と議会と利害関係者が手を組めば、何でもできる。その見本です。
3か月後、契約解除
しかしA氏の会社はすぐ財政的に行きづまり、2012年7月4日、市は契約を解除しました。違法な事務で多額の税金をムダに使ったのに、だれひとり、責任を取っていません。
すべてが計画的ヤラセ
2012年5月発売の雑誌フォーネットに、A氏が、松本前市長に便宜を図ってもらった事実を正直に語っています。市役所を私物化した市長が、議員の口利きで始めた「計画的なヤラセ」だったのです。
2012年1月、下水道課の職員が別件の官製談合で逮捕され、25日、福岡県警が市役所を捜索しました。そのとき前市長は、テレビや新聞で「申し訳ない」と謝罪しながら、裏では職員を使って、虚偽の公文書を作成させ、存在しない会社をあると偽り、事業者選定を行うという組織ぐるみの官製談合を実行していたのです。
指定管理者の決定書を利用して、行政財産の無償貸付の議案を作成させるという詐欺的手法には驚かされます。半世紀近く公務員として勤務してきた前市長の悪知恵なのか、それとも部下のアイデアかはわかりません。しかし、議会の協力がなければ、こんなデタラメな議案を通すことは不可能でした。
◎平成24年2月6日の事業者決定書について、会社の設立は2月22日です。
契約決定書ができた後に、会社は設立登記されていたのです。
「会社がないのに会社がある」と偽って契約業者に決定した公文書は、虚偽の公文書です。にもかかわらず、市長、副市長、部長、課長…と7つも印鑑が押してあります。
いとう~「会社がないのに、会社と書いて契約業者に決定するのはおかしいと、誰も言わなかったのか?」
部長~「設立登記に向けて準備をしてあったので、「株式会社」と記載した。起案した職員、決済した市長、職員全員が登記がなされるものと判断して、この公文書を作成した…」
あまりにすごい答弁に頭がくらくらします。
糸島市では、事実にもとづいて公文書を作成せず、「会社ができるだろう」「法人登記がなされるだろう」という予測で、虚偽記載を市役所ぐるみで認めているのですから。
公文書の虚偽記載が許されれば、どんな犯罪も思いのままです。
たとえば、
職員採用試験で、「九大を卒業するであろう。だから卒業と書け」
生活保護申請で、「福岡市から転居してくるであろう。だから住所は糸島市と書いてよい」
業者選考会で、「法人の設立に向けて準備しているから、法人として記載せよ」
・・・
なんと恐ろしい市役所でしょう。
「職員は誰も告発なんかしない」
「みんなで黙認すれば外にはもれない。市民には知られない」
「議会は市長派議員ばかりで、たとえバレても必ず守ってくれるから心配ない」
ということでしょうか。
実際、前原市のときから、法人名も代表者の住所も設立年月日もデタラメな公文書がまかり通ってきたのは、市の倫理観が「麻痺」して「腐っている」ということです。
虚偽有印公文書の作成は、重大な公務員の犯罪です。
部下の職員に違法な事務を命じ、市の税金をムダに使った前市長の政治責任は重く、きちんと責任を取らせるべきです。
ふと何か違うと思ったら、月形市長の隣の席、副市長席が空いたままだ。
いつも市長が答弁に窮したら、何度も何度も助け船を出してくれたその人は、
先月20日、退任なさったと新聞に載っていた。
おもえば、入札など、業者選定の最高責任者である副市長とは、
議会で丁々発止の議論をしてきた。
この前の12月議会でも。
4年前の3月議会で、私はこの人の副市長就任に反対討論をした。
フォレストアドベンチャーに絡んだ指定管理者の業者選定で、
法的に設立されていない会社を選定し、
市の大切な林間施設(木の香ランドや樋の口ハイランド公園)を、
福岡市の人に10年間無償貸し付けしたからである。
今、その時の議事録(平成26年度第2回定例会3月3日22ページ)を読み返し、私の判断は間違っていなかったと確信した。
市役所は、公平、公正でなければならない。
市に損害を与え、職員の良心を踏みにじる不正は、議会と市民の世論で正していく必要がある。
きのうの本会議で、谷口副市長の再任人事に反対した。理由は、2年前、前市長のもとで行われた指定管理者の募集において、全く資格のない人の申請書を受理し、審査していた責任者だったからだ。
業者選定における不正は、市民がもっとも許すことのできないことの一つである。
いかなる理由があろうと、特定業者や特定個人を、特別扱いするようなことがあってはならない。指定管理者は法人か団体でなければ申請する資格がない。
ところが2年前の1月に糸島市が行った林間施設の指定管理者募集で、会社設立予定の申請書を受理した。
申請に必要な登記事項証明書などの重要な書類を、なにひとつ提出できないまま、受理したのだから、驚くほかない。
さらに、その業者が議会直前につくった会社に、市は「10年間も無料で市の施設を貸す」契約を結んだのである。
この背景に、有力議員の存在があったのだが、とにかく昨日の反対討論を載せておく。
副市長の再任に反対する討論副市長の再任人事に反対する討論を行います。長引く不況の中で多くの市民が一生懸命生きています。
市役所は市民の生活を応援し、公平、公正な市政を行う責任があります。
2012年の3月議会に、二丈にある木の香ランドキャンプ場を含む林間施設を、福岡市の業者に10年間も無料で貸すという議案が、上程されました。日本共産党が調査すると、この会社が法務局に登記され、法的に設立されたのは、議員に議案が配られた2月22日だったのです。
10年間も無料で市の施設を貸し付ける業者が、議会直前にできたばかりの会社、議員に議案が届いた日にできたばかりだったとは、契約当事者として、不適格と言わざるをえません。
これに先立ち、林間施設を管理運営する業者を選定するため、1月、市は林間施設の指定管理者募集をおこないました。
地方自治法244条では、指定管理者になれるのは、法人か団体だけです。
ところが、まだ会社が設立されていないのに、2月3日、副市長、部長、課長も出席して、指定管理者選考委員会を開き、存在していないこの会社の実績を審査し、点数までつけて指定管理者にふさわしいと結論づけて、議会で説明をしていました。
正式に会社として登記がされておらず、登記事項証明書や前年度事業報告書も提出できない状態であるのに、指定管理者としての申請書を受理して審査をしていたのです。
これは明らかに市民の疑惑を招く行為です。結果を見ても、10年間、無料で貸す議案が賛成多数で可決し、市はこの会社と契約を結びました。
しかし、3か月も立たないうちに、経済的な問題を引き起こし、契約解除をする事態となりました。
地元の二丈をはじめ、市民の信頼を傷つけた業者選定の責任は、重大です。入札を含め、業者選定における副市長の権限は重いものがあります。
公平に行われなければならない市の業者選定事務において、この件での副市長の責任は重く、よってこの人事案には反対します。
市民の大切な林間施設、木の香ランドキャンプ場と樋ノ口ハイランド森林公園の民営化において、職員が官製談合で逮捕されていた最中に、市が数々のウソ、やらせ、でっち上げを行って業者選定を行ったかを、議会質問にもづきこれまで書いてきた。
特にひどいのは、今年の2月13日、議会に説明に来たとき、「すばらしい会社だから、来年度(1か月半後の4月)から、株ネイチャー〇〇〇社に民営化します」という報告だ。このとき、会社はまだ設立されていなかった。
ない会社をあると偽って人をだますのは、詐欺師のすることだ。
市長は、こういうことを恥ずかしいとも、いけないことだとも何とも思っていない。
市が議会で平気でウソをつき、議案を通す。政治倫理も議会制民主主義もないのである。
しかし、議員たちはみな、自分たちがだまされていたにもかかわらず、だれ一人、「議会で虚偽の報告をするとはどういうことか?」と怒らない。
抗議もしなければ、質問もしない。全く無関心だ。無関心でいることで、市長を助け、免罪しているのである。
それどころか、民営化が決定した後の業者との打ち上げの宴会に出席した議員もいるのだから、「あなたたちもグルだったの?」と言いたくなる。
市民の願いは「公平・公正でクリーンな市政」、特定業者ではなく、不況の中でがんばって生きている弱者、一般市民にこそあたたかい市役所だ。
松本市長が市長となって丸7年。
財政難のなかで推進してきたムダな公共事業を中心に、その「実績」を、市民の視点から、ひとつひとつ検証してみよう。
(市の林間施設の民営化とフォレストアドベンチャーをめぐって)
1月27日に、(株)ネイチャースピリット(設立予定)の申請書を不正に受理した糸島市が次にしたことは、民営化に向けて、まだ存在しないネイチャースピリットの実績をでっち上げることだった。
市はそのために、大がかりな芝居を打った。
それが、やらせの指定管理者選考会。ときは、2月3日、午後3時。場所は、糸島市役所二丈庁舎302会議室。登場人物は、選考委員である副市長、農林水産部長、農林土木課長、それに何も知らない市民の委員二人。
そのときの議事録には、審査対象「応募者 (株)ネイチャースピリット」と書いてある。
ここで市は(設立予定)の文字を削除して、議事録に載せた。
まだ会社がないのに、あると偽った議事録を作成し、選考会の委員に配ったのである。
公務員が公文書を偽造すれば、刑法155条で、懲役、罰金に値する犯罪だ。なぜ、選考会の議事録から設立予定の文字を削除したのか。
理由は簡単だ。存在しない会社の実績や財務状況を審査することなど不可能だからである。
本来、応募者には、過去の事業報告書や賃借対照表、財産目録を提出させて審査する。しかし、まだ設立もしていないネイチャースピリット社にはそれがない。
ところが、副市長も部長も課長も、審査してちゃんと点数をつけていた。ありもしない会社の実績や財務状況をどのように審査したのか?
情報公開でとった採点表は、真っ黒に塗られて、だれが何点つけたかわからない。
わかっているのは、この選考会が、まだできてもいない会社、ネイチャースピリットの実績をつくるために、市が税金と職員を使ってやった「やらせの指定管理者選考会」であったことだ。この採点表は、やらせの選考会ででっちあげた「ねつ造文書」である。
指定管理者の選定において、現実にはない会社を、ある会社として事務をすすめるとは、まったく恐れ入った。
「ない会社」を「ある」と偽って人をだますのは、詐欺師のすることだ。
市はそれと同じことを、市長命令で組織的にやっていたのである。
これで準備は整った。あとは議会の議員に「市の林間施設・木の香ランドと樋ノ口ハイランドを、指定管理者選考会に応募してきた(株)ネイチャースピリット社に民間委託する」と説明し、3月議会で可決すればいいのである。
2月13日が、建設産業委員会の説明日。
この日、部長は「ネイチャースピリット社は、指定管理者選考会には応募してこられた素晴らしい会社。
ここに、来年度(2か月後の4月1日)から林間施設を民営化したい」と報告した。
しかし、このときまだ、ネイチャー社は、存在していなかったのである!
(株)ネイチャースピリットが正式に会社を設立登記したのは、2月22日だから、まだできていない会社に、民営化したいと報告したのである。
各議員に「ネイチャースピリットに、市の林間施設を無料で10年間貸す」という議案が配られたのは、議会直前の2月23日。
3月議会で、このでたらめな議案が、日本共産党以外の議員の賛成で可決したのは、3月26日のことだった。
会社ができて、わずか1か月後のことである。
シナリオ通り。計画通りにうまくいった。
やれやれ、ほっとしたのだろう。
4月末、部長、課長、職員、自民系市議、社長の5人の関係者は、福岡市の料亭で打ち上げの宴会をした。
ちょうど、入札の官製談合で逮捕された職員の裁判があったころだ。
「利害関係者と一緒に酒を飲んでいいのか」と私が聞くと
市は「意見交換会だった」と答弁した。
ぐでんぐでんに酔っぱらって二次会まで行ったのに「意見交換会」とは、あまりに倫理感がマヒしている。
その3か月後の7月4日、ネイチャ-社は、財政に行き詰まり、債務不履行になったとして、市から契約を解除される。
そのあとを受けて、市が大急ぎで契約したのが、(有)パシフィックネットワークだった。
※以上のことは、9月議会の13日におこなった一般質問をまとめたものである。
市がどのような答弁をしたかは、インターネットで見ていただきたい。
※2月3日は、官製談合事件で職員が逮捕された日から、ちょうど10日目のことである。
※なお、ここで使われた資料は、他の会社の実績に基づくものであった。
※出演料(人件費)は、市民がひとり4500円。二人で9000円。職員は勤務中であるため人件費に含まれる。ちなみに副市長の人件費は、年間1500万4950円である。
市長の政治手腕を振り返る前に、9月議会一般質問で新たに明らかにした驚愕の事実の一部を書いておこう。
市は、(株)ネイチャー社が債務不履行に陥ったとして10年契約を3か月で解除し、東京の(有)パシフィックネットワークと新たに10年契約を結んだ。
ところが、そのパシフィックネットワーク本社が、すでに消えてない!のである。
9月13日、一般質問で、私が「パシフィック社の現住所はどこか?」と聞くと、部長は「新宿区新宿1丁目3番の12号」と答えた。
たしかに、契約書の住所も登記簿上の住所もそのとおりに書いてある。
ところが、そこを訪ねていくと、会社はないのだ!ネイチャー社のときも、市が信用できないので、私は早良区の会社を確かめた。
すると議案に書かれた住所に会社はなく、電話の登録さえなかった。
糸島市政はまるでミステリー。
つぎつぎと虚偽の報告、でまかせが議会で行われるので、つねに用心して調べなければならない。
パシフィック社は東京の会社なので、東京の日本共産党区議会議員に依頼し、会社の所在地を確かめた。
8月7日(火曜日)新宿の雑居ビルの906号室がパシフィックの事務所。郵便ポストは封がしてあり、9階の事務所には表札がなく、中はもぬけの殻だった。
同じ階の他の事務所の人に話を聞くと「1か月くらい前に引っ越して行った」とのことだった。市は7月20日、本社が引っ越してそこにはない会社と、契約を結んでいた。契約書の住所は、でたらめだったのだ。公文書偽造である。
部長は、7月7日に会社訪問したと7月18日の臨時議会でこたえ、いかにもパシフィックの本社を訪問したように答弁したが、実際は、会社のビルを見ただけで帰っていたことも判明した。
社長とは会ったというが、いったい、東京のどこで会ったのだろう?市民の負託を受けた自治体が、登記簿上はあるが、実際はそこにない会社と契約を結ぶとは、ほんとうに驚かされる。契約書の中に守秘義務があって「契約期間中も、契約終了後も、秘密を漏らしてはならない」と書いてある。
心配なはずだ。公文書の10年契約書に、虚偽が含まれているのだから。しかもネイチャーの社長のように、雑誌で告白されたらまずい。
6月議会の二の舞だ。だから、守秘義務をパシフィックのK氏に課したのだろう。「お互いに秘密だよ・・・」と。
経過
3月26日(月)(株)ネイチャースピリットと10年契約を結ぶ。
7月4日(水)ネイチャースピリットとの契約解除
7月7日(土)農林水産部長が東京出張し、(有)パシフィックネットワークを「会社訪問」する。しかし実際は、会社のビルを見ただけだった。
7月18日(水)部長、臨時議会で「会社訪問した」「パシフィックの財政は安定している」と答弁する。
7月20日(金)パシフィック社と10年契約を結ぶ。すでにどこかへ引っ越しながら、契約書には前の住所を記載。今は本社がどこにあるか、不明の状態!
※ 念のために書いておくが、部長の仕事はすべて市長命令によるもの。
部下が、良心に不安やとまどいを感じるような業務を命令する上司は、最低である。
特に、行政は市民のためにあり、信用や信頼、公平や平等が法律で何より求められている。
市民と日々顔を合わせて、一生懸命まじめに仕事をしている職員が多数いる中で、市長の していることは、その信頼を台無しにするもので許されない。
「糸島市職員ら3人逮捕」「旧前原市の下水道工事 官製談合容疑など 県警」(西日本新聞)8か月前の1月25日、各新聞にこの見出しが躍った。
1月24日に職員が逮捕され、翌25日には、市役所への強制捜査が行われた。
粉雪の舞い散る寒い日だった。市役所中がピリピリと緊張し、異様な静けさに満ちていた。
3階の議員控室から外を見下ろすと、市役所玄関前に大勢の報道陣がつめかけ、カメラを構えて県警の入ってくるのを凍えながら待っていた。
押収された書類は、段ボール34箱だった。
26日の新聞には、松本市長、谷口副市長、総務部長、上下下水道部長が、謝罪の記者会見をしている様子が、カラー写真で新聞紙上に掲載された。
この時、市長は、「市民の信頼を裏切る行為。原因と併せ、組織の問題を含めて究明していきたい」と述べた。(西日本新聞1月26日付)
しかしこのとき、市役所内部では、違法な指定管理者の業者選定が、市長命令でまさに同時並行で行われていたのである。
1月27日、糸島市役所二丈分庁舎の農林土木課に、ひとりの若い男性がやってきた。
のちの(株)ネイチャースピリット社長、K氏。市の行政財産である「木の香ランドキャンプ場」と「樋ノ口ハイランド森林公園」の林間施設の指定管理者に応募するため、申請書をもってきたのである。
指定管理者に応募できるのは、法人かNPOなどの団体だけ。
応募要項には、過去の実績や事業報告書、財産目録なども提出するように定めてある。
申請書には、(株)ネイチャースピリット(設立予定)と書かれていた。
つまり、このとき会社はまだなかった。当然、応募資格はなく、提出できる書類は何もなかった。
ところが、地方自治法、行政手続法、林間施設条例では、到底受理できないこの申請書を、職員、係長、課長補佐、課長、農林水産部長がつぎつぎハンコを押して、
受理したのである。それは、強制捜査で市役所が家宅捜索された2日後のことであった。
「警察は相当、なめられている」と私は思った。
「存在しない会社」を「ある」と偽って人をだますのは、詐欺師のすることだ。
それを、警察の捜査があっている最中に、マスコミや国民へ謝罪会見しながら、同時にやってのけた松本市長の「恐るべき政治手腕」を、シリーズでふりかえってみよう。
市の森林公園、樋ノ口ハイランドに民間会社がつくったフォレストアドベンチャー。
この経営権が、わずか3か月で福岡の会社から東京のパシフィック社に移ったために
「おかしい。裏で何かあったのではという市民からの声が多数寄せられた。
この間の独自調査で新たな事実がいろいろわかったが、少なくとも、計画倒産ではないことだけははっきりした。
実際、倒産しているわけではない。
2月13日、私がネイチャー社の信頼性を問うと、部長は「ネイチャー社の社長はもともとパシフィック社にいて、富士のフォレストアドベンチャーを手がけた一人」と紹介し「心配ない、この民営化はいいことばかり」と笑いながら言った。
しかしこの時、会社はまだなかったのである。
そしてこの二つの会社がまるで親会社と子会社のように説明したのである。
議員の中には、つい最近までそう信じていた人もあった。
7月の委員会で市は、ネイチャー社が発注したフォレストアドベンチャーの設計施工の代金を、パシフィック社に払えなかったために、こうなったと説明した。
市も、パシフィック社も、ネイチャー社が「お金がなかった」状況を、本当に把握していなかったのか。
最低、市は知っていた。また企業が、契約する相手企業の財政状況を把握する努力は、倒産のリスクを避け、企業として生き残るための不可欠な作業であり、それに失敗したらどうなるかは、おのずと明らかである。
本来、ネイチャー社の社長もパシフィック社の社長も、若く熱意のある経営者として活躍する人たちであろう。
しかし、糸島市の反市民的な行政事務にかかわっている利害関係者である以上、このブログにも登場していただかなければならなくなった。
もっとも悪いのは市であり、9月議会でもっとはっきりさせて、二度とふたたび、地方自治法や条例、公務員倫理をないがしろにするような行政事務をさせないことが、私の願いだ。
そうでなければ、高い税金、差し押さえに苦しむ市民があまりにつらいではないか。
市民のために、国や県の補助金を使って作られた広大な森林公園、樋ノ口ハイランド。
市は、市民の財産を福岡市のネイチャー社に無料で10年間貸す契約を3月議会で結んだ。
そのN社が、財政難ということで、営業開始まえにわずか3か月で契約解除になった。
そして、東京の有限会社パシフィックネットワークに今度は1年で10万円、10年間、貸し付ける契約を、7月の臨時議会で結んだ。
これもただ同然。
市民が公園やグランドを1日借りても、相当な利用料を取るのに、なぜ?市民が、無料で憩える公園や子どもたちが低料金で使えるキャンプ場こそ、市が整備すべきもの。
子ども2500円、大人3500円の高額な料金で利用するフォレストアドベンチャーをつくるために、市民は税金を払ってきたのではない。
約20ヘクタールもの森林公園を、シャクナゲやもみじや桜が美しく咲くこの広大な森林公園は、市長の私物ではなく、市民の宝なのです!
『フォレストアドベンチャー』をめぐる市有地の契約解除と新契約のドタバタに関連して。
蒸し暑かった今日。
やっと「糸島の風」の印刷と「号外の印刷」が終わりました。
「法令順守の当たり前のことが守られていないのですね」と森林公園民営化問題ではたくさんの方から声をかけられました。
しかも3月に木の香ランドキャンプ場と、樋ノ口ハイランド森林公園を民営化したのに、市の当初予算にはその管理運営費がそのまま計上され、6月議会でも減額されませんでした。
今度の臨時議会で、パシフィックネットワークに引き継いだ時点でやっと減額したところを見ると、パシフィック社への経営権移行を、市は予想していたのではないかと疑っています。
急な展開に計画倒産ではないかとのうわさもありますが、もっと調べないとわかりません。気の毒なのは、市がバックアップしているということで、出資した「善意」の市民です。
市が「大丈夫」と言えば、ふつう人は信じます。荒廃林の再生を願う人々が、出資したのです。
市は、ネイチャー社の財政の行き詰まりに「チェックが甘かった」と言っていますが、違います。
市は「チェックが甘かったのではなく、チェックしなかったのです」前代未聞の3か月契約解除は、起こるべくして起こったのです。
もし、ネイチャー社が、出資者から「詐欺だ」と非難されるとしたら、その原因を作ったのは、糸島市であると断言できます。
こうなると、ネイチャー社自身も、気の毒です。
半年間、市を信じて会社をつくり、二丈の地元へ頭を下げに行き、スタッフを集め、いざ開業を前に東京のパシフィック社に経営権を奪われ、ふんだりけったりです。
21日は、フォレストアドベンチャーがオープンします。
主役は木村氏からパシフィックの金丸一郎氏へ。
民間企業のイベントのオープンのために、市が費やした基幹林道の工事費と部長ら幹部職員の人件費は、相当なもの。
これもまた税金の無駄遣いです。
地方自治法244条で、指定管理者になれるのは、法人か団体だけです。
1月末まだ会社がなく、応募資格がなかったネイチャー社の指定管理者への応募申請書を受理して、事務をすすめていました。
議会や選考会でうそ偽りの説明をし、市民の大切なキャンプ場と森林公園を「無料で十年貸す」という異例の民営化が、おこなわれたのです。
公平・公正であるべき市役所の事務が侵されていたわけで、公務員としてあるまじきことです。
業者選定において、はじめから本命が決まっていたなら、官製談合と同じ。
会社もないうちから本命に決まっていたというなら、さらに悪質です。
恐ろしくなりました。
木の香ランドのキャンプ場ほか森林公園の民営化をめぐる経過12月16日~市長が建設産業委員会議員の紹介で木村氏と会い、協力を約束。 職員に命じて計画をすすめさせる。
1月末~市が森林公園の指定管理者を募集。
会社を経営しておらず、応募資格がないのに、木村氏が応募する。
登記事項証明書や前年度事業報告書も提出できていないのに、 市が申請書を受理する。
2月3日~指定管理者選考会で、虚偽の説明。
2月13日~建設産業委員会で、虚偽の説明。
2月22日~木村氏が(株)ネイチャースピリットを設立。社長になる。
2月23日~「林間施設を暴力団排除施設からはずし、 ネイチャー社に10年間、無料で貸す議案」を市が議員に配る。
3月議会~建設産業委員会で審議・可決。
本会議で可決。(日本共産党は反対)
4月~市、「林道整備で支援する」と表明。
5月臨時議会~林道整備費7千万円の補正予算案が可決。(日本共産党は反対)
6月~ネイチャー社が7月から山頂付近で開業する「フォレストアドベンチャー」まで、 アクセス道路となる広域基幹林道(雷山、白糸)を約6千万円で整備する。
6月13日の森林公園民営化についての一般質問の中で、松本市長は、去年の12月16日にネイチャースピリットの木村氏に会い、便宜を図る約束をしながら「初めて会ったのは、今年の2月29日」と答弁。
そこで私が、雑誌「フォーネット5月号」を見せ「この中で木村氏が『去年、議員の紹介で市長に会い、担当職員が動いてくれた』と語っている。
ウソをついていいのか」と問うたが「記憶にない」と否定し続けた。
しかし二日後の議会最終日になって市長は、去年の面会の事実を認める「訂正」を行った。
言い逃れできない証拠を突きつけられ、仕方なく事実を認めたのである。
議会で私や市民に、事実と違うウソの答弁をしたことについては、謝罪していない。
議案25号 財産の貸し付けについて反対討論します。
真名子の木の香ランドと樋ノ口ハイランド、それに二丈の山林、あわせて32ヘクタールを、福岡市の会社に、無料で10年間、貸す議案に反対する理由は、行政財産を営利企業に無料で貸すことが、明らかな地方自治法違反だからです。
議案14号で述べたように、市民の財産を無償で企業に貸すことはできない。
それを知りながら、なぜこんな議案を出したのでしょうか。
私が初めて(株)ネイチャースピリットという名前を聞いたのは、2月13日の建設産業委員会でした。
1月に指定管理者を募集したら、この会社だけが応募してきたと市は説明しましたが、法務局で登記を調べると、3月議会の議案を議員に配った前の日の2月22日にできた会社で、市は、会社と正式な協議を一回もしないまま、議案を提出していました。
3月4日、議案に書かれた住所、早良区小田部7丁目19の20を調べると、そこに会社はなく、3DKの賃貸マンションが建っており、電話の登録もありませんでした。
資金は今集めている最中とのこと。事業計画も財務報告書もなく、建設産業委員会には何一つ客観的なデータにもとづく資料は出されていません。
登記内容の会社の目的には「飲食店の経営、酒の販売、浴場経営」とあり「森林の再生」や「森林保全」は全くありません。
ネイチャースピリットは、登記簿上は単なる営利企業です。
二丈の山間地はほとんど井戸世帯であるのに、飲食店等の事業活動で水源が汚染されたら、取り返しがつきません。
そもそも木の香ランドと樋ノ口ハイランドは行政財産です。
地方自治法238条の4は、行政財産を貸し付けるのを、原則禁止しています。ネイチャースピリットに木の香ランドを無料で10年も貸し付けるという議案25号は、まさに行政財産の無償貸し付けにほかならず、地方自治法238条の4第1項に反することは明白です。(普通財産も、企業に無料では貸せない)
地方自治法238条の4の第3項には、さらにこう書いてあります。
「第1項の規定に違反する行為は、これを無効とする」つまり議会でどんなに多数の議員が賛成してこの議案が可決したとしても、行政財産の特定業者への無償貸し付けは違法であり、無効なのです。
40年も県で行政マンをしていた市長は、このことを知っていたはずです。
談合事件で市役所が家宅捜索を受け、市民の信頼を取り戻すための大事な議会に、違法な議案を提出するとは信じられません。
議会で通りさえすれば「10年無料で貸す」という契約を結ぶ予定です。
公務員の倫理を徹底するといいながら、それでも契約する意向なら、市民の財産を守る立場で、行政訴訟に訴えてでもたたかいます。そ
の決意をのべて、私の反対討論とします。
(傍聴席から拍手がわく。議員たちが大声で騒ぐ)
議長が拍手をやめさせ「ここは劇場じゃない」
議員たち「傍聴規則を守らん傍聴人は、傍聴させるな」
「傍聴人は、ちゃんと自分の名前を書いとうとか」
25号の議案の討論の中だったか、議長が傍聴の市民に「騒ぐと、警察を呼ぶ」と言ったが、議員の「つまみ出せ」とか「きさま」発言は注意もしないで、本当にひどい議会です。
3月26日の市議会を、インターネットでごらんになるときは、議案6号と議案25号を、必ず見てくださいね。
きょうは心底くたびれたので、反対討論を載せておきます。
まず今日は議案6号を。
明日は25号を載せます。
議案6号 林間施設条例を廃止する条例について反対討論をおこないます。
この条例は、真名子の木の香ランドと樋ノ口ハイランドの管理を定めた林間施設条例を廃止すると同時に、暴力団排除施設からもはずす「糸島市公共施設の暴力団排除に関する条例の一部を改正する条例がついています。
いま全国で一番暴力団の抗争が激しいのは福岡県です。
県全体で「暴力団の撲滅」運動に取り組み、4月1日から、県の条例はさらにきびしくなります。
糸島市には二つの暴力団事務所があり、ここ数年、暴力団をめぐる事件が毎年おきています。
こんなとき、「暴力団排除条例」を後退させる条例は、ぜったいに認めることはできません。
キャンプ場は、友達や家族と星を眺め、飯盒でご飯を炊き、野外で活動する所です。
安全が何より大切です。木の香ランドは、木材の香りのするバンガロー、広々とした野外炊事場、大小そろった木の研修施設、すてきなデザインの水洗トイレ…。
地元の大工さんたちが、心をこめて丁寧に造った魅力的な建物が14もあります。
広い公園、名水の湧き出る所、全国でも指折りのすばらしいキャンプ場です。
樋ノ口ハイランドは、もともとパラグライダー基地、草スキー場、展望広場のある森林公園です。
およそ2億円でつくったこれらの施設は、旧二丈町の人々にとって、自然を愛するシンボルでした。
平成16年は1万3728人、17年には1万971人が訪れ、多くの子どもたちが、かけがえのない思い出を作り、育っていきました。
ところが、合併してから二年目の今年は、ついに利用者は、3千人に落ち込みました。
年間、わずか350万円の管理運営費では、施設の管理が不十分で、周辺は草が生い茂っています。合併した以上は、糸島市がこの宝を大切にして、子ども、市民が低料金で利用できるかけがえのない場所としてきちんと管理すべきなのです。
市は、フォレストアドベンチャーをつくってもらえると会社の口約束を繰り返しています。
しかし、フジのフォレストアドベンチャーに問い合わせると、山が1ヘクタールもあればできるそうです。
山とキャンプ場を32ヘクタールもタダで貸すというと、驚いていました。
そもそも木の香ランドと樋ノ口ハイランドは、国県の補助事業でつくられた公の施設で、その管理運営は直営か、指定管理者でする以外ありません。
民営化で管理費が350万円節約できると喜んでいますが、行政財産であり、本来民営化できない施設なのです。
地方自治法244条の2第1項は、公の施設の設置、および管理に関する事項は、条例で定めなければならないと定めています。
糸島市林間施設条例を廃止すれば、木の香ランドの施設管理に関する事項を定めた条例がなくなってしまい、明らかに地方自治法242の2第1項に反する事態が生じます。
したがって、議案6号は法律上認められないのです。
条例に基づかず、公の施設を管理しようとする違法なやり方は、行政がしてはならないことであり、日本共産党は、糸島市林間施設条例を廃止する条例に反対します。
木材の香りのするバンガローや、広々とした野外炊事場
大小そろった木の研修施設、すてきなデザインの水洗トイレ
こんな建物が14個もあるキャンプ場と、広い広い公園
それに遊歩道などと、広大な山林を無料で10年間も、ある会社に貸すという。
議員に議案を配った2月23日の前の日、2月22日にできた会社。
会社とは、まともな協議を1回もしないで、市民の財産(行政財産!)を、何の担保もなしに貸すとは、もう行政の私物化としか思えない。
北新地の地区計画でもダミー会社がでてきたし、県のリサーチパークの土地取得の時も、ダミー会社、いわゆるペーパーカンパニーが活躍した。
今回も、事業実績はまったくない。
「住所は正確でないし、電話もない」委員会でそういうと
ある議員が「性善説よ、いとうさん」と賛成の意見を述べた。
市長や議員の財産なら、どうでもいい。
しかし税金でつくった施設や公園を、どうしてお酒の販売をする業者に、無料タダで貸すの?条例違反を承知で出してくるとは、政治倫理どころではない。
近くには名水も湧き出ているこのすばらしい二丈の宝を、守らなきゃ。
採決は26日。(今議会に出ている議案14号には、地方公共団体のふつう財産は、国や他の地方公共団体にしか、無償で貸せないと書いてある)
ついでに言うと、富士のフォレストアドベンチャーの事業主体は、勝山耕地整理組合。元助役が組合長。
県有地を一部借りているが、年間借地料をきちんと収めている。
ただで貸すとか、議会直前にできた会社にという話に、向こうの人もびっくり仰天していた。